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随分と長いタイトルとなった。
今回は寝台列車の特集ではなく、列車の寝台(ベッド&その周辺構造)そのものに関する特集です。
飛行機や新幹線が庶民でも乗れるようになる以前の時代は、遠くへ旅する場合、列車が夜通し走るのが合理的でした。それが「夜行列車」なのです。しかし、さすがに座席ではしんどいです。そこで列車に寝台(ベッド)を備え付けることにしました。
全車両寝台車両になると、寝台列車となるのです。現代の日本において「寝台」とはもはや、死語同然の言葉ですが、列車と介護業界などでは残っている言葉です。
寝台列車は基本的にホテルの設備を列車に搭載することになります。広いスペースを使うなら、豪華ホテルと化します。
↓こんな感じ
(画像引用元)
しかし、一般的には、狭く限られた車内のスペースに出来るだけたくさんの乗客を詰め込みたいところです。
そこで、鉄道会社はベッドの構造や配置を入念に設計することになります。
今回は個室寝台ではなく、詰め込み型の多段寝台(ベッド)を見ていきます。なお、詰め込み型の多段寝台を昔の人は「蚕棚(かいこだな)」と揶揄していたそうです。
(参考:リアル蚕棚)
(画像引用元)
まず、分かりやすく日本の国鉄(現JR)にかつての存在した3段寝台。
(画像借用元)
ベッドは枕木と同じ方向に並ぶ。
通路の天板の屋根裏は空きスペースとなっており、リネンが置かれている。
最上段の寝台はこの角度から見ると、寝台の裏面だけが見える。最上段には全く窓がない。下段、中段ともベッドの通路側横に一応の仕切り板が設置してある。ベッドの幅は52cmしかなく、狭い
こちらは中国版の三段寝台。
(画像借用本)
ベッドに厚みがなく薄い。ベッドというより、ただの固いベンチである。通路上のパイプ製の「網棚」は荷物を載せられる。梯子は通路側に設置されている。簡素な作りだが、これで寝台としての役目は果たせる。
しかし、中段ベッドのつっかえ棒が貧弱なのが気になる。金属疲労が心配。もう少し補強したほうがいい。バキッと折れて、乗客が大怪我をしても、賠償費は安い国なのだろう。
こちらは日本の寝台電車のベッド。
この三段寝台は通路を挟んで両側にベッドが線路方向の向きに並んでいる。
(画像借用本)
下段ベッドは、やたら上下空間が狭い。中段が一番快適そう。
下はドイツの列車の寝台。
はしごは折りたたみ式ではない。
(画像借用元)
こちらも三段ベッドだが、下段ベッドに高さがある
上下空間が広く快適だが車高が高くなり、曲線に弱くなる。トンネルの断面も元から大きいのだろう。
(画像借用元)
次の寝台で気になるのは下段。
座席をそのままベッドにしているのではなく、座席の上にわざわざ、ベッド台を載せている。一体どういう構造なのだろう。
(画像借用元)
ロシアのシベリア鉄道は車体が大きいため、通路を挟んで枕木方向ベッドと線路方向のベッドを両方配置している。
少しわかりにくいが通路の右側は線路方向↑のベッド、左側は枕木方←→向のベッド
この客車の車体幅はフルサイズの3.4mと思われる。かつて日本に存在した寝台客車より60cm広い。
(画像借用元)
お別れはピアノ版で