寝台車の変遷(その2) | ぽっぽやいそじの「ひとりっぷダイアリー」

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国鉄時代の寝台車は客車が主体で、B(二等)寝台は片側に通路があって枕木方向に三段寝台が並ぶのが一般的なレイアウトでした。


定員が多くても60名(大体は54名)であり、客単価が高いとはいえ座席車に比べて採算性が悪い寝台車は、少しでも定員を増やす工夫をしていました。


電車寝台として開発された581・583系は、主に構造上の制約から中央通路で、その両側にレール方向に三段寝台が並ぶようになっていました。そのため定員も36~45名程度しかなく、客車(20系以前)より寝台の幅が広く取れたこともあり、客車より少し高めの電車寝台料金が設定されていました。


24系25形からは寝台も二段式になり、三段式だった車両も順次改造されて行って、B寝台も二段式が当たり前になって行きました。こちらも二段式寝台の料金が新たに設定されて、三段式より少し高めになっています。


一方のA(一等)寝台はというと、やはり優等寝台車ということで当初から二段式が当たり前でした。ただし寝台配置は中央通路の両側に二段寝台が並ぶ方式が採用されています。


ただB寝台が二段式が一般化して来ると、A寝台との差が小さくなって来たため、国鉄末期に個室が再び登場しました。現在で言うところの「シングルDX」にあたる車両で、室内に洗面台を兼ねたデスクを備えています。A寝台の個室ということで確かに高い部屋ですが、それなりに需要はあったようです。


国鉄がJRに変わり、バブル景気も手伝って世の中に一億総中流化の流れが起きて来るとプライバシーの確保の声も大きくなって来て、B寝台にも個室化の波が押し寄せて来ます。1人用個室「ソロ」は二段の寝台を上下に分割する形で仕切っています。ベッドの上に見える張り出しが上段のベッド部分になっているワケですね。


これを応用して2人用にしたのが「デュエット」。下段は凸形、上段は逆凸形になっています。


その一方で、より安く利用できるように、簡易個室的なものも現れました。東京~高松・出雲市を結ぶ寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」に連結されている「ノビノビ座席」は、ご覧のように仕切りで分割されたスペースにゴロ寝するタイプで、シーツや毛布は用意されていますが料金上は座席(普通車指定席)扱いになっており、リーズナブルな料金で横になって休むことができます。


こちらは下段。上段に比べて天井が低いため閉塞感が高く、カプセルホテルに慣れた方はこちらを選ぶことも多いとか。


こちらは同じ「サンライズ」でも個室A寝台となる「シングルDX」。さすがにA寝台だけあって部屋もベッドも広く、掛け布団も羽毛布団だった記憶があります。


最近は寝台も豪華路線に舵を切っているのか、最上級の部屋がとにかく広くなって来ています。写真の「カシオペアスイート(展望タイプ)」は編成端に設けられた部屋で、最後部になれば走り行く眺めを独占でき、最前部であれば先頭で奮闘する機関車の姿を見られます。

現在の日本で定期運転されている夜行列車は「サンライズ」のみになってしまいましたが、夜行高速バスの奮闘ぶりを見れば需要自体はまだあるはずで、色々な方策を練って何とか復権を・・・・!!とは思ってはいるんですが、やはり色々な事情があって難しいのかなぁ・・・?ショボーン