二番煎じ | ご機嫌菊龍気楽な毎日

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 暫くのご無沙汰でした。一年(正確には丁度31日、一月)ぶりになります。今回は『二番煎じ』です。
 これは先代の小勝師匠からで、二つ目になってどの位経ってからでしたっけ?ねぇ。まだ二つ目になったばかりの頃だと思うンですがねぇ。小勝師も襲名前の勝弥でしたから、1980年頃だったと思います。
 前に『壺算』の稽古をして戴いて、師匠の口調がオイラにはとても良く合っていて、覚え易くもありました。機会があれば又稽古を…と思っていたら、思わぬ機会が訪れたのでした。
 三遊亭圓歌一門で、秋田山形の巡業公演というのがあり、前座さんのいなかった圓歌一門からお呼びがかかり同行させて戴く事になったのです。余りよく覚えてはいないのですが、圓歌師匠、勝弥(小勝)師匠、歌文(現若圓歌)さん、そしてオイラだったような気がします。夜行寝台列車で、秋田から酒田へと三泊四日の旅興業でした。
 その行きの寝台車の中で、中々寝つけずにワンカップの酒を手にしながら、勝弥師匠と話をしている内に、この旅の間に何か稽古をつけて欲しいとお願いしました。酔っていた所為もあるのでしょう、師匠はこの旅の間と言わず、何時でも稽古をしてやるから、俺のネタを全部教えてやると言って下さいました。そして、今から一つ稽古しようじゃないか、と、なんと寝台車の端の休憩所のようなスペースで『二番煎じ』の稽古が始まったのです。
 なんで『二番煎じ』になったのかは、覚えていませんが、まァ、酒を呑んでいたんで、酒の噺がいいだろうと言う事になったンだと思います。
 揺れで仕草も何もあったもンじゃないし、途中で車掌が巡回に来るというので、結構集中するのが無理ナ情況です。そしてテープにも録ってなかったンで、こんな稽古ってありますか?
 でも、翌日昼間口演の後、次の口演地へ移動した宿で、思い出しながら台本を書いてみたら、結構覚えてた。
 噺は、登場人物が多いので、それをきちっと演じ分ける事。つまり、一人一人の人物描写をちゃんとする事ですね。長屋の花見と同じようなもンです。あとは、短時間でベロベロに酔ってしまう不自然な処を気付かせないようにする事かな。で、見回りの役人をどう描くかが難しいですね。知ってて知らない振りをしてる様に演じるか、全く知らない事にして演じるか?オイラは知らない振りの方だけど。
 この噺は、二つ目の時地元の勉強会で一度、それから15年くらいして一度、その二回しか演ってません。それを明後日酒屋寄席で、久し振りに演ろうと思ってます。サァ、稽古しなくっちゃ。
(  2012年01月15日  )