大阪の弁護士 重次直樹のブログ

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代表社員弁護士 重次直樹 (本部)重次法律事務所

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新型コロナウイルス問題㊻ 重症化,その後(2020.7.22)

2つ前の記事 (2020/07/19)で,弱毒化の可能性について延べた → こちら

 

 

 

1つ前の記事(2020/07/20)で,重症者ボトムまでのタイムラグが長く,弱毒化と確定するには早いと述べた → こちら    

(東京都)

新規感染確認数のボトム(2名) → 重症ボトムまで48~50日

現在患者数のボトム(299名) → 重症ボトムまで28~30日

入院患者のボトム(215名) → 重症ボトムまで16~18日

 

東京都の重症患者数(10日で3.6~4倍)

東京都の重症患者数は,ボトムの2020.7.10-12の5人だった。

1つ前の記事で,2020.07.19の重症者は12人(ボトムから7日で2.4倍)と述べた。

 

2020.07.22の重症者は18人(ボトムから10日で3.6倍)となった。

このまま10日毎に3.6倍となれば,30日後には46.7倍の840人になる。重症病床100床の8倍を超える。

 

Go To キャンペーンで除外された東京都で,同じペースで重症者が2か月以上増え続けることはないだろうが,医療体制が整っている東京都でさえ,1か月後の重症病床については,懸念が出てきた。100床の重症病床が逼迫する可能性は小さいとは言えない。

 

なお,5人→18人(3.6倍)になっただけではない。この間の死者2名を含めると5人→20人(10日で4倍)になった

→ https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

 

地方(東京都以外)

Go To キャンペーンを除外して貰えなかった46道府県において,4連休の感染拡大が2週間以内に確認され,東京都以上に急峻な感染増になるだろう。

 

Go To キャンペーンの東京除外をきっかけに,「コロナ対策の最劣等生は東京都(圧倒的に東京問題)」という状態から,東京以上に地方が厳しい状態に陥るかもしれない。

 

東京都の感染爆発・地方拡散の後に,前倒しで行われるGo To キャンペーンは,タイミングが極めて悪い。8月のお盆休みまで維持されるのか,引き続き,注目したい

 

また,Go To キャンペーンで除外して貰えなかった地方において,感染対策と経済対策の両立という極めて難しい舵取りを迫られる知事・首長たちの指導力にも注目したい。

 

 

いつ,Go To キャンペーンが中止され,緊急事態宣言が出されるか?

大雑把に言えば,新規感染者が1日5000人を超えるところまで,日本社会は感染拡大を放置できないだろう。死亡率2%なら,1日の死者が100人,年間3万6500人(死亡率1%でも1万8250人)となり,年間死者数約137万人の2.7%(同1.35%)となる。新規感染者は1か月で60人前後から600人前後に10倍となった。次の1か月で1日6000人を超える勢いとなり,Go To キャンペーンの中止,緊急事態宣言の再発出となる可能性が出てきた

 

お盆前に何等かの対策が取られるのか,注目したい。

 

Go To キャンペーンの前倒しは,皮肉を言えば,お盆前にはGo To キャンペーンどころでなくなることを,見越したものだったのかもしれない。

 

感染者数と重症化率(=重症患者数)の推移が,どちらの方向に向かうかを決める

 

本当に経済対策と感染対策を両立させるのであれば(・・・絶対に両立は必要だが),年間約137万人の死者に対して,新型コロナによる死者を年間何万人程度まで許容できるのか,計算して,重症化率や死亡率で割って,1日何人まで感染者を許容できるか,政治として国民として,腹を括るべき時期が近付いている。

 

年間死者137万人に対して,コロナ死者3万人まで許容できるなら,

・コロナ死亡率2%なら,感染者年間150万人(1日4110人)まで許容できる。

・コロナ死亡率1%なら,感染者年間300万人(1日8219人)まで許容できる。

 

年間3万人のコロナ死者の対策に力を入れ過ぎて,残る年間134万人の死因を放置しては,バランスが取れない。どこにバランスを置くのか。経済対策と感染対策のバランスだけでなく,新型コロナと他の死因(将来の感染症を含む)で,対策投下のバランスを取る覚悟も求められている

 

新型コロナウイルス問題㊺ 重症化までのタイムラグ(ボトム>>ピーク)

【要旨】

5月23日 新規感染確認数のボトム(2名) → 重症ボトムまで48~50日

6月12日 現在患者数のボトム(299名) → 重症ボトムまで28~30日

(最終ボトム6月23日→重症ボトムまで17日~19日

6月24日 入院患者のボトム(215名) → 重症ボトムまで16~18日

重症患者のボトム(10名)7月10~12日 ・・・2020.7.19で7~9日しか経ていない

 
【結論】(国内で)重症患者が増えない(低死亡率,弱毒化)と判断するのは早計
(海外の死亡率低下と同様,日本でも死亡率低下・弱毒化の可能性はあるが,まだ,分からない。確定的な判断を下すのは早計)

現在患者数の推移(東京都)

東京都の現在患者数のボトムは6月12日の299人。重症ボトム(7/10-12)まで1か月

最終ボトムは6月23日の333人(重症ボトムまで17~19日)。

現在患者数(7/19)は2028人(ボトムの7倍弱)。

https://hazard.yahoo.co.jp/article/covid19tokyo

 

新規患者数のボトムは5月23日の2人。

入院患者・重症者の推移(東京都)

重症患者数のボトムは7月10日~12日の5人。

現在重症者(7/19)は12人(ボトムの2.4倍)。

入院患者数のボトムは6月24日の215人(患者ボトムから12日,重症ボトムまで18~20日

現在入院患者数は917人(ボトムの4倍超),入院療養等調整中613人,ホテル解約もあり病床逼迫。

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

 

タイムラグ

5月23日 新規感染確認のボトム(2名) → 重症ボトムまで48~50日
6月12日 現在患者のボトム(299名) → 重症ボトムまで28~30日
(最終ボトム6月23日→重症ボトムまで17日~19日)
6月24日 入院患者のボトム(215名) → 重症ボトムまで16~18日
7月10~12日 重症患者のボトム(10名) 

 

前回のピークのタイムラグ

4月17日 新規感染確認のピーク(206人) → 重症ピークまで11日~12日
5月6日 現在患者のピーク(3093人) 
5月6日 入院患者ピーク(宿泊等含む参考値2974人) 
4月28日~29日  重症患者ピーク 105人
 
【結論】
ピークのタイムラグと,ボトムのタイムラグは異なる。後者の方が遥かに大きい。
→ 重症者数の立ち上がりの遅さから,重症化率低下・弱毒化などを判断するのは早計
 
もしかすると,重症者数が5人(ボトム)→12人に増えた現在(7月19日)の状況に反映されているのは,以下のグラフの四角囲み部分かもしれません。

(新規患者数・・・48~50日前=5月29~31日)

(現在患者数・・・17~30日前=6月17日~30日)

 
(関連記事)
新型コロナ 重症者数は鋭敏な指標ではない理由(忽那賢志 | 感染症専門医) → こちら

なお,上記記事のうち,致死率1.6%(4/17)→4.9%(7/8)については,修正が必要です。4/17までの感染者数を分母に取った場合,感染確認から死亡までのタイムラグが2週間はあり,分子に4月末までの死者数を加算しないと,タイムラグが反映されません。反映させると4/17までの5%超になります。感染確認から重症化までのズレを主張しながら,致死率の計算ではズレを反映させないのは矛盾です。

→ こちら

 

 

 

 

 

 

 

新型コロナウイルス問題㊹ 新宿エピセンター・東京型+重症化率・死亡率低下+年齢別対策

新宿エピセンターと,新型コロナウイルス東京・埼玉型(強い感染力+弱毒化の可能性)

(児玉教授作成資料,後掲デモクラシータイムズ動画より)

参議院予算委員会の参考人,東京大学の児玉龍彦教授は,新型コロナ「東京型」,「新宿エピセンター」という概念を使っている。ウイルスの遺伝子を見ても,東京型と言えるらしい。尾身会長(対策分科会)も東京から感染が広がったことは疫学的・遺伝子的に分かっていることを述べている。

 

1)中国・武漢型・・・中国からの観光客(春節等)

2)イタリア・アメリカ型・・・欧米帰国者,港区,

3)東京型・埼玉型・・・国内(東京都の新宿・池袋)にエピセンター

 

児玉教授は,このままでは大変な事態になると言い,新宿エリアの全員PCR検査を主張しているが,私はむしろ,「東京株」を含め,最近の新型コロナウイルスの低重症化率(低死亡率)に注目している。理由としては,弱毒化・年齢層・季節要因・免疫取得などが考えらえれる。免疫獲得も相対的な意味で広義の弱毒化の一種と見ることが出来る。

 

FNN(参院予算委員会)

デモクラシータイムズ(児玉教授×金子教授)

(グッディ)

 

 

重症化率・死亡率の低下

国内の傾向

東京都で感染確認者が急増して,入院患者も急増しているが,重症患者数は7月17日で10人しかしない。12日5人→17日10人と5日で倍増しており,動向注視が必要だが,遅行指数であることを考慮しても,重症化率は著しく低下しているように見える。

 

 

東洋経済のコロナサイト(→こちら)を用いて,ごく大雑把に死亡率(死亡者/感染確認者)を試算してみた。単純化して,感染確認から死亡まで2週間と仮定した。

 

1)中国・武漢型・・・死亡率6.9%(死者80人)

感染確認者(3月24日まで)1160人,死者(2週間後の4月7日まで)80人で計算

 

2)欧州・米国型・・・死亡率5.4%(死者836人)

感染確認者(3/25-5/25)15546人(16706-1160),

死者(4/8-6/8)836人(916-80)で計算

 

3)東京・埼玉型・・・死亡率2.6%(死者68人)

感染確認者(5/26-7/3)2583人(19289-16706),

死者(6/9-7/17)68人(984-916)で計算

 

新規感染者が現在1日600人前後だが,3000人になるまでに,対策が強化されると思われる。

仮に,1日5000人の感染確認者が出て,死亡率2.6%なら,1日130人の死亡(年間4万7450人)になる。これは,年間約137万人の死亡者うち3.4%になる。


https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

 

1日の感染者が5000人となっても,死亡率が2.6%なら,年間死者は4万7450人で,年間死者137万人の3.4%にとどまる。

年間死亡者137万人の中で,重症化率・死亡率が低下してきた新型コロナの感染予防策にどれだけ犠牲を払うべきか,議論が必要だろう。

 

世界的傾向

(日経コロナサイト → こちら )

世界的に見ても,上のグラフのように,感染者の増加の割に,死者は増えていない。例外は中南米である。

 

新型コロナは季節を問わず感染が拡がると言われており,中南米が例外になっていることから,季節要因はなお残るが,おそらく,重症化率・死亡率の低下は,ウイルスの弱毒化が原因である可能性が高い。

 

なお,国内では,以下の年齢要因も考えられるが,世界的傾向から見ると,主因が弱毒化である可能性が最も高いと思われる。

 

【追記】2020.7.21 関連記事

木村太郎:どう猛な虎からヤマネコに変わった」新型コロナウイルスはワクチンを待たずに消滅か(2020.7.20)  → こちら

(追記以上)

 

年齢層で大きく異なる重症化率・死亡率

大阪府の統計(基礎疾患ない60歳未満の死亡率0%)

大阪府の分析(6月中旬時点)で,死者については,以下が分かっている。

・院内感染が約45%,同居家族内感染が約1割

・年齢層毎の死亡率

40歳未満0%,40~49歳1.0%,50~59歳0.8%,

60~69歳5.6%

70~79歳16.6%,80~81歳27.1%,90~99歳29.0%,100歳以上50%

59歳までは死亡率1%未満,基礎疾患ない59歳までは死亡率0%になっている。(60代でも基礎疾患なしの死亡率は5%)

 

東京都医師会の年齢別対策の提言

4月末か5月初めまでのデータと見られるが,東京都医師会も上記年齢層別のデータを公表している(→こちら)(基礎疾患の有無については明らかでない)。

60歳未満の死亡率は極めて低い(0.00%~0.63%)。60代もかなり低い(2.52%)

そこで,東京都医師会は,年齢層別の対応を提言している。特に,目新しいのは,70歳以上のグループについて,同世代との接触に制限はないが,他の世代と距離を保つこと(逆隔離)を提言している点にある。

(ウェークアップ2020.07.19)

日本の高齢者が,他世代との逆隔離を受け容れない可能性もあるが,今後の動向に注目したい。

 

若者が悪者のように報道されているが,実は,若者は高齢者のために行動制限されている,という面がある。若者を攻撃すれば,反発・離反・面従腹背などの悪い結果になりかねない。高齢者層の逆隔離という選択肢について,議論が始まっただけでも,一歩前進だと思う。

 

著名な人口家族学者,エマニュエル・トッドが指摘しているように,既に,スペイン風邪のような多数の死者は出ない新型コロナよりも,日本にとって,少子高齢化問題の方が,大きな国家的課題である。社会経済活動の過度の制限は,長期的に見て,大きな国家的損失になりそうだ。

 


(読売新聞と文芸春秋)

 

 

2020.7.15 エマニュエル・トッドの新刊「大分断」が出ました(PHP)。世界の知性が,日本を,世界を,どのように見ているのか,書店で手に取ってみるのも良いかもしれません。ただし,書下ろしではなく,過去のインタビューを含めて編集されたものです。念のため。

 

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