はじめに

前回の記事では、臨床心理士試験に挑む心の持ちようについて書きました。



今回は一次試験のマークシート試験の対策を中心に具体的にどのように勉強すればいいのかということを書いてみようと思います。



マークシート試験で合格点を取れば、ほぼほぼ最終合格できますので、とても重要です。




いつから試験勉強を始めるか?

まずはいつから勉強すべきかという話ですが、結論からいうと、1日でも早く試験勉強を開始すべきです。



早めに対策しておいて損することはありません。



たとえば大学受験で有名進学校がなぜ合格実績が高いのかというと、早い段階で受験を意識した勉強をしているからですよね。



およそ試験というものは、早め早めに対策をした方が圧倒的に有利なわけです。



もちろん大学院在学中は授業の準備、レポート、実習、修士論文などで忙しいとは思いますが、多少の時間はあるはずです。



むしろ、多くの受験生は大学院修了後は社会人になるはずですが、社会人になってからの方が大学院時代よりも時間がないかもしれません。



そういう意味では大学院在学中からコツコツ勉強しておいた方がいいと思います。




ちなみに私は試験の約1年半前からゆるーく試験勉強を開始しました。



おそらく臨床心理士試験を1年半も前から対策する人ってあまりいないと思いますが、そうだからこそ他の人よりも早めに勉強を開始すれば圧倒的に有利になります。




予備校の利用

次は予備校の利用についてですが、私は予備校の講座を受講しました。



上記のように試験の1年半くらい前から少しずつ勉強を開始したのですが、まずは予備校の通信講座を申込みました。



具体的には、ファイブアカデミーの講座をとって、通勤中に倍速で繰り返し講義を聴きました。



こうすることで、理解が進んだり、なにをどこまで覚えれば良いのかといったことなどが明確になりました。



ちなみに、私が受講した講座の講師は喜田先生という方で、講義がわかりやすく、覚えるべき事柄も明示してくれるので助かりました。



現在はファイブアカデミーではなく、ポルトクオーレという予備校で指導されているようです。



別に予備校はどこでもいいのかもしれませんし、そもそも利用しなくても合格できるとは思いますが、私は予備校を利用することで無駄なく勉強できたと感じています。



何から手をつけたらいいかわからないという方は、基礎的な講座だけでも予備校の利用を検討されてもいいと思います。



暗記から逃げない

勉強を開始するにあたって、まずは基本となるテキストを決めてしまいましょう。



予備校を利用する場合は予備校のテキストが基本となるテキストになるでしょうし、予備校を利用しない場合一発合格臨床心理士対策テキスト&予想問題集』というテキストがおすすめです。



というより、これくらいしか臨床心理士試験対策のテキストってないかもしれません。



私の場合は予備校の講義で使うテキストを軸に、上記のテキストをサブ的に使用しました。



どういう風に勉強するかというと、まずは通勤時間などに予備校の講義を何度も聴いて、ある程度理解できたら、講師が覚えるように指示した箇所を頭に叩き込んでいきます。



そして、覚える対象を少しずつ増やしていって、最終的にはテキスト丸々一冊を頭に入れます。



その上で、サブテキストや過去問にも目を通して、予備校テキストに記載がない箇所があれば、その部分も覚えるようにしました。



なので、結果的にはテキスト一冊プラスアルファを覚えることになりますが、この記憶の作業をする上で、先ほど書いた「早めの対策」がいきてくるわけです。



記憶作業は、繰り返し繰り返しやることで、長期記憶となり、いわば「当たり前の知識」になっていきます。



平たく言うと、時間が経ってもちょっとやそっとじゃ忘れない状態に持っていきたいわけです。



たとえば、WAISの下位検査とかエリクソンの発達段階論おける各期の発達課題とかが何も見ずにスラスラ言える状態です。



このスラスラ言える項目を少しずつ増やしていって、最終的にはテキスト一冊プラスアルファが頭に入っているという状態が理想です。



臨床心理士試験ではテキストに載っていないことが問われることもありますが、テキストを漏れなく暗記したという自信があれば、マイナーな問題が出ても即座にその問題を捨てることができます。



中途半端にしか覚えていなければ、「そーいやテキストのあの辺に載っていたかも。しっかり覚えておけば良かった・・・」みたいになって試験中に無駄に不安感や後悔の念が出てきてしまいます。



とにかく暗記することから逃げないようにしましょう。



何回も不合格になる人は、才能がないとか頭が悪いとかいう以前に覚える作業をしてないんじゃないかなと思います。



ただ、テキスト一冊を頭に入れると言っても、一言一句覚えるという意味ではないので、誤解のないようにしてくださいね。



人名やキーワードなどをテキスト一冊分頭に入れるという意味です。



この程度であればそれほど多い量ではないと思います。



臨床心理士試験は100問も出題されますので、頑張って覚えた知識に関して何かしら出題されるはずです。



覚えた量はそのまま得点に直結すると思って、頑張っていただければと思います。



過去問の使い方

最後は過去問についてですが、過去問を解くことは必須だと考えています。



私は公開されている過去問(平成3年以降)は全て最低3回解きましたが、時間がないという方でも少なくとも過去10年分くらいは解いておきたいところです。



過去問をやり込むと、同じようなテーマが手を替え品を替え繰り返し出題されていることがわかるはずです。



そうすれば、どのようなテーマを重点的に勉強すればいいということがわかってきます。



ここ数年で出題形式が変わったと言って大騒ぎしている人もいるようですが、重要なのは問われている内容です。



ですから、出題形式が変わったからといって、過去問を解く必要がないという理由にはなりません。



また、直近の過去問の解説部分には今後の出題を示唆するような内容が書かれていることもあるので、熟読しておくとよいと思います。



現に私が受験したときにも、直近の過去問の解説に書かれていたテーマ(確か就労移行支援の問題)が出題されましたが、出題可能性が高いと踏んで対策を立てていたので容易に正解することができました。



あとは過去問で事例問題を繰り返し解いておけば、正解のクセというか、出題者が考えている「正解っぽいカウンセラー像」が見えてきます。



そうなれば未知の事例問題が出されても、まぁこれが正解よねという感じで正解の選択肢を導くことができるようになります。



ただ、要注意なのが、臨床心理士試験の過去問、特に事例問題には結構な割合で悪問があるということです(あくまで個人的な意見ですが)。



解説を読んでも、その問題の解説に全くなっていない問題もあり、唖然としたこともあります。



トンチンカンな解説を見ると、解説を書いてる人が問題をしっかりと読んでないんじゃないかなと勘ぐってしまうほどです。



特に平成24年〜27年くらいの事例問題に訳のわからん問題が散見されたように記憶しています。



どれだけ解説を読んでも正解の根拠が不明な事例問題は、設問に大きく「悪問」と書いて、二度とその問題は解かないようにしました。



下手に悪問に頭を悩ませて時間をとられたり、悪問に引っ張られておかしな思考過程が癖づいてしまってはいけないので、「この年代は出題者または解説執筆者はイマイチ」と思い込むようにしました(実際は私のレベルが出題者の先生には到底及ばないことが原因なのでしょうが、、)。



そして、割り切ってそのような類の問題は解かないようにしました。



ちなみに、ファイブアカデミーの講座を取ると、過去問集みたいなテキストが手に入ったので、とても助かりました。



市販の過去問集は年度ごとに問題が載っていますが、ファイブアカデミーのテキストはテーマごとに過去問をまとめてくれていますので、どのようなテーマが頻出かということが把握しやすかったです。



また市販の過去問集には解説が載っていない問題にも解説を付けてくれていることもあり、とても助かりました。



まとめ

以上をまとめると、できる限り試験対策を早めに開始すること、(できれば)予備校を利用すること、暗記することから逃げないこと、過去問を徹底的に解くこと、を実践していただければ、臨床心理士試験(マークシート試験)を突破できるのではないかと思います



少しでも参考になれば幸いですひらめき電球