元犬
今度は短い噺、『元犬』です。バランスがいいですね、長めの噺と短い噺、覚え易く選んでくれたのでしょうか?いいえ、ただの偶然だと思います。
この噺、マクラは適当に自分で考えろ、という事で、いきなり
『蔵前の八幡様に一匹の白犬が紛れ込んで来た』
と噺に入っちゃいました。
動物のマクラっていってもねぇ、思い付かないもんですから、落語の速記本を図書館に探しに行って、『元犬』のマクラを見てみたンですがねぇ、どれも同じで、あまりイイのが無いンですよゥ。マクラが無いと10分も持たない噺なんですね。
その頃この『元犬』を、良く高座にかけていた師匠というと、我一門の古今亭志ん駒師でした。ですからワキで聞いていて、マクラの部分を参考にさせて頂きました。そっくり同じに演るワケにはいきませんからね、志ん駒師に習ったンじゃァないンですから。
前座、二つ目時代には、よく演ったンですけど、真打ちになってからは演ってませんねぇ、面白い噺なのに。短いので演る機会が少ないンですよ。そう、マクラを長くすればいいンですよね。
( 2011年10月19日 )