ショーケン兄さんの追悼本について、映画雑誌の老舗、キネマ旬報社(キネ旬)では、5月上下旬合併号「緊急追悼!萩原健一 さらばショーケン」を出版、拙者は4月27日に「緊急というだけあって、少し内容が物足りない」と指摘し期待したが、6月上旬号の「ショーケン追悼特集」をみて、7月13日の「ショーケン兄さんへのゴジ(長谷川和彦監督)の追悼文はなかったのが残念!」と書いた。今の編集部は、アニキの過去の記事、映画遺産を忘れていたのだろうか!
9月25日に河出書房新社から「萩原健一: 傷だらけの天才」が文藝別冊KAWADEムック本をはアニキ追悼本のNo.1とした理由のひとつに、キネ旬の1976年新年特別号の黒澤明との対談「日本映画のことを話しているとだんだん腹が立ってくるね、、、、」が再録されていたからである。
このムック本の目次では、トップにインタビューが配置されていて、139頁「俺の人生、なんでも聞いてよ」の聞き手が澤地久枝で、1991年の講談社から出版された「現代」からの再録でそのあと149頁に黒澤監督との対談で、どちらもショーケン世界観の遺産ではあるが、後者のほうが断然興味深い。
アニキと黒澤監督との対談は出版された当時、何回も繰り返して読んだので、覚えている。
当時は白井佳夫という編集長が企画したのだろうか、アニキがうまく聞き手になっているので、下手な黒澤明論よりも面白いし、その後のアニキの映画との拘りかたにも大きな影響を与えたことは間違いない。
アニキが「田中邦衛と役者同志で話すとき、しょっちゅう黒澤さんておっかないって」に対して「嘘つけ、僕の方が怖かったよ、田中邦衛は(笑) あいつ、こわがるタマかって(笑)」といったやりとりも、笑えるし、田中邦衛さん、何をしているのかなぁ、、、
最後は「すごいなぁ、黒澤さんて、マイッタなあ、オレ、ほんとうに。」で締めくくられたこの対談。
キネ旬は「緊急追悼!萩原健一 さらばショーケン」のときにこの記事を再録しなかったのが残念でしたが、おとなの事情とやらがあったのかなぁ、、、、
いやぁ、まいったなぁ、、、