ブッダも笑う仏教のはなし - 笑い飯哲夫 -
https://books.rakuten.co.jp/rb/13591826/
個人的に笑い飯哲夫のイメージといえば、奈良で一番カシコの学校・県立奈良高校卒ということで、めちゃめちゃビビるとともにめちゃめちゃ尊敬している(^^ゞ
中学校のとき、うちの学年は4クラス・150人だったが、そのうち奈良高に行ったのはたしか3人。上位2%である。
今は奈良県も私学が跋扈しているので、昔ほど奈良高にカシコが集中することないだろうが、かつてはそれくらいカシコ学校だった。もちろん今でも十分にカシコ学校である。
それにしてもこの本、内容盛りだくさんで頭がパンクしそうになる(笑)
盛大にボケをかましながら、思いっきし口語体関西弁で書かれていて、さらに行間余裕があるのでだまされるが、内容はハンパなく濃くて深い。
これまた今まで何度か登場した「偕成社 児童伝記シリーズ」で「おしゃかさま」を読んだので「そんなん知ってるわ」な内容もあるとはいえ、中学校までの社会や高校の日本史の知識を総動員しても大半は「へぇ~」である。
そしてブッダやその弟子たちは、なぜかみな大阪弁であり、お釈迦様もお釈迦「さん」、仏様も仏「さん」になっている。まさに哲夫ブッディズム(爆)
タイトルにある「仏教のはなし」で仏教のなんたるや、なにを説いているのかから始まり、仏教の各宗派の話や仏さまの種類やランク、言葉の定義が盛りだくさんである。実は仏教用語が語源だった言葉もいろいろあり、「へぇ~」の連続。
学校の教科書や参考書だけではわからない仏教の教養知識も、たとえ話で上手く説明されている。だが、中にはたとえがベタすぎて理解不能なものもあるけど(^^;)
その他、様々な仏教用語の正式名称が説明されているのは、正式名称・フルネーム好きとしては嬉しい。
小乗仏教の正式名称は「上座部仏教」だとか、般若心経のフルネームは「摩訶般若波羅蜜多心経(まかはんにゃはらみつたしんぎょう)」だとか、祇園精舎は「祇樹給孤独園精舎(ぎじゅぎつこどくおんしょうじゃ)」とえらい長くなるとか、覚えても死ぬまでに一回使うかどうかわからないような知識を、つい詰め込みたくなる。
「祇樹給孤独園精舎」のところでは、祇園精舎には鐘がなかったという定番ネタもぶっこんでくる。
その他に「ほんとはこんな名前やねんで」みたいな話わんさかがあり、笑い飯哲夫も本書の中で「知識のひけらかし」を(ほぼ)推奨しているのでいいかも。
ちなみに父モーツァルトやターナー(英国の画家)のフルネームは、たまーに使える(でもだれも聞いてないと思う)ことがあるし、ターナーは意外とその完全フルネームでの記載は多い。
ほかにも帯にある「居酒屋で使える仏教雑学まで解説」というのが、これまた意味もなく無駄な知識欲をくすぐる。
「四苦八苦」の四つの苦と八つの苦とは?や、意外とかわいい空海の本名(俗名)、談山神社の「談山」の由来、「お釈迦になる」の語源、木魚はなぜ魚なん? その他ぎょーさん。
関西人、というか大阪人なら聞いたことがある「まんまんちゃんあん!」が「南無阿弥陀仏」の意味だったというのにはポカーン。そそそ、そうやったんかいな(@_@)
「言って委員会」でちらっと流れた、東大生たちも「おおおっっ!!」と感嘆の声を上げた「煩悩と四苦八苦の関係」の話も出てくる。
ただ、笑い飯哲夫が奈良出身で大阪で仕事している人なので、奈良や大阪(と関西エリア)のローカルな話が日常会話的に出て来るが、関西・近畿以外の人は理解できるるのだろうか? しかも全国レベルでメジャーな京都の話はほぼない。
そんな中でいちばんコケたのは、「大日如来」を説明するところでかましてきた「大阪中央環状線と国道一号線の交差点(※)にいた人なんでしょうか?」という小ボケ。涙が出そうにウケた(大爆)
※ その交差点に地下鉄とモノレールの大日站があり、住所は守口市大日町。
とにかく見かけによらず内容盛りだくさんなので、宗教としてではなくても歴史・風俗として仏教に興味のある方、どーでもいい小ネタ・豆知識好きな方、ページ数も少ない(221ページ)し文字大き目・行間広めなので、お時間ありましたらどぞ(^^♪