- 君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956 デラックス版
6/27レンタル開始。
1956年の“”と、その数週間後に起きたオリンピックでの“メルボルンの流血戦”という2つの史実を背景に、歴史と政治に翻弄されながらも最後まで自由を求めて闘った若者たちの愛と悲劇の物語をエモーショナルに綴るヒューマン・ストーリー。監督はこれが長編2作目のハンガリーの新鋭クリスティナ・ゴダ。
1956年、ソ連の支配下にあったハンガリーの首都ブダペスト。独裁的な共産主義政権に対する市民の不満は募り、学生を中心に自由を求める声は日増しに高まっていた。そんな中、政治にまるで関心のなかった水球のオリンピック選手カルチは、学生たちに連帯を呼びかける女性闘士ヴィキの姿を目にして心奪われる。そして、10月23日。その日、オリンピックへ向けた合宿が始まる予定だったカルチは、街でデモ隊を導くヴィキを見かけ、彼女の後を追う。やがて、デモが激しい銃撃戦へと発展していく中、一度は合宿に合流したものの、もはや傍観者ではいられなくなり、再びヴィキと共に、闘争の最前線へと身を投じていくカルチだったが…。
タイトルやあらすじでは、暗い映画のように感じるかも知れないが、1956年、ソ連の衛星国として、共産主義政権下のハンガリーを舞台に、ラブストーリーも絡め運命に翻弄された若者たちの物語で、ドラマティックな仕上がりになっている。政治に翻弄され、自由を求めて戦い、暴力によって人生を奪われた彼らの運命は、心を揺さぶられる。プロデューサーは「ダイハード3」「ニクソン」などのハリウッド大作を手掛けたA・G・バイナ。監督は女性監督のクリスティナ・ゴナなので、女性監督の繊細さと、プロデューサーA・G・バイナのスケールの大きいアクションがマッチしていて良かった。