大阪の弁護士 重次直樹のブログ

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代表社員弁護士 重次直樹 (本部)重次法律事務所

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2019-01-07 22:55:10

人間の欲求・本能の優先順位 + 政策の優先順位 + 自分で考える力 

テーマ:思想・哲学・人間

人間の基本的な本能,重要な順

「人間の基本的な欲求・本能,重要な順から」と聞かれたら,何と答えるだろうか?

1に食欲? 

2に性欲?

 

「本能」という言葉からは,食欲や性欲を思い浮かべるかもしれないが,重要な順では,食欲より優先順位の高い欲求がある。

 

1 安全・生存

2 休息・睡眠

3 飲食

 

命の危険が迫るのに,飲み食いや休憩・睡眠を優先する人は,いないだろう。

 

戦争・金融・地政学への興味と,政策の優先順位

週末には休憩と昨今の情勢激変・・・国際情勢・金融経済情勢・技術情勢の激変への理解と対応のため,例のごとく12.9インチiPadの大きな文字で,未来予測,地政学,歴史,金融経済,AIなどの書籍を何冊も並行して読んだ。

 

未来予測の本を読むのと同様,歴史を学ぶのは,法則や教訓を学び,現在の成り立ちを知って,未来に備えるためだが,読書の中でも,戦争に関する部分になると,なぜか熱が入る。

 

たとえば,金融情勢の変動に関連して,FRB関係の洋書を読んでいても,「それ(FRB)は戦争を促す(It encourages war)」という部分には,特に反応する。前の戦争で日本人だけで300万人が死亡した。自分が金融に興味を持ったのは,通貨価値や戦争との関係からだ。戦争は金融と密接に関連する・・・戦争は,通貨・金融・銀行システムやインフレ政策と,密接な関係にある。

 

どうして,そういうことが気になるのか?と考えてみると,人間の本能の優先順位から考えて,不合理ではなく,むしろ,合理的だと分かる。

 

人間は,食べる,眠る,休む,より,まず,安全が大切だ。

自分が殺されそうな瞬間に,飲食や睡眠・休憩を優先する人はいないだろう。

 

食べていくこと,雨露を凌ぎ休むこと(=食住)よりも,安全が第一だ。

 

国家政策の優先順位で言えば,経済・農業より安全保障政策というのが,人間本能の優先順位と合致する

 

もっとも,軍拡が安全につながる,と言うほど単純ではない。大砲かバターか,大砲が常に正解とは限らない。・・・軍拡は周辺国や競合国の軍拡を促すから,安全保障にさえマイナスになり得る。経済を崩壊させる内部崩壊の危険さえある。他方,経済政策(景気刺激策・雇用対策)になるかもしれない。北朝鮮は国と体制を守るために核兵器とミサイルを開発しているが,かえって国と体制を崩壊させる理由になり得る。日本でも,軍部と,これを大陸で支える現地発券銀行(日本銀行兌換券を発行できた朝鮮銀行,儲備銀行)が,東京政府の意向を離れて,通貨増刷・インフレ政策と拡張主義に走り,反対した高橋是清を暗殺し,軍拡が日本を崩壊させた歴史がある

 

英米仏の「ブロック経済・高関税」が「持たざる国」を追い詰め,植民地獲得に向かわせた,というのは,責任転嫁だろう(1931満州事変,1932英国ブロック経済,順番が逆)。独伊の海外進出には妥当するが,日本には妥当しない。満州事変はブロック経済前で,中国は英米仏の植民地でもなく,当時の日本は地理・競争力の両面で中国の巨大市場で優位にあった。日本は満州の特権を捨て,中国と友好貿易をした方が,よほど,経済的にプラスだった。満州にこだわった理由には,米国との最終戦争に備える安全保障上の要請があり(安全>経済),それが満州建国者・石原莞爾の思想にだった(世界最終戦争論)。これが安全保障上,逆効果となった。米国に先手を打たれても,道義的に非難できる立場にない。ハルノートより前に,米国打倒のための満州建国があった。当時の日本は,習近平・王岐山の中国と似ている。米国は,またも先手を打ち,キャッチアップと準備の時間を与えないだろう。

 

1853 ペリー来航 → 1854 和親条約 → 大インフレ

1867 第二次長州征伐 → 明治維新

1895 日本,台湾併合

1898 米国,ハワイ併合,フィリピン・グアム取得

1915 日本,旧ドイツ領南洋諸島の委任統治権

1931 満州事変

1932 オタワ会議 → 英国の経済ブロック → 仏米追随(フランブロック,ドルブロック)

1933 ヒトラー首相に → 1936 ラインラント進駐, 以降,対外拡張策

1935 伊エチオピア戦争 → 1936 併合

 

大陸陸軍の暴走を金融面で支えた2本柱=①朝鮮銀行・儲備銀行の銀行券発行,②阿片について,余り語られない。満州とは言い難い阿片産地「熱河」への侵攻は,日本の国連脱退の直接的原因となった(加藤陽子「それでも日本は戦争を選んだ」ほか多数)。戦争拡大の真の理由が金融経済にあることは多い

 

ピーターナバロの「米中もし戦わば 戦争の地政学」(原題:Crouching Tiger : What China's Militarism Means for the World)や,John Mearsheimerの”The Tragedy of Great Power Politics”(邦題:「大国政治の悲劇」:2月に日本語改訂版が出るが,待てずに原著で読んでいる)を読むと,米国人が自国の生存・安全と,そのための優位を維持するため,あらゆる可能性を検討していることが分かって刺激になる。米中は冷戦に入った,と考えて良いだろう。日本の舵取りが,極めて微妙で重要な時期になった

 

地政学や歴史では,茂木誠氏の著作やYOU TUBEも,大変,刺激になった。もっとも,学校の歴史と同様,茂木氏も現代史では,政治的影響や配慮を免れておらず,批判的に読む必要がある。

 

自分で考える力・伝える力

本を読むことは重要だし為になるけれど,自分で考えたり,経験体験を積まないと,意味合いは半分になる。

 

人間の欲求には,どういうものがあり,どういう優先順位になるのか,私の場合,学生時代にさんざん考えたので,自分の中では一応,整理されている。

 

自分自身で考えるためには,書くことは,とても有効な手段となる。

 

書くことにより,考える力と,伝える力が,ともに磨かれていく。

 

日本語の文字による表現力だけでなく,グラフィカルな表現力,デジタルな表現力,英語による表現力などが,今後,益々,重要になると思う。

 

ブログを書くことも,考える契機になり,思考力を高め,表現力の向上にも役立つと思う。

 

 

2018-12-31 02:26:56

仮想通貨とインフレ・大規模緩和の終焉

テーマ:金融経済・政治

1 仮想通貨の金融への影響

今年の最初の記事は,仮想通貨と原油相場の記事☞こちら)でした。

 

主要通貨は「ドル1強」(→通常なら原油価格は下落)なのに,原油価格が上昇している点を,仮想通貨がドルの脅威になっている点から説明しました。1971-1973のドルショック・石油ショック以降,原油価格はドルの信用が揺らいだ時に上昇しています

 

2 大規模緩和の終焉の予感 → 不動産売却

仮想通貨は,インフレを構造的に困難にします(後述:3【類似性②】の4))。年初来の金融情勢から,資産インフレからデフレへの転換点にあると感じ,5,6月から準備を進め,9月,マンションを1つ売却しました☞こちら)。両親の実家売却(シニアマンションに移転)も,8月~10月に契約・決済・引渡しを終えました。インフレ・デフレのタイミングとしては,良いタイミングでの売却だったと思います。今後数年は,現金保有が有利と予測します

 

3 日本のバブル崩壊期との類似性

今年から来年にかけて,世界で,日本のバブル崩壊(1989~1991)と類似する,金融経済の大転換期が来る予感がします。

 

【類似性①】 大不況 → 大金融緩和 → 資産バブル ( → 崩壊? )

1) プラザ合意後の円高不況 → 金融緩和 → バブル経済 → バブル崩壊

2) リーマンショック後の不況 → 主要中央銀行の大規模緩和 → 世界的資産インフレ → 崩壊?

 

【類似性②】 インフレを起こせない構造の成立

3) 1980年代後半の日本の金利自由化 → インフレなら金利も上がる(⇔規制金利) → 金利上昇は経済に悪影響 → 構造的にインフレを起こせない → インフレが起こらず,インフレになっても金利が付く → インフレヘッジ需要(仮需)の激減 →  需給の逆回転・投機激減・ババ抜き競争 → ヘッジ資産の暴落

 

4) 仮想通貨の登場・成長 → 通貨価値を落とす政策(低金利・量的緩和)では仮想通貨に資金流入・逃避 → 仮想通貨との競争上,大規模緩和は困難,縮小,終焉 → 逆回転? → 株価地価の暴落?

 

4 仮想通貨・従来通貨・金融経済の関係と,資産暴落の可能性

1 リーマンショック後の大不況を受け,主要中央銀行は大規模緩和(金利低下+量的緩和)で通貨価値を下げたため,資産インフレが著しく進み,格差が拡大した。


2 仮想通貨は,政府・中央銀行の緩和策で価値を落とされる心配がなく,存在感が高まり,価格も急騰して,準有力通貨に近い存在になった。


3 仮想通貨との競争上,主要中央銀行は,大規模緩和(金利低下・量的緩和)による通貨価値下落策を止めるしかない


4 特に,基軸通貨国の米国は,仮想通貨が余り広がると,印刷したドルで決済できる地位を失いかねない

 

5 仮想通貨との対抗上,仮想通貨以前のように,主要通貨は安易なインフレ策を取れない。

  → 主要中央銀行が大規模緩和を転換

 

6 米国は,黒字国のドルを米国に還流させていたが,日中などの黒字がドルでなく仮想通貨に流れるのであれば,国際収支の不均衡を容認できない

  → 米国が国際収支の不均衡是正策

 

7 リーマンショック後の大規模緩和は資産格差を拡大させ,グローバル競争による格差合わせ,取り残された層の声が高まっている米トランプ政権,英BREXIT,仏の大規模デモ,独のメルケル支持低下(党首交代)など。日本も来年の参院選で反動の可能性)

 

8 若者の生活や出生率の点からも,資産インフレは限界に達している(この点も,日本のバブル期と共通)。

 

★可能性★

・インフレからインフレ終焉の転換点で,資産デフレ(暴落)が起こる

この場合,資産インフレが大きいほど,暴落も大きくなります。

 

5 リーマンショック・ITバブル崩壊との類似性

不気味なことに,リーマンショック・ITバブル崩壊との類似性も見られます。

 

1) リーマンショックとの共通性:デリバティブ取引問題

リーマンショックは,サブプライムローンやデリバティブ取引の拡大が原因となりました。

気になるのは,リーマンブラザーズ以上にデリバティブ取引に深入りしていた,と言われるドイツ銀行の経営問題で,既に株価は7ユーロも割っており,単独での生き残りは不可能に見えます。

 

2) ITバブルとの共通性:スマホ需要の一巡と,米中ハイテク戦争

ITバブルとの共通性も見られます。

ITバブルはインターネットブームの反動のようにも言われますが,コンピュータの2000年問題に合わせて,システムの修正や新規導入の大特需(需要の先食い)があり,その反動の面が強かったと思います。

昨今は,スマホ需要が一巡して,iPhoneの売上が不調です。

さらに,米中ハイテク戦争・諜報戦争で,ファーウェイ・FTZ等の有力な中国企業の締め出しもあります。

 

6 テクノロジーを背景に,激変する金融・国際政治情勢

今年は,テクノロジーの発展を背景に,金融・通貨・経済情勢も,国際政治情勢も,激しく転換しました。この大転換は,来年以降も続くと見られます。

 

変化が激しく,緊張感のある情勢が続くものと予測します。

 

 

 

 

 

2018-12-28 23:53:39

相続法の大改正の内容と施行日スケジュール

テーマ:相続・遺言

1 改正相続法の施行日スケジュール

改正相続法(2018.7.6成立,同13日公布)年明けより順次施行されます。

 

 ・自筆証書遺言の方式緩和 ★ 2019.1.13 ★ もうすぐ!★ 

原則施行日 2019.7.1

配偶者居住権保護 2020.4.1

・自筆証書遺言の保管制度 2020.7.10

 

2 相続法改正の経緯と概要

改正のきっかけは,非嫡出子(婚外子,私生児)の相続分が,嫡出子(婚姻関係にある夫婦の子)の半分とした民法の規定について,最高裁判所が違憲判決を出したこと(H25.9.4,同年民法改正)でした。ところが,ここで逆に婚姻関係にある配偶者を保護すべきという声,特に高齢配偶者の保護を求める声も強まりました。

 

今回の改正の目玉は,配偶者保護制度,特に,配偶者居住権の新設と言われます。

さらに,預貯金の仮払い制度自筆証書遺言書の方式緩和や保管制度遺言執行者の権限明確化遺留分侵害に関する制度改正(物権的請求権→金銭債権,名称も遺留分減殺請求権→遺留分侵害額請求権),特別寄与料,など,重要な改正が沢山あり,昭和55年改正以来の大改正と言われます。

 

3 詳細情報のご案内

相続税改正について,事務所のホームページの新着情報にまとめました。   

 

・改正相続法① 全体像と施行日スケジュール   ☞ こちら

・改正相続法② 配偶者居住権などの保護策   ☞ こちら

・改正相続法③ 遺産分割に関する改正   ☞ こちら

・改正相続法④ 遺言制度の改正   ☞ こちら

・改正相続法⑤ 相続の効力,遺留分侵害額請求,特別寄与料    ☞ こちら

 

【詳細項目】

1 相続法の大改正     ☞ 詳しく見る

2 改正事項

 

3 配偶者居住権などの保護策    ☞ 詳しく見る

3-1 配偶者居住権

3-2 配偶者短期居住権

3-3 持戻し免除の意思表示の推定(居住用不動産)

 

4 遺産分割の改正    ☞ 詳しく見る

4-1 持戻し免除の意思表示の推定(居住用不動産)

4-2 預貯金の仮払い制度

4-3 遺産分割前の処分の場合の遺産の範囲

4-4 遺産の一部分割

 

5 遺言制度の改正   ☞ 詳しく見る

5-1 自筆証書遺言の方式緩和

5-2 自筆証書の遺言書の保管制度

5-3 遺言執行者の権限の明確化

5-4 遺贈の担保責任

 

6 相続の効力に関する改正    ☞ 詳しく見る

6-1 権利の承継(対抗要件)

6-2 義務の承継

6-3 遺言執行者がある場合の相続人の行為等

 

7 遺留分制度の改正    ☞ 詳しく見る

7-1 金銭債権化 → 遺留分侵害額請求権

7-2 期間制限と支払い期限

7-3 算定方法の明確化(生前贈与,その他)

 

8 特別寄与料   ☞ 詳しく見る

8-1 概要

8-2 期間制限

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