上腕二頭筋長頭腱炎 | 大阪の弁護士 重次直樹のブログ

上腕二頭筋長頭腱炎

2年くらい前(令和元年11月~12月頃)から,水泳(平泳ぎ)のし過ぎで,両肩に痛みが出ていた(特に,ひと泳ぎした後,水中眼鏡を外し,顔を水面から上げ,窓外の風景を楽しみながら平泳ぎしていたが,頭部を水上に維持するため肩に負担がかかったようだ)。

 

治りかけては悪化する(※),を繰り返して2年,特に左が治らず,先日,コロナで2年ぶりになった健康診断の際に相談して,済生会の健康診断→整形外科(肩専門医がいない)から紹介されて,一昨日,昨日と大阪病院(旧大阪厚生年金病院,肩専門医がいる)に行き,昨日のMRIにより確定診断が出た。

 

(※)

・使わないようにして痛みが引いていく

・マッサージで肩を回され,その時は痛くなかったが,帰ってから痛みが大幅悪化

・コロナワクチン接種後,右側の頭部顔面に帯状疱疹が出たため,通常右を下に眠るが(中高時代に心臓を痛めて治っておらず左を下では心臓に負担がかかる),右頭部顔面の痛みが強く、左を下にして何度か眠って、左肩が大幅悪化。

 

以前にも梅田の整形外科に行き(平成2年2月ころ),上本町画像診断クリニックの高精度MRI(コロナ禍,緊急事態宣言により8月,9月になった)を取って再度見てもらったが(再度のコロナ拡大により大分後になった),特に治療不要と言われた(消炎剤,シップのみ処方)。

 

上本町画像診断クリニックは,3テスラの高精度MRIを撮影してくれるところで,北野病院の元副院長(光野重根氏)が経営しており,交通事故事案でMRI画像がなかったり不鮮明の場合に,依頼者が探してきたのが最初のきっかけで,他の依頼者にも度々勧めている。今回,自分も利用した。

 

→ 上本町画像診断クリニック 当院のご案内

 

(令和元年8月の左肩画像)

【Ⓐ上腕二頭筋長頭腱炎の部位】(写真①②)(大結節・小結節の間の結節間溝を通る上腕二頭筋長頭の部位)

 

 

Ⓑ肩鎖関節炎の部位】(写真③)

 

【Ⓒ大結節付着部近傍の腱板損傷の部位】(写真④)(上の写真③にも出ている)

 

【上本町画像診断クリニックの所見】

 

上本町の所見は,ⒶⒷⒸのうち,ⒷⒸのみ指摘している。ⒷⒸは間違っていないが,写真②を挙げながら,最も高信号のⒶを指摘しなかった点は残念だ(光野代表ではなく部下の若手の所見だった)。上腕二頭筋長頭の炎症部位(Ⓐ)も,大きく見れば大結節付近だが,Ⓐは付着部近傍とまでは言いにくい。

 

一番重要なⒶを指摘せず,ⒷⒸのみ所見した点について,大阪病院の専門医(筑波大学医学部出身の西本竜史医師,専門は肩関節外科→こちら)に聞くと,まあ,うちの放射線専門医も腱板損傷って書いてきますから,と,このあたりは放射線専門医では判断が難しいようなことを話しておられた。肩関節は難しく,専門医は少ないらしい。交通事故外傷でも,おかしな画像所見(放射線専門医)や整形外科の診断を見ることが少なくない。整形外科の場合,MRIに詳しくない高齢の医師などでは,放射線専門医の画像所見を丸呑みして自身では判断していないと思われるケースも少なくない。裁判官や自賠責は,医師も間違える,という前提で,画像を見てほしいと思う。もっとも,被害者の代理人弁護士が,きちんと間違いを指摘して正しい所見を指摘することもなく,裁判官や自賠責任せではいけないと思うが。。。ひどい例では,整形外科医による骨折の見落としなどもある(最近見つけた例)。足の骨は細かいし,脳や他の部分の骨折などがあって難しいのは分かるが,弁護士が多少見ただけで見つけられる骨折の整形外科医による見落とし(それほど細かい部分でもない)はいただけない。

 

大阪病院での最新画像は以下(写真⑤⑥)。

 

黄色枠の部分が,上腕二頭筋長頭腱炎の部位で,上本町の画像でも最も輝度変化が強かった部位だ(写真①②)。比べてみると,上本町のMRIは,高精度の専門クリニックを唄っているだけあって,画像の精度は抜群に高い。他方,大阪病院のMRIは,肩の専門医が指示したためか,精度的には(テスラ数では)劣っているのに,患部の信号がはっきり分かる。

 

なお,赤枠部分の説明は受けなかったので,次回(年明け)の訪問時に,聞いてみようと思う。

 

MRI画像を見て,上腕二頭筋長頭腱炎について,肩の模型を使った説明がされて,とても分かりやすかった。当事務所にも肩関節の模型はあるが,大阪病院で説明に使われた模型の方が筋腱の色分けもあり,分かりやすかった。

 

(上腕二頭筋長頭:当事務所の模型で説明)

 

患部にステロイド注射を打ってもらったところ,痛みが大分軽くなった。とは言っても,痛みがなくなった訳ではない。いずれにしても,痛みの原因や治療の方向性が見えてきて,ほっとしている。この2年間,プールに行っても,泳ぐのはボードを持って足だけで(たまに片道程度は上半身を使って泳いだが,帯状疱疹後はしていない),半分ボードで泳ぎ,半分水中を歩く,という状態が続いている。もっとも,水中を歩く際にボードを持つと上腕の安定を保てるし歩きやすいことが分かった。また,水中を歩くと足腰の鍛錬になって,健康に良いと実感できる。肩が治っても,水中を歩く習慣は続けると思う。

 

今回の経験で,以前の歯科同様(→根尖病変の記事),病院や医師の質の差は大きいと改めて感じる。なかなか治らない場合は,早く専門医を紹介してもらった方が良いと思った