【比較表付き】VICTORINOX 登山向けマルチツールの選び方
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今回は「VICTORINOX 登山向けマルチツールの選び方」と題して、ビクトリノックスのナイフ・マルチツールの機能比較表を基に、登山・キャンプで使用する際の選び方やおすすめモデルをご紹介します。
また、これらのマルチツールは災害時のエマージェンシーツールとしても非常に優れているため、今後の災害用備品の意味合いを含めて主要モデルを広く検討してみました。
ビクトリノックス・マルチツールを選択する際の参考にしていただけたら幸いです。
※2024年7月18日 一部改
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「VICTORINOXマルチツール+オピネルナイフで快適登山」→ Go!
VICTORINOXマルチツールとオピネルナイフを併用して軽量・快適な
登山ライフを!
本記事のINDEX
(1) スモール・マルチツール
(2) ミディアム・マルチツール
(3) ラージ・マルチツール
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1.VICTORINOXの歴史
ビクトリノックス社HPより(一部抜粋)
1884年
カール・エルズナーが、スイスのシュヴィーツ州イーバッハにナイフのワークショップを開設。母親のビクトリアが献身的に支える。
1891年
初代カール・エルズナーがスイス・マスター・カトラーズ組合を創設し、初めてスイス製のソルジャーナイフをスイス軍に大量に供給するようになる。現在もこの関係は続いている。
1897年
現在のマルチツールの原型であるオフィサーナイフが「オリジナル・オフィサー・アンド・スポーツナイフ」として特許を取得。これは現在「オリジナル・マルチツール」として世界に知られている。
オリジナル・オフィサー・アンド・スポーツナイフ
1909年
亡くなった初代カール・エルズナーの母親への敬愛を込め、彼女の名前である「Victoria(ビクトリア)」をブランド名にする。また、スイス国旗とそれを守る盾「クロスアンドシールド」を商標として登録。現在、120ヵ国以上で商標として登録されている。
1921年
刃物産業にとって革新的な素材である、ステンレススチール(Inox)が開発される。
この「Inox(イノックス)」と「Victoria(ビクトリア)」を一つに組み合わせた「Victorinox(ビクトリノックス)」が現在の社名およびブランド名になっている。
1978年
NASAより、当時最も人気のあるオフィサーナイフであったマスター・クラフツマン50本を受注。
2013年
ウェンガーのナイフ事業をビクトリノックスのブランドに統合。
このように、ビクトリノックスナイフは小型・軽量のナイフに複数の機能を付加したソルジャー・ナイフとしてスイス陸軍に採用され、さらにマルチツールとして特許を取得し世界中で評価を得たナイフです。
今ではこれを真似たマルチツールもたくさん市場にありますが、軽量性、堅牢性、実際に使用した際の使いやすさでは群を抜いていると感じます。
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2.どのサイズを選ぶか
ビクトリノックスのナイフ・マルチツールはモデル数が多く、どれを選んだら良いか本当に迷います。
そこで、ここでは登山やキャンプでの使用を前提に、キッチン用、専門的なナイフ、コレクションモデル、特殊な高額品を除外し、VICTORINOX社が分類する商品カテゴリーのうち以下3分類(スモール、ミディアム、ラージ)をピックアップしました。
数多くのマルチツールの中から「自分に合った一本」を選ぶには、まずマルチツールの3分類からサイズを選ぶことが選択の早道だと思います。
それぞれの特徴と概要をまとめましたので、ご参考にしてください。
(1) スモール・マルチツール
スモール・マルチツールは超小型、ナイフも超小型サイズ
スモール・マルチツール装備のナイフは小刃で、ほとんど役に立たないと言って良いサイズですが、他の普通サイズのナイフ(オピネルナイフ等)と組み合わせて使用すれば、その軽量さを最大限に活かすことができます。
ただし、スモール・マルチツールは全体的に超小型なので取扱いに手先の器用さが要求されます。この精密さが登山では扱いづらい場合があるため、今回の記事では(メインツールとしては)おすすめから除外しました。
・サイズ(ハンドル部分の長さ)の主力は58mm(一部 65mm)
・重量 概ね50g未満
・超小型サイズかつ超軽量なので、日常使用というよりも非常用装備として適する
・超小型のためあまり多機能のものはなく、スモールモデルでは缶切り・コルク抜き・ノコギリを装備したモデルはない
ミッドナイト・マネージャー(スモールサイズ)
ペン・LED付で31g 非常用に持っていると便利
(2) ミディアム・マルチツール
ミディアム・マルチツール装備のナイフは刃渡り55mm程度で意外に使える
ミディアム・マルチツールに装備されているナイフは刃渡りが55〜60mm程あるので、小さいながらも調理に使用することができます。また、ハサミなど様々な機能が盛り込まれている人気モデルで重量が70g〜100g程度なので気軽に携帯可能です。
・サイズ(ハンドル部分の長さ)の主力は 91mm、85mm、93mm
・重量 概ね 50g〜220g程度
・小型サイズ・軽量のマルチ・ツール、日常的な使用に適する
・様々な用途に対応するため、機能のバリエーションが多数用意されている
・登山用・アウトドアスポーツ用として用意されている「クライマー」「キャンパー」「ハイカー」「マウンテニア」「ハントマン」「フィールドマスター」や、サバイバルツールである「エボリューション14」「エボリューションS17」「エクスプローラー」などのモデルの重量は 70g〜100g程度
エクスプローラー(ミディアムサイズ)
旅行などで便利な機能が一通り装備されている
(3) ラージ・マルチツール
ラージ・マルチツール装備のナイフは大型の本格派、ただし重量は増える
一方、ラージ・マルチツールに付属するナイフは本格的な大刃なので、木を切ったり加工したりといった作業ができるものですし、本体の作りが大型のため山でも取扱いが楽になります。
ただし、ミディアムサイズと比較すると少し重量が増え、山に持参できる軽量モデルでも130g前後となります。(ピクニッカーだけは103g)
・サイズ(ハンドル部分の長さ)は 111mm / 130mm:ラージサイズと呼ぶ割には小型
・重量 概ね 100g〜350g程度
・ほとんどの機種は実際の業務に使用され鍛えられたもの、プロの救助隊員が使用する「レスキューツール」やスイスの兵士が携行している「ソルジャーナイフ」など実践で使いやすいサイズと堅牢さを備える
・実用的な「大刃ナイフ」はすべてブレードロック付で取扱いが安全
エボーク ALOX(ラージサイズ)
使いやすい大刃ナイフ専用モデル
ソルジャーナイフ(ラージサイズ)
10機能 131g 最低限必要な機能がすっきりと収まる
サイズについてのまとめ
「最初の一本」はミディアム・マルチツールがおすすめ
これら3分類のサイズを検討すると、登山・アウトドア用途での「最初の一本」は、大きさと軽量性から100g程度までのミディアム・マルチツールを選択するのが順当と言えそうです。
実用性の高さからラージ・マルチツール選択や追加もあり
ただし、大きいナイフブレードが必要な方は最初から130g前後のラージ・マルチツールを選択するのがベストとなります。
また、最初の一本をミディアム・マルチツールから選択した方も、2本目をラージ・マルチツールから選択して用途によって使い分けると一層便利だと思います。
こうした理由から、本記事では「ミディアム・マルチツール」を中心として、一部おすすめの「ラージ・マルチツール」を含めてご紹介することとします。
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3.選択のポイント
VICTORINOX マルチツールのサイズが決まったら次に機能を選択しますが、その際のポイントを挙げます。
以下の項目別に◯✖️と数字を記入しておいた上で後出の比較表を見ていただければ、必要なモデルが探しやすくなります。
(1) メインナイフのサイズ(スモール、ミディアム or ラージ):調理に使える程度で良いか・そうでないか
(2) メインナイフにロックが必要かどうか:ミディアムサイズではブレードロック機能有りは僅か
(3) ハサミが必要か
(4) 栓抜きが必要か
(5) 缶切りが必要か
(6) コルク抜きが必要か
(7) マイナスドライバーが必要か
(8) プラスドライバーが必要か
(9) ノコギリが必要か
(10) LED照明やボールペンが必要か
(11) 許せる上限重量は?
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4.マルチツール 主要モデル比較表
数多くラインナップされる VICTORINOXマルチツールですが、その機能の一覧表が存在しないため、3分類の主要モデルをピックアップして比較表を作ってみました。
項目数が多いと一覧にならないため登山やキャンプ用途を前提とした項目のみですが、自分だけの一本を選ぶ際に参考にしていただければと思います。
※ビクトリノックス社の分類で、スモール・マルチツール、ミディアム・マルチツール、ラージ・マルチツールをピックアップし、限定モデル・特殊用途モデル・ナイフ専用モデルなどを除外しています。
※価格:VICTORINOX JAPANの通販価格を表示(2024年6月現在)
※ライトグリーンで塗ったモデル:登山におすすめのモデル
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5.おすすめのモデル
最後に、私なりに登山用としておすすめのモデルをご紹介します。
特に軽量であることを重視していますので、比較的シンプルな構成のものとなります。
ここに掲載したモデルであれば、災害対策用として気軽に持ち歩くことも可能です。
バンタム(ミディアム・マルチツール) (税込価格)2,750円
・本体長 84mm 重量 33g
・機能数:8
・特徴 :栓抜き、缶切り、マイナスドライバーなど一通りの機能が揃い33gの軽量さ
ハサミ、プラスドライバー、ノコギリは付いていませんが、ナイフ+最低限の機能が揃うミニマルな一本
同じシリーズにバンタム ALOXというアルミモデル(29g)がありますが、そちらを選ぶとキーリングが無いためロープ(紐)を通すことができないのでご注意ください
コンパクト(ミディアム・マルチツール) (税込価格)5,500円
・本体長 91mm 重量 64g
・機能数:15
・特徴 :栓抜き、缶切り、コルク抜き、ハサミなど一通り機能が揃い64gの軽量さ
ノコギリ、プラスドライバーは付いていませんが、山では不足のないモデル
なお人気モデル 82gのクライマーとほぼ同等の機能を持ち、さらにボールペンを装備して64gは驚異的
登山だけでなく旅行にも連れていきたくなるモデルです
スーパーティンカー(ミディアム・マルチツール) (税込価格)4,950円
・本体長 91mm 重量 84g
・機能数:14
・特徴 :日常・旅行での使用を想定したティンカーシリーズの多機能モデル
クライマーのコルク抜きをプラスドライバーに変更した構成
登山用ガスストーブのネジの緩みを締めるといった使い方が可能なモデル
エボリューション グリップ 14(ミディアム・マルチツール) (税込価格) 5,500円
・本体長 85mm 重量 76g
・機能数:14
・特徴 :ブレードロック装備
人間工学に基づきデザインされたハンドルを持つ高機能モデル・エボリューションシリーズ
中でもグリップ14はクライマーと同等の機能に加えブレードにロックが付き、しかも軽量化されています
握りやすいハンドルとブレードロックが付いたナイフは、サイズ以上の安心感で調理等がおこなえます
エボリューション S18 グリップ(ミディアム・マルチツール) (税込価格)6,864円
・本体長 85mm 重量 94g
・機能数:15
人間工学に基づきデザインされたハンドルを持つ高機能モデル・エボリューションシリーズ
エボリューション S18 グリップは、ハサミ、プラスドライバー、ノコギリを装備して94gまで軽量化を図っています
こちらもグリップの良いハンドル、ブレードロックが付いたナイフで、安心して使用できます。
キャンパー / ハイカー (ミディアム・マルチツール) (税込価格)どちらも 4,180円
*キャンパー
・本体長 91mm 重量 74g
・機能数:13
*ハイカー
・本体長 91mm 重量 77g
・機能数:13
どちらもアウトドアで必要な栓抜き・缶切り・ノコギリ等の機能を装備、どちらもハサミは無し
キャンパーはコルク抜きあり、ハイカーはコルク抜きがない代わりにプラスドライバーあり
好みで選べる兄弟モデル、作りもしっかりしています
クォーターマスター(トレイルマスター) NL BK(ラージ・マルチツール) (税込価格) 6,380円
・本体長 111mm 重量 130g
・機能数:12
ここから2つは ラージ・マルチツールのおすすめモデルです
シンプルに見える外観ですが、ナイフやノコギリ、ドライバー等サイズが大きくなるので格段に使い勝手が良くなります
ナイフブレードや栓抜きにロックが付き、誤って手を痛めることもありません
しかも130gしかないので災害時用としても常備したくなります
以上、VICTORINOX(ビクトリノックス)のマルチツールについて、登山・キャンプ用途での選び方、おすすめモデル等をご紹介させていただきました。
私自身、昔から愛用してきたVICTORINOX、好みに合うモデルを選んでいただき長年愛用していただければと思います。
また、ご意見等ございましたらお気軽にお寄せください。
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