【議長】

マイケル・ウィッカー

【副議長】

モガル・クリダニク

【役職】

国防委員長

イ・ジェウク(自共)

経済委員長

桂直仁(無所属)

文化委員長

姉小路芳麿(自共)

教育委員長

佐藤豪(自共)

技術委員長

アピシット・シナワット

インフラ委員長

ラファエル・オカノ(連民)

環境・食料委員長

ハワード・グラス

【定数】

54人

【政党】

与党

自由共和党

野党

自由ゼントラン党

銀河民主党

銀河連邦党

中立

無所属

【解説】

月面クラビウス基地内の地下都市クラビウスシティーにおける地方議会。

月面最大都市アポロシティーの議会に次ぐ規模を誇る。

 

2015年あたりは自由共和党が圧倒的議席を誇る与党の地位にあったが、ゼントラーディ人住民の参政権・公民権が認められたり自由ゼントラン党の結党により議席を大幅に減らしている。

 

月面第2の軍都であり、主に軍人票が強く元新統合軍大佐であるイ・ジェウク議員や元SDFー1警務隊長の佐藤豪議員が大きな力を有している。

 

議員数とクラビウスシティーの人口の割に選挙区が大きく(クラビウス直径225キロメートル)、新統合軍が選挙の移動の際に各候補者にVー22+オスプレイプラスや軍用リニアモーターカーを貸し出している。

 

【議員名簿】
◆自由共和党24人

イ・ジェウク

わき雅昭

田口広康

マイケル・ウィッカー

カトリーヌ・グリーンヒル

セター・マター

キム・ヒョサン

ハワード・グラス

林同栄

リンジー・マクフォール

 

ローラン・ブレトン

アンドレア・ラメロウ

姉小路芳麿

オミット・マイヤー

アンデル・サンチェス

佐治義雄

アンドレアス・ミツォタキス

ツァヒアギーン・エンフバヤル

マーティン・エスクデロ

中条美幸

佐藤豪

ドラウパティ・ダンカール

ジョン・ニシムラ

エルラ・カルジェル

 

◆自由ゼントラン党15人

サルゾ・グランバザ

ガラル・ドセル

ラガバルド・ガルンシェラ

アリーナ・サンケス

エリラ・マーシェル

フラット・ルフル

ガナード・ガシュベル

モガル・クリダニク

トラカ・スーダル

 

マルジェラ・ファール

マイラ・メルスト

バーガス・ロウ

ガメラ・ゴジラル

ラドー・ンキャフ


◆連邦民主党3人

アシュリー・スコット

ラファエル・オカノ

ガレフ・ガルバッソ


◆銀河連邦党2人

ヨ・チャンモ

大掾義剛


◆無所属10人

石崎ひでゆき

ジム・グラスリー

仁木盛貞

桂直仁

アピシット・シナワット


二之湯真士

トーマス・エドワーズ

アレックス・三島

トラス・ナンテス

韓啓臣

【12年前 西暦2009年12月8日 太平洋上】

第1次星間大戦後半、冥王星からの長きに渡る航海の末.ゼントラーディ軍の包囲網を突破し地球に帰還したSDFー1マクロスは太平洋上に着水した。

乗員達は地球帰還を喜んだが、非情にも地球統合軍総司令部は帰還を喜ばず世間に異星人と戦争中の事実を隠蔽するため民間人の受け入れは許可されず敵の目を引きつける囮の任を命じられた。

 

そうした中、カムジン・クラヴシェラ率いる第109分岐艦隊.第7空間機甲師団がマクロスを襲撃し、戦闘の最中にスカル中隊バーミリオン小隊長一条輝がフレンドリーファイアにより負傷した。

 

「いいか、私の目指す相手が出てきたら手だしは絶対に無用。お前たちは、私がその者と1対1で戦える状況をつくってくれれば、それでいい。」

 

「分かりました。他はお任せください。」

 

カムジンからマクロス艦内に凄腕がいると聞いたミリアが自身の部隊と空戦一般部隊を引き連れ大規模な攻撃を展開した。

30機以上のクァドラン・ローと空戦ポッドの大編隊の接近を確認したマクロスは空母プロメテウスから各VF部隊を出撃させ迎撃に向かわせた。

 

「私の目指す相手?メフィア・エリアーノ、なんかずるくないミリア。」

 

「モーア、上官にその口ぶりはやめたら?じゃないと消去刑にされるわ。」

 

「別にいいじゃん」

 

ミリアの命令を聞いたモーアは目指す相手の意味を凄腕と見抜き、自分だけ独り占めする気なのでは?と思い不満を述べた。

メフィリアはモーアに上官に対する態度を諌めるも、全く意味がなかった。

 

「モーア・メフィア・エリアーノ、マイクローンにやられるなよ。」

 

「はいはいやられるもんですか〜監察軍よりも弱い連中なんかに〜」

 

同じミリア機動戦隊の隊員の一人モシアート・クロウドが絡んできた。

モシアートはモーア達と同期であり、別チームを組んでいたが比較的に仲が良く戦闘のない時間帯はよくお喋りをしていた。

 

 

「行け!!」

 

ミリアの号令と共にマクロスに対し攻撃が開始された。

両軍激しい戦闘状態に突入し、一進一退の攻防を展開した。

 

「遅い!」

 

戦闘の最中、マックスはミネリア・アジハの駆るクァドラン・ローと空戦ポッド数機を撃墜した。

神業が如く、ファイター形態とバトロイド形態を上手く活用し相手の先を進んだ戦術を展開した。

 

「ミネリアを良く・・・・・」

 

「敵機撃墜!こちらバーミリオン3、パープルリーダーそちらの敵は任せましたよ!」

 

近くにいたクロン・バジェスが仇をとろうとするも呆気なくマックスに撃墜され戦死した。

 

クロン撃墜した直後に付近でパープル小隊長で従兄弟のジョニー・ギルバート中尉の駆るVFー1Jが空戦ポッド相手に善戦する姿が見えた。

マックスは敬礼し、ジョニーに空戦ポッド相手を任せクァドラン・ロー撃墜に専念しようとした。

 

「はっ! あいつか。ようし。」

 

マックスの活躍を見ていたミリアはニヤッと笑い、指揮官用のクァドラン・ローを駆りゼントラーディの死の遊びを楽しむため突撃した。

 

「マックス逃げろ!」

 

「逃げる?」

 

ミリアのクァドラン・ローの接近を確認したロイ・フォッカーはマックスに退避勧告を出した。

退避勧告に戸惑うマックスだったが、ミリアの強襲から逃れる事は出来なかった。

 

「んんっ!私の攻撃をかわしたな。」

 

「早いこいつか!?パープルリーダーの言ってた手ごわい相手ってのは!」

 

ミリアの強襲は不発に終わった。

 

マックスは持ち前の技量を活かして回避行動を取りつつ、無駄のない動きで反撃した。

 

今まで見た事のない動きを見せるマックスにミリアは驚くも、負けじと攻撃を繰り返した。

戦いの場はマクロス艦内でも展開されたが・・・

 

「私が負ける!? そんなバカな!」

 

マックスの技量はミリアを上回っており何度か被弾、ミリアは敗北を認め撤退を始めた。

人生で初めて敗北と言う屈辱を味わったミリアは再戦を望み、次こそは討ち果たそうと考えた。

 

「どけどけ!」

 

マックスがミリアを撃退している頃、フォッカーは部隊を指揮しながらミリアの配下と戦っていた。

 

フォッカーの攻撃でジャリア・トリモスの乗るクァドラン・ローが火だるまになり爆発した。

 

「くそ舐めるな!」

 

フォッカーにより次々とやられる味方を目にしたモシアートが敵を討とうと単機突撃した。

既にフォッカーの手により何人か討ち取られており、モシアートは冷静さを失い仇をとらなければ気がすまなかった。

 

「モシアート単機で突撃するな!私達が行くまで待って!」

 

モーアはメフィアとエリアーノとケッテ編隊でフォッカーに迫っていたが、単機で突撃するモシアートを目撃し声を荒くして突撃するなど言った。

 

「あぁ」

 

願い虚しくモシアートは火達磨になり太平洋の藻屑と消えた。

同期であり今まで共に過ごしてきたモーアは最初は動揺するも、次第に憎悪の念を激しく抱いた。

 

「うわぁぁぁぁぁぁ」

 

激昂したモーアはパルスレーザーガンをフォッカーのVFー1Sを狙撃した。

モーアの動きに呼応してメフィアとエリアーノが牽制攻撃としてレーザーガンを発射、本命であるモーアの攻撃はVFー1Sに命中した。

 

「くそ!落ちろ!落ちろ!」

 

命中したがフォッカーの器量もあってか撃墜に至らなかった。

何度も執拗にフォッカーのVFー1Sを撃墜しようとしたが、むしろ逆に追い込まれるのでは?と言う危機的状況に陥った。

 

「モーア!メフィア!エリアーノ!撤退命令だ!退け!」

 

「くっ・・・サ・エスケスタ・・・」

 

ミリアが戦意を喪失し撤退した為、副官のデワントンとメールは各隊員に撤退命令が出した。

メールから撤退命令を聞いたモーアは不満を抱いたが、味方も撤退を始めている為渋々従った。

 

戦いはミリア機動戦隊から6名の戦死者と多数の下士官達を失う大敗を喫した。

 

「ラプ・ラミズ司令、私をマイクローン・スパイに任命してください。」

 

「バ、バカな!お前ほどのパイロットが、なぜわざわざマイクローンなどに。ミリア!」

 

「私は、マイクローンになります!」

 

補充兵が配属され戦力再編した頃、ミリアはマイクローンスパイに志願した。

隊員達はミリアがマイクローンスパイに志願した事実にショックを受けたが、副官のデワントンやメールが代理で部隊を運営していく事となりしばらくして元の日常に戻った。

 

「ミリアがマイクローンスパイ?」

 

「部隊を放り出してマクロスに潜入したんですって?」

 

艦内の食堂でキヨラ機動戦隊所属のラウラは戦友のメフィリアからミリアがマイクローンスパイとしてマクロスに潜入したと聞いた。

ミリアが出撃し被害が出たとは聞いてはいたが、自身が敗退しそれが原因でマイクローンスパイとしてマクロスに潜入したとはこの時知らなかった。

 

事情も知らないラウラは黙々とミリアの批判を始めた。

 

「自分勝手に部下を放り出してマイクローンスパイ、ゼントラーディ軍人の資格はないわ〜」

 

「分かる・・・責任感の強いキヨラ隊長と比べたらだらしないと言うか・・・」

 

キヨラ・テキーヴァを強く慕うラウラ達は部下を放り出し、マイクローンスパイになりマクロスに潜入したミリアを批判した。

 

後にミリアがマックスに負けた事が原因だと知るのだが、ラウラ達は自身の戦術ミスで成果も上げられずに部下や空戦隊の兵士を多数失い責任から逃れる為にスパイとしてマクロスに潜入したのだと思っていた。

 

「ラウラ、アンジェミラちょっと・・・」

 

「ん?ぐふっ」

 

ラウラはメフィリアが怯えた声で何か訴えるので振り向くとモーアから顔面殴られた。

驚くメフィリアとアンジェミラだが、動揺する間もなく戦友メフィアとエリアーノや補充兵のビネークとフェリロらに殴られ倒れた。

 

「ミリアの子飼いが!」

 

ラウラ達もすぐさま反撃に移った。

 

近くにいたシュリと言ったキヨラ機動戦隊の隊員も加勢し、艦内の食堂で乱闘騒ぎが起きた。

様子を見たミリアの部下のアマテラ・サーノとシャン・クロッケルがデワントンとメールに報告し、直様艦内の食堂に急行した。

 

「モーア!やめなさい!」

 

「止めるな!こいつミリアの悪口言った!」

 

「事実を言って何が悪い!部下を置いて自分勝手にマイクローンスパイするミリアがおかしいだろ!」

 

「なにぃ」

 

食堂は酷い有様だった・・・・

 

ラウラとモーアはお互い口から血を流しながら両方の原隊副官による説得の最中、お互い罵りながら殴り合いを続けた。

 

最終的に各部隊預かりの処分になり乱闘騒ぎは終わった。

 

この乱闘騒ぎを最後にラウラとモーアは会う事がなかった。

 

その後、終戦を迎えモーアは新統合軍に入隊。

メフィアとエリアーノと分かれる事になったが、勤務地であるオセアニアで順風満帆に活躍した。

そして一条輝と共に月面に出向し、愛する夫となる星村和也と出会い結婚する事になる。

 

幸せな生活を送る反面・・・・・

 

「私は・・・そうか・・・私も同じ事をしたんだな。」

 

第1次星間大戦末期の地上戦の最中、あの戦いでロイ・フォッカーと言う軍人を殺し、遺された愛機は後輩の一条輝が引き継がれたと知った。

あの戦いで殺したフォッカーにはクローディア・ラサールと言う恋人がおり、自身の攻撃のせいで愛する人の命を奪った。

 

戦争だからと言えこうした事実は胸が苦しくなる。

 

モーアは事実を受け入れ、戦いを楽しむ事を止め軍人としての役割を全うしようと決意した。

 

それから10年後・・・・

 

【西暦2021年1月18日午前10時 冥王星】

アームド級ホーランディアを旗艦とした第6機動航空戦隊とアームド級セーシェルを旗艦とした第44機動航空戦隊がデフォールドした。

 

2個戦隊は各旗艦アームド級空母2隻を中心に僚艦オーベルト級駆逐艦10隻を左右に横一文字に展開、後からデフォールドしてきた絵理と和也率いるシーアンタレス艦隊を真ん中に据え第29海兵隊を迎える準備をした。

 

「爽快だなぁ、計15隻とは言え見事な艦隊だわ。」

 

かつてのモーアこと絵理は目を輝かせながら周辺に展開する新統合軍艦隊を見ていた。

サドワラを中心に左右に空母2個戦隊が並んでおり、絵理のテンションが上がっていた。

 

「ゼントラーディ軍と比べたらショボいけど。」

 

「和也、左右の艦隊はゼントラーディ軍とは別の魅力があるから。」

 

新統合軍の主力艦艇はゼントラーディ軍艦艇と比べたら内火艇みたいな感じであり、元ゼントラーディ軍人である絵理からしたら地味なのでは?と夫で隊長である和也は思っていた。

実際の絵理は地球艦艇特有の美的センスを気にっており、ゼントラーディ軍艦艇よりも好きだった。

 

しばらくすると後方に演習艦隊旗艦のダイダロスⅡ級強襲揚陸空母レプライザルが到着し、演習艦隊は計19隻に膨れ上がった。

 

「隊長、副隊長。新統合軍VF任務航空団司令による作戦内容が届きましたので、ブリーフィングルームへ。」

 

「分かった。」

 

絵理は自身が率いる小隊副官のミアンからブリーフィングの時間だと告げられると和也と共にブリーフィングルームに向かった。

 

メルトラスのブリーフィングルームではラザルが海兵隊員を集め作戦会議を開いた。

ラウラ達は他のクァドラン・ローパイロット達で纏まりながら、ラザルら海兵隊艦載部隊幹部の話を聞いていた。

 

「クァドラン各隊を統合し編成した遊撃任務戦隊が露払い作戦を展開し、ジナール各隊を統合し編成した挟撃任務戦隊が左右に展開する。」

 

「我々、遊撃任務戦隊や挟撃任務戦隊で敵艦載機部隊を撃破しハズブロ少佐ら主力部隊を持って敵艦隊を殲滅する。これが今回の我々の作戦だ!」

 

作戦はクァドラン・ローなどの高機動機で仕掛け、その隙にジナール空戦隊が挟撃で敵戦力を撃滅しラザル率いる主力部隊が防衛ラインを突破し演習艦隊を制圧するものだった。

 

海兵隊のゼントラーディ将兵は地球の戦術を吸収し、自分達の戦術を組み合わせはぐれゼントラーディ軍部隊相手に多大な戦果を上げていた。

 

「私がマグゼミグ・ラフに乗り戦線を指揮し、私の直掩はセランとフラスワのログレン・ロー隊が火力支援はランソーとエルシャのシグノー・ミュール隊が行う。」

 

「後のクァドラン・ロー隊はクァドラン・ノナ隊を率いて戦線を切り開け!」

 

ラウラの属する遊撃任務戦隊の指揮官はティムロ・グロイザ少佐で副官ホフィン・ルム大尉で、ティムロはクァドラン派生種による各隊を率いてホフィンは主力隊を率いる。

 

無論、ラウラはホフィン率いる主力隊に属しており2個クァドラン・ノナ分隊を率いる。

 

「敵部隊は100機以上を有しており、直掩部隊も含めて計200機いる。油断せず全力でかかれ!」

 

新統合軍VF部隊は100機、正確には海兵隊VF部隊の数であり各空母に60機にシーアンタレス隊23機そして各地方から参加した部隊18機が参加している。

艦隊直掩に空間デストロイド部隊や空母迎撃機のデストロイドを含めると300機近い数の戦力が参加している事になる。

 

有人機だけでの話であり、無人機ゴーストを含めれば300機少し超えた戦力となる。

 

「注意事項としては相手に対して行っていいのは模擬射撃と模擬ミサイル攻撃のみである。間違っても殴ったりなどはしないように。」

 

模擬戦であるので使用武器はペイント弾であり、ミサイルも中身はペイント弾だが命中寸前で自爆する物であった。

当然、パルスレーザーもペイント弾を放つ代物に換装されており、格闘戦については機体の損傷やそれに伴う搭乗員の死亡事故のリスクから禁止されていた。

 

「ラウラ、楽しそうな戦いになりそうだな。」

 

「気分転換になるししっかり楽しもうよ。」

 

アンジェミラとメフィリアは久しぶりに大部隊同士の戦闘が出来るとテンション上がっていた。

ボーとしていたラウラに楽しむ事を勧め、模擬戦を思う存分楽しもうと思っていた。

 

「気分転換か・・・・悪くないな。」

 

可変する機体に関心を持っていたラウラは二人の言葉を受け入れ楽しむことを決めた。

打倒ヴァリアブル・グラージの為、改めて同じ可変機と戦えば何か分かるかもしれないと楽しみながら特性を掴もうと考えていた。

 

初めてVFと戦うのでラウラは久しぶりに笑顔を見せて・・・・・

 

「サ・リンツ・メルトラン・マトラスカス(女の意地にかけて必ず)」

 

と強い意気込みを見せた。

 

VFと戦えば対抗戦術だって生み出せるし、もしかしたら人生を変える何かを得るかもしれない。

ラウラは前向きに考え演習本番に備えた。

 

この時まだ予想以上の出会いとは知らずに・・

 

 

【1月18日 午後13時】

 

ホーランディアとセーシェル各艦から各VF部隊が発艦した。

主力機はVFー4とVFー5000であるが、VFー7ゴーストやフレイヤバルキリーやXタイプなどの改修型のVFー1なども参戦していた。

 

「艦長、演習予定時間になりました。」

 

「うむ、我々は一般部隊と格が違う事をここで示す。全バルキリー隊並びに直掩隊、発進せよ!」

 

演習艦隊旗艦を務める地球ラグランジュポイント防衛を担う新統合海兵隊・海兵第3遊撃戦隊旗艦レプライザルは各艦隊に遅れ、部隊発艦準備に入った。

直掩の空間戦デストロイド・ドーントレスが艦隊前方後方左右に展開し、続いて無人戦闘機ゴーストとゴーストⅡが発艦した。

 

「Course clearane.All system is green. Good luck !」

 

「ThanksYou It sorties!!」

 

直掩部隊が全て発艦後、海兵隊飛行隊.ホークス中隊のVFー1Xが発艦した。

グリーンナイツ中隊とカウボーイ中隊などの飛行隊が飛び立ち、艦隊前方中心部に展開した。

 

海兵隊員の大半はゼントラーディ人や移民先で見つけたら亜プロトカルチャー人の兵士であり、市民権獲得のため新統合軍に志願し海兵隊員として最前線で戦っている。

 

「海兵隊は贅沢だよな。」

 

「俺たちの母艦はせいぜい2個中隊32機なのに人員豊富に使いやがって。」

 

海兵隊飛行隊の人員は新統合宇宙軍に比べ少ないものの、各隊の充実はそれ以上であり1隻に100機搭載するなどかつての地球の小国空軍に匹敵する戦力を誇っていた。

ただ海兵隊の大半はゼントラーディ軍装備であり、海兵隊VF部隊は圧倒的少数であった。

 

「ダルダントン中尉、地球本国の連中・・・我々エデン防衛軍と大違いですね。」

 

「風間・・慌てるな、我々は最新鋭機VFー7を与えられているんだ。胸を張れ!」

 

「はっ」

 

ホーランディアに分乗した惑星エデンから派遣されたエデン防衛軍のティモシー・ダルダントン中尉と風間健一少尉は地球本国軍の装備と人員の充実さに驚いていた。

彼らには最新鋭機VFー7ゴーストを与えられているが、地球本国軍の部隊には最新鋭機VFー5000スターミラージュが60機以上がこの演習に参加している。

 

「地球本国ももう少しは地方の事を考えてもらいたいものだな。」

 

ティモシーは地球本国軍の充実ぶりを見て不満を吐いた。

惑星エデンは人類最初に見つけた入植可能惑星であるのだが、地球と比べ発展途上であった。

エデン防衛を担うエデン防衛軍は最新鋭機は配備されてはいるが少数派であり、地球本国からのお古のVFー1バルキリーが主力を担っている。

 

アドクラス艦隊出身のティモシーは戦後、地球文明と歴史に感銘を受け新統合軍に引き続き属していたが新統合政府の中央集権体制に反感を覚えておりいつか改革せねばと心の中で誓った。

 

「各VF任務航空団を編成、ダイヤモンドフォーメーションにて展開。」

 

「先発した狙撃隊、各方面に展開待機。」

 

各艦から発艦した各VF部隊は任務航空団を編成した。

海兵隊グリーンナイツ中隊は戦列を離れ任務航空団に加わらず、近くのデブリベルトに分散しVFー1XSスナイパーバルキリーとVFー1XCオブザーブバルキリーが潜伏し周囲に護衛兵が固めた。

 

「任務航空団、間もなく戦闘圏に突入します!全機オールウェポンズフリー」

 

主力の任務航空団は第29海兵隊との戦闘圏に突入しようとしていた。

各VFパイロットは演習とは言え、実戦さながらの緊張感を持ってやってた為息を飲み一斉に模擬ミサイルを発射した。

 

「間もなくインファイトゾーンに突入する。各隊抜かるな。」

 

「攻撃目標はレプライザル艦橋にペイント弾をぶつけ撃沈判定を出す事だ!なぁに相手はマイクローンだ!私達なら勝てる!」

 

ラウラ達はティムロとホフィンに率いられながら、任務航空団との戦闘圏を目指していた。

攻撃目標は演習艦隊旗艦レプライザル、艦橋にペイント弾を付着させればラウラ達の勝ちである。

 

「ラウラ抜かるなよ!」

 

「そっちこそ、アンジェミラにはまだまだ負けません。」

 

ラウラはアンジェミラからの煽りを笑いながら煽り返しをした。

今回相手ははぐれゼントラーディ軍ではない、地球人だけの部隊である。

久しぶりに心置きなく戦う事ができる!今のラウラは10年ぶりに幸せな気分になった。

 

が・・・・・・

 

「私こそ2人には・・・・なっ・・・」

 

「メフィリア!?いつの間に撃たれ!」

 

「ラウラ、周囲に敵は・・・がっ・・・こっちもだ・・・」

 

「ヤック・デ・カルチャー、バカな敵の姿は・・」

 

幸せな気分の束の間、メフィリアとアンジェミラが狙撃された。

 

一瞬の出来事にラウラは何が起きたのか分からなかった。

敵の姿が見えないのにメフィリアがやられ、アンジェミラがやられた。

 

 

「くっ」

 

見えない敵からの狙撃を避ける為、ジグザグ機動で回避しようとした。

回避行動しているラウラだったが、率いていた分隊他の僚機も狙撃の餌食になった。

攻撃は狙撃だけでは終わらなかった。

 

「ミサイル!?」

 

多数のミサイルが飛来した。

ラウラはミサイルを回避したが、率いていたクァドラン・ノナ隊に命中し壊滅状態に陥った。

ミサイルの攻撃が終わると同時に各VF部隊が突入した。

 

「各機、連携を取れ!来るぞ!」

 

「「エスケスタ」」

 

残ったクァドラン・ノナ隊に指示を出し、突入してきたVFを迎撃を命じた。

ラウラが指揮するクァドラン・ノナ残存機は連携を取りながら、VFに優位に立ち何機か撃墜判定を出していったが狙撃により指揮系統に混乱が見られ劣勢が続いていた。

 

「こいつらも変形したか・・・」

 

何機かのVFがガウォークやバトロイドに変形し、様々な戦術を駆使し攻勢を強めた。

ヴァリアブル・グラージと同じ変形機能を駆使したVFを見たラウラは厳し目な表情を浮かべた。

 

機動力は劣るものの変形機能がないクァドラン・ローと比べ、ファイター・ガウォーク・バトロイドの三段変形が出来るVFの戦術は未知の存在だった。

撃墜できると思ったら形を変え予期せぬ動きを見せ回避し、逆に追い詰められ撃墜される。

 

「ベルタリア曹長・・・・相手には・・・わぁ」

 

「マイクローンめ・・・」

 

ラウラのクァドラン・ノナ隊は次々と撃墜され、生き残ったのがミュレ・フリジェルのみになった。

ミュレはクァドラン・ノナ隊の分隊長で軍曹で、アンジェミラとメフィリアと同階級だ。

 

クァドラン・ノナ隊の分隊長とあってか、しぶとく生き残っている。

 

「ベルタリア曹長、生き残りは自分だけに・・・」

 

「ミュレ!私と上手く連携しろ!勝ち残りたければ私に続け!」

 

「エスケスタ!」

 

ラウラは自身の部下や戦友でライバルだったラミア・レレニアが脱落し動揺しているミュレを叱咤し自身とエレメント組むように命じた。

エレメント組み反撃しようと試みたが・・・・

 

「また見えない攻撃・・・・動いているクァドラン・ローを・・・・何処だ!」

 

目の前で戦っていたクァドラン・ローが狙撃されペイント弾が付着し撃墜判定が出てしまった。

ラウラは周囲を見渡し、狙撃した機体を探した。

 

「デルケ・ダカン・デ・ブラン・メルケス!(遠い位置に敵を見つけた!)」

 

ラウラは自身を狙った狙撃を当たる寸前に回避し、狙撃方向を特定した。

狙撃位置は先の大戦でマクロスのフォールドに南アタリア島と共に巻き込まれ放棄され漂流しているアーレイ・バーク級駆逐艦。

駆逐艦の後ろにVFー1XSがスナイパーガンポッドを構えており、周囲に護衛のVFー1XとVFー1XCオブザーブバルキリーらしきものが遠目であるが見えた。

 

「ミュレ、仕掛けるぞ!」

 

「ハッ」

 

ラウラは他のVFの相手を他のクァドラン隊に任せ、ミュレと共に狙撃地点へ急行した。

 

挟撃任務戦隊と主力部隊の突入までもう少し、耐えれば形勢逆転できる。

その為にも狙撃兵を潰せねば、両部隊に損害が被り演習相手の艦隊を制圧できない。

勝つためにラウラは迫るVFを蹴散らしながら、狙撃殲滅を優先した。

 

「流石だなマッサーラ少尉。今のは惜しかったが・・・」

 

「いえそれほど・・・戦闘態勢に入ったクァドラン相手にはもう狙撃はきついですが・・・」

 

「そうかではスナイパーガンポッドを連射モードにしろ!実戦に入る!」

 

「エスケスタ」

 

狙撃用のVFー1XSに搭乗していたサーラ・マッサーラはラウラに発見された事を確認し、スナイパーガンポッドを連射モードにし反撃態勢に入った。

サーラはゼントラーディ軍出身で、ラウラとは同期で元戦友の一人であった。

 

戦後、VF訓練課程経て狙撃型VFのテストパイロットとなり海兵隊に移籍した。

狙撃兵としてグリーンナイツ中隊に所属し、数々の成績を挙げてきた。

 

迫りくるラウラとミュレに同事する事なく、スナイパーガンポッドのトリガーを引いた。

 

「くぁ」

 

「ミュレ!?」

 

「あのクァドラン・ロー出来る!」

 

サーラがトリガーを引いたスナイパーガンポッドから放たれたペイント弾は、ラウラとミュレを同時に命中するように向かっていった。

ラウラは回避に成功するも、ミュレのクァドラン・ノナの左腕に命中した。

 

「ベルタリア曹長、私は継戦不能後退します。」

 

「しょうがない、後は私がやるか・・・」

 

ミュレは被弾判定が出た為、戦線から離脱した。

他の隊に合流してもいいのだが、戦場が混乱し合流しようにも出来ない状況に陥っていた。

 

「マッサーラ少尉、援護するから仕留めろ!」

 

「エスケスタ!」

 

2機の護衛のX型と観測機のXC型の支援の元、サーラはかつての愛機クァドラン・ローのようなマニューバでラウラに接近した。

 

「ヤック・デ・カルチャー、クァドラン・ロー!」

 

クァドラン・ローのような動きで迫るサーラにラウラは驚いた。

相手は同じメルトラン、クァドラン乗りのエースパイロット。

そう認識したラウラは直ぐ様相手の予測進路上を認識し、最初に放つカノン砲を囮として放ち予測進路上に逃げたサーラにパルスレーザー(模擬戦仕様)を放った。

 

これなら確実に仕留められるそう思ったが・・・・

 

「なんだあの動きは!?」

 

カノン砲を放ったが、サーラはVFー1の脚部にあるエンジンを使い急バックして回避した。

想像以上の動きにラウラは驚くものの、次の手を出すも護衛機の妨害により頓挫した。

 

「思う以上に力が発揮出来ない・・・」

 

初めて戦うVF、初めて戦うVF部隊による集団戦術にラウラは苦戦していた。

もし実戦であれば最悪自分自身が戦死してしまう結果になってしまうだろう。

 

「くそやられた!」

 

「志田少尉、各機・・・散開(ブレイク)」

 

苦戦していたラウラだが、根は歴戦のエースである為グリーンナイツ中隊やその他の部隊のVFを何機か撃墜判定を出した。

更に他の隊のクァドラン・ローなどの友軍機が通過し、サーラなどに攻撃した。

 

「友軍機のお陰で戦いやすくなった・・・これならば・・・」

 

ラウラは友軍機の散発的な攻撃で隙が生まれたサーラを捉え、ミサイルを放ち予測進路上にパルスレーザーを放った。 

放たれたミサイルをサーラは迎撃し、ペイント弾が命中した模擬ミサイルは自爆し放たれたパルスレーザーはまたしても急バックで回避した。

 

「もらった!」

 

「クソッ!!」

 

急バックで回避した先の背後にはラウラのクァドラン・ローが回り込んでおり、パルスレーザーを両腕組んで構えていた。

ラウラは反転しスナイパーガンポッドを構えるサーラに向けパルスレーザーを発射、頭部と右脚部にペイント弾を命中させた。

 

「マッサーラ少尉・・・!!・・・挟撃か!?」

 

中破認定が出たサーラのVFを援護しようとした僚機だが、ジナール空戦隊を中核とした挟撃任務空戦隊が左右から任務航空団を挟撃した。

任務航空団は混乱が生じ、形勢逆転しラウラら第29海兵隊が優勢になった。

 

「マッサーラ少尉、艦隊へ後退するぞ!」

 

「私はまだ・・・戦えます!」

 

「馬鹿野郎、実戦なら死にに行くようなもんだ。撤退しろ!援護する!」

 

「ハッ分かりました。」

 

中破判定を食らったサーラであったが、戦闘の意思が衰えておらず戦線復帰しようとした。

だが、実戦であれば被弾した機で突撃するのは自殺行為であった。

僚機はサーラに帰還を命ずるも拒否られ、思わず怒鳴りながら撤退を強要され渋々了承し艦隊へ向かう他の隊と共に撤退した。

 

「逃さない!」

 

「そうはさせん!」

 

「邪魔だ!邪魔するな!退け!」

 

ラウラは撤退するサーラやその他被弾判定機を追撃するが、グリーンナイツ中隊に妨害された。

VFとの戦闘のコツを徐々に掴んだラウラの敵ではなく次々と戦闘不能にした。

 

「ベルタリア曹長!追撃はよせ!」

 

「グロイザ少佐、ルム大尉!」

 

「手負いを優先するより、敵防衛戦突破を優先しろ!」

 

「サッ!」

 

またまた近くを通りかかったマグゼミグ・ラフに乗るティムロとホフィンから追撃中止命令が出され、敵防衛戦を突破するように命じられた。

ラウラは不服に感じてはいたが、上官の命令は絶対な為素直に従った。

 

 

 

【演習艦隊アルゲニクス級2番艦サドワラ】

【同サドワラ前、シーアンタレス各隊。】

 

任務航空団が苦戦している頃、演習艦隊と直掩部隊は慌ただしくなった。

撃墜判定機や戦闘不能判定機が次々と帰還し、演習艦隊幹部は予想外の苦戦に驚愕し慌てて直掩機による防衛線を構築した。

 

「やはり敵は挟撃か、第29海兵隊流石は精鋭だな。」

 

「艦隊直掩部隊の防戦開始、後続の主力突破されたらまずいな〜」

 

「それはどうかな?案外粘るかもな。」

 

任務航空団が苦戦しているのはジナール空戦隊が挟撃した事による混乱からであり、事実.挟撃に動揺しなかった部隊は善戦していた。

とは言え混乱が生じた事により防衛線が崩れ、第29海兵隊は直掩部隊のデストロイド・ドーントレス部隊と戦闘開始した。

 

『こちらオピリオネス、シーアンタレス各隊に通達します。艦隊司令部より出撃命令が出ました。』

 

「ようやく戦線か、ずっと機内待機だから退屈したなぁ。」

 

サドワラのオペレーター.エレナ・ラング少尉から艦隊司令部からの出撃命令が伝えられた。

シーアンタレス各隊は二手に分かれ、それぞれの目標へ向かっていった。

 

「ミアン。」

 

「はいなんでしょう?」

 

「厄介な相手出てきたら私がやる!部隊の指揮任せたわよ!」

 

「またですか・・・・エスケスタ。」

 

戦場へ向かう最中、絵理はミアンに厄介な相手が出てきたら指揮を任せると言った。

ジト目になりながらミアンは了承した。

 

「ソリフーゲ小隊右翼展開!アラクニド小隊は左翼展開!」

 

「守勢とは言え、相手も消耗している。押し出せ!」

 

第29海兵隊と任務航空団の戦況は膠着状態に陥っていた。

直掩として残されていたティモシー率いるエデン軍派遣隊の参戦により任務航空団の混乱が収まり、第29海兵隊の前進が止まっていた。

 

「第29海兵隊・・・予想以上に強敵だな・・しかし・・・私に対しては力不足だな!」

 

VFー7ゴーストを駆るティモシーの活躍は凄まじかった。

既にリガード3個小隊.ヌージャデル・ガー1個小隊、クァドラン・ロー3機その他多数を戦闘不能にしていた。

 

「ひゅ〜凄まじい。流石は元アドクラス艦隊のエース。」

 

「ほう、シーアンタレス隊の副隊長いやエースのミリアの部下モーア・カリダムか!相変わらず生意気な口ぶりだな。」

 

戦場に到着した絵理は前線で活躍を見せるティモシーと絡んだ。

絵理からの通信にティモシーは元ミリアの部下のモーア・カリダムだと見抜いた。

ミリアの部下時代の絵理の活躍をティモシーは知っており、生意気な性格である事も上官に対しタメ口を使う事も知っていた。

 

「オールキルウィザードの異名がダメじゃないと言う事教えてくださいね。」

 

「モーア・カリダム、貴様ら相変わらず減らず口を言う。」

 

「文化と家族に出会えても性格は変わらないのよね。では突貫!」

 

 

ティモシーをからかった絵理はバトロイド形態に変形するとクァドラン部隊に目掛け突撃した。

絵理はミアンらスコーピオン隊各隊員に指示し、2個小隊に分け左右に展開させた。

 

「くぁ」

 

「ホフィン!」

 

「一瞬でやられた・・・実戦だと死んでた・・誰だぁ。」

 

絵理は各隊に牽制攻撃を仕掛け気を取られたホフィンや近くにいた海兵隊を撃墜した。

ティムロは副官のホフィンがやられ、シーアンタレス各機に狙いを定めたが攻撃する直前に絵理のクルセイダーが目の前に現れ睨見つけるように振り向いた。

 

「あいつか!!」

 

「もう1機のマグゼミグ・ラフ、直衛艦隊司令機クァドラン・キルカに並ぶ最強機体・・・だがぁ!」

 

「ラック消えた!」

 

「私の実力の前では無意味!」

 

絵理はティムロから攻撃を受ける前にガウォークに変形し急上昇からの宙返りし背後を取るとバトロイド形態に変形しガンポッドの銃口を突きつけた。

 

「ラック・デ・カルチャー(馬鹿な)」  

 

「エット・デ・ブラン・テルネスタ♪(大した敵ではない♪)」

 

零距離射撃で絵理はティムロを撃墜した。

撃たれたティムロは他の被弾機と共にリタイアゾーンへ退いていった。

撃墜して間もなく浮遊物を蹴ってバーニアを駆使し僅か数秒間でシグノーミュールと地球技術改修型のクァドラン・ローθを複数機撃墜した。

 

「何・・・・あの機体の動き・・・」

 

ラウラは目の前で大暴れをする独自のサソリマークを付けた絵理のVFー3000クルセイダーを見て驚いた。

頭部レーザーやガンポッドなどの多岐に渡る武装を駆使し複数のリガードやクァドラン・ローを難なく戦闘不能に追い込んでいた。

ログレン・ローやマグゼミグ・ラフなどの高性能機ですら簡単に戦闘不能にし、グラージの上に乗って零距離射撃で撃墜した。

 

「舐めるな!」

 

ラウラは模擬パルスレーザーを発射すると絵理は一瞬に消え、ガウォークで斜め横をまるで滑るかの進みながらガンポッドを放った。

絵理はラウラをただの海兵隊員だと思っており、確実に撃墜出来ると思っていた。

 

「くっ・・・・まだまだ!」

 

「やるわね・・・ただの海兵隊員と言うわけじゃないのか・・・クァドラン・ローしかも一般機中々の腕だ・・・面白い♪」

 

ラウラは絵理が消える直前、動きを追っていた。

追ってたと言ってもギリギリであり、一歩間違えば確実に負けていた。

予想以上の動きを見せるラウラに絵理は笑い、ガンポッドを投げつけた。

 

「くっあ・・・・武器を投げた!?」

 

「フェイクに引っ掛かったな!これならどうだ!」

 

武器を投げつけた絵理は後退翼下兵装ステーションから小型ガンポッドを2丁取り発砲した。

ラウラは近くの小惑星に降り立ち、踊るかのように絵理の攻撃を避けて見せた。

 

「踊るかのように避けるのか・・・・ますます興味深いな。」

 

「クァドラン・ローのような動き・・・あのVFと言う兵器に乗ってるパイロットは私と同じメルトランなの?」

 

今戦っているVFー3000に乗っているパイロットが絵理と知らないラウラはかつては同じクァドラン・ローパイロットだと見抜いた。

VFに乗っているとは言えクァドラン乗り特有の動きを見せれば簡単に分かる。

 

更に・・・・・

 

「パイロットはまさか・・・・モーア・カリダム・・・生きていたのか・・・・」

 

動きの癖を思い出したラウラはパイロットが絵理であると見抜いた。

確証はないが、絵理であればあの地獄のボドル基幹艦隊決戦を生き抜いていても不思議ではない。

 

「モーア、援護します!」

 

「ミアン・・・・必要ないわ。」

 

「?・・・・あっ・・・・なるほど・・・」

 

援護しようとするミアンに絵理は必要ないと言った。

絵理の言葉を聞いたミアンは首を傾げたが直ぐに言葉の意味を理解し納得してその場から離れた。

 

「モーアであればあの活躍は分かる・・・でも、ゼントラーディ軍の頃と違って強くなっている。」

 

ラウラは戸惑っていた。

ゼントラーディ軍時代と比べて強くなっている絵理の実力に・・・・・

今演習相手として戦っている絵理の実力はゼントラーディ軍時代と比べかなり上がっていた。

 

それに・・・

 

「私とモーアは腕前はそんなに変わらなかった。でも今のモーアは私よりも強くなっているし、私の知らない戦術を使っている。」

 

ラウラとほぼ同じ実力の差が無かった絵理が、今は自分より強くなっていて自分がまったく知らない戦術を使っている。

 

「これがマイクローンの兵器の力だと言うの?」

 

VFの実力を見たラウラはカルチャーショックを受けた。

何もかもがゼントラーディの常識とは桁違いだ。

カルチャーショックを受けたラウラの意識に変化が生じた。

 

出来るならマイクローンの兵器に乗り、マイクローンの戦術を取り入れたい。

先の大戦で同胞殺しの罪悪感で苦しんでいたラウラの心に光が灯る。

 

次回予告

突如、現れた星村絵理のバルキリーの動きはラウラを驚かせた!激しい戦闘の最中、ラウラの心の中にある望みが芽生え始める!

 

次回、マクロス外伝蒼い髪のメルトラン

 

【ヴァリアブル・インパクト】

 

新たな道,突き進め!ダイダロス!

 

前回

 

次回

 

 

 

【生年月日】

2002年11月3日

【所属】

新統合軍

【階級】

少尉

【人種】

韓国人

【性別】

女性

【出身】

大韓民国・高陽市

【髪色】

栗毛

【イメージ声優】

夏樹リオ 

【キャラクターデザイン】

鈴花べる

【解説】

転属希望者引き取りにメルトラスに訪れた月面クラビウス基地人事部に所属する新統合軍人の一人。

 

ラウラらメルトランの転属者に制服・携帯・銀行口座を配布した。

アポロ基地到着後はラウラ担当として身分証明証作成や戸籍の手続きを手伝った。

 

性格はクールで真面目であり、業務を淡々とこなす。

 

ゼントラーディ人に対し偏見を持っておらず、普通の人間として接している。

(デザイン いわしぃさん

【所属】

地球統合軍

新統合軍

【武装】

マウラー 11mm対空レーザー機関砲×2(J)
ハワード 55mm3連ガトリングガンポッド×1

【選択武装】

AMM-1 対空対地ミサイル×12

UUM-7 マイクロミサイルポッド×4

RMS-1 大型対艦反応弾

他多数

【乗員人数】

1名

【解説】

VF-1Jバルキリーに通信能力向上、エンジンを推力向上型FF-2001Dに換装した改修型。

中隊長機であるS型を補佐する副官機として扱われ、SDF-1マクロスと月面アポロ基地・月面クラビウス基地に少数が配備された。

 

VF-1XやVF-1Pにも同タイプの機体が作られている。

青・マスターアーカイブ出身

赤・版権キャラ

黒・オリキャラ

◆新統合軍

◆第29海兵隊

ラウラ・ベルタリア.曹長

メフィリア・ラリアス.軍曹

アンジェミラ・ランケス.軍曹

ラザル・ハズブロ.少佐

 

◆空母シナノ・ブラックパンサーズ中隊

吉野大樹.大尉

シュリ・ベルラン.少尉

ジェフリー・ワイルダー.少尉

リック・ニーヴン.少尉

ジャスティン・ボーグナイン.大佐

 

◆アンサーズ中隊

桐原茂人.予備役少佐

カゴメ・バッカニア.少尉(秘書)

 

◆ダンシング・スカル

マクシミリアン・ジーナス.大尉

ミリア・ファリーナ・ジーナス.中尉

 

◆月面クラビウス基地司令部

白川秀康.中将

メロディー・ギンヌメール中尉

秩父俊仁.大佐

在原業高.大佐

 

◆シーアンタレス

星村和也.大尉

星村絵理.中尉

ミアン・フローラン.少尉

 

◆その他

シャーネ・マクレーン.軍曹

西村陽一.曹長

 

◆民間人

デワントン・フィアロ.予備役大尉(桐原安奈)

 

◆反統合組織

◆反政府組織キュクロープス

ゲラム・ダルダントン.総統

 

◆その他

金正一.委員長/朝鮮再興軍

ウラジミール・マレンコフ中将/シベリア独立解放軍

 

 

2021年1月12日

 

ラウラが初めて可変機と初戦闘を行ってから数週間が過ぎ、年が明けた。

その後、可変機能を持つグラージと遭遇する事はなかった。

その間に海兵隊員としてきちんと任を全うしてるが、何処か心の中がぽっかり穴が空いたかのような感覚に陥った。

 

その頃、地球衛星軌道上では・・・

 

「オペレーション・ザ・フォー・ホースメン発動!」

 

「降下目標、ウラジオストク.エリアUー1」

 

「降下任務航空団、突入!」

 

「日本列島、朝鮮半島の航空部隊も呼応して目的地に向け出撃しました。」

 

新統合軍情報局がウラジオストクにて反統合勢力の朝鮮再興軍.シベリア独立解放軍が集結している情報を入手、新統合軍総司令部はオペレーション・ザ・フォー・ホースメンを発動し殲滅を計った。

 

結果は数時間で新統合軍の圧勝に終わり、金正一やウラジミール・マレンコフらが陸戦隊により拘束された。

 

【空母シナノ 吉野大樹執務室】

 

新統合軍の反統合勢力殲滅作戦の報は大樹にも伝わった。

当然の結果だろうとパソコン内の銀河ネットワークのニュースを閉じ、目の前にいる1人の女性兵士と対談を始めた。

 

「シュリ・ベルラン少尉、単刀直入で言うが私が転属するアンサーズ中隊の隊員にならないか?」

 

「大変申し訳ないのですけども、私の実力では吉野副隊長のお役に立つ事が出来ません。」

 

ゼントラーディ人で元海兵隊員だったシュリ・ベルラン少尉を勧誘するも、あっさり断られた。

腕前もよく文句ない人材だが、シュリ本人は乗り気ではなく断られた。

 

「どうしてもダメなのか?」

 

「後、クラビウスと言う環境お気に入りなので銀河転々とするのは嫌ですね。」 

 

「そうなのか」

 

そもそも実力が足りてない.お気に入りの環境から離れたくないと言っているシュリであったが、明らかに嫌そうな表情を浮かべていた。

もう1人の部下であるリック・ニーヴン少尉も同様な反応をしていた。

 

「ならば1年前、我が隊に配属される前いや訓練生になる前の同僚で目ぼしい人は居るか?」

 

「第29海兵隊に・・・ですか?」

 

「そうだ。まぁ聞くだけだがな。」

 

シュリは1年前は第29海兵隊に所属していた。

第29海兵隊つまりラウラの同僚であり、同じキヨラ機動戦隊出身の戦友だった。

一期後輩のシュリは戦後長らく海兵隊員としてクァドラン・ローに乗っていたが、地球文明への憧れからマイクローン化し訓練を経てブラックパンサーズ中隊クーガー小隊の一員になっている。

 

大樹はシュリの第29海兵隊員としての前歴を利用し目ぼしい人材がいないかを確認しようとした。

 

「今も海兵隊にいると思うんですが・・・」

 

「誰だ?」

 

「ラウラ・ベルタリア曹長、ゼントラーディ軍時代からの戦友なんですが・・・」

 

大樹からの問いに対しシュリはラウラを推薦した。

 

現在進行形でゲラムの駆るヴァリアブル・グラージに遭遇し人生観が一変しつつあるラウラだが、戦友の1人であるシュリから評価は高かった。

 

「ラウラは私の1期上の先輩でして・・・・」

 

ラウラは1998年にゼントラーディ合成クローンシステムにて製造され、直後にキヨラ機動戦隊に配属された所からシュリは話し始めた。

これまでのラウラの戦歴や戦術などを話せる限りの事をなんでも・・・

いろいろと話すシュリだが、大樹はある話に食いついた。

 

「ラウラはパイロットとしての腕でなく、分隊長でしたが指揮能力も優れています。」

 

「なるほど、どんな戦術を執ったのですか?」

 

「僚機にミサイルで牽制し自身は正面から斬り込んだり、時には自身が牽制し僚機でトドメを・・」

 

「なるほどな。」

 

ラウラはパイロットの腕でなく、指揮能力も優れておりメフォリアやアンジェミラを指揮していた。

 

能力が優れているラウラは切り込み隊長として正面から仕掛け、メフォリアとアンジェミラに支援特化させるなどきちんと役割分担をした戦術を取っていた。

 

これらを徹底させた事によりラウラ達は今日まで生き残る事が出来た。

 

大樹はもしマイクローン化したらスカウト出来ないかと期待していた。

 

「でも頭は固くゼントラーディ軍人としてのプライドが高いため、恐らくは・・・・」

 

現実は残酷だった。


ラウラをアンサーズ中隊にスカウトできるかどうかだが、新統合軍人とは言えゼントラーディ軍人としてのプライドが高いため不可能に近い。

シュリは申し訳なさそうな表情を浮かべながら大樹に正直に伝えた。

 

「ありがとう、ベルラン少尉。」

 

「お役に立てずにすいません。」

 

ラウラがもしマイクローン化したらスカウトしたかったが、無理であるならば仕方がない。

大樹は残念がりつつ、部屋から退出するシュリを見届けた後再度もう一度人材探しに取り組んだ。

 

【同時刻 太陽系外縁部冥王星】

 

 

 

ケアドウル・マグドミラ級メルトラスは僚艦のスヴァール・サラン級2隻と共に、4隻のピケット艦に護衛されたキルトラ・ケルエール級と合流していた。

 

「冥王星ケルベロス宇宙軍基地所属.補給艦ステュクス以下補給部隊、メルトラスの補給修復に来た。」

 

「ありがとう、ただちに補給作業してくれ丁度食料や水や弾薬が不足してきた所なんだ。」

 

「任せろ、たっぷり完璧に補給してやるさ少し待ってろ!」

 

キルトラ・ケルエール級以下5隻は冥王星衛星ケロベロス基地から来た補給部隊であり、弾薬や修理資材.食料や水などの補給物資をメルトラスに届けに来た。
 

「こちら第3ヌ―ジャデル・ガー部隊哨戒任務を開始します。」

 

「頼むぞ、補給作業中に敵に襲撃されてダメージを負うのは洒落になんねぇからな頼みますぜ。」

 

「へいへい分かりましたよ、そのかわり完璧にこなせよ。」

 

メルトラスはハッチから補給作業の警備ため、ヌージャデル・ガー部隊が出撃させた。

ヌージャデル・ガー隊は艦隊の周囲に展開し、警戒任務に就き艦隊周囲に補給部隊クァドラン・ノナ隊やクァドラン・ロー部隊が展開した。

 

「・・・・」

 

「ベルタリア曹長」

 

「あぁご苦労様。」

 

補給作業中のメルトラスの廊下で女性兵3人に敬礼したラウラは少し離れた場所でため息を吐いた。

 

「同胞との戦い・・・先の戦いで見た姿を変えるグラージ・・・はぁ」

 

あれ以来、ゲラムの駆るヴァリアブル・グラージと遭遇していない。

 

一ヶ月近く経っているが、特に何事もなく日々の勤務に務めていた。

可変する兵器と出会うことも無く、ひたすらはぐれゼントラーディと戦っていた。

 

「ラウラ大変よ!大変!」

 

メフォリアとアンジェミラが慌てた様子で駆け寄って来た。

ラウラはジト目で、振り返った。

 

「メフィリア、それにアンジェミラも一体どうしたの?はぐれゼントランか反統合勢力でもでたの?」

 

実は統合軍でトップの実力を誇るVF部隊と演習するらしいって、艦長が言ってたわ。」

 

「へぇ〜」

 

意味が分からなかった。

VFと言う単語が分からなかった。

メフォリアの言っている事が分からなかった。

 

トップの実力を誇る部隊なのは分かったが、VFと言うのが何なのか分からなかった。

 

「初とVF部隊との演習、なんかワクワクするわね」

 

「そう言えば、VFってなんだっけ?」

 

ワクワクするメフォリアに対しラウラはきょとんとVFなんなのかを疑問を述べた。

笑顔で話していたメフォリアは一瞬真顔になり、信じられないと言う表情を浮かべ、アンジェミラは飽きれたと言う感じで頭を抱えていた。

 

「えっ5ターム前に一緒に戦ったじゃない忘れたの?

 

「覚えてない〜」

 

「この前、うちの部隊にいたシュリがそれ目当てで転属したのに!?」

 

VFは10年前にボドル基幹艦隊決戦の時に共闘しており、つい最近なんかはシュリがVFに憧れを抱きマイクローン化し訓練生を経て大樹のいるブラックパンサーズ中隊に転属している。

 

いくら海兵隊とは言えVFは常識単語であり、知らない人はいない。

 

ラウラのマイクローン文化への関心のなさに2人は驚き飽きれた。

 

「恋すらしらずのラウラはゼントラーディ軍時代と変わらず。」

 

「今も昔も私はゼントラーディ軍だ!」

 

メフォリアは皮肉る事を言うとラウラは今もゼントラーディ軍人だとキリッと答えた。

ドヤ顔してラウラは言っているが、2人は更に飽きれた。

 

「今は新統合軍軍人でしょう」

 

アンジェミラは呆れた顔をしながら、ラウラに苦言を述べた。

今の自分達はゼントラーディ軍ではなく新統合軍である。

ゼントラーディ軍人の身分なんて先の大戦末期にとっくに捨てている。

 

「まぁいいわ、VFは可変戦闘機。ブリタイ司令率いるアドクラス艦隊や私達の所属していたラプラミズ艦隊、ミリアの部隊と交戦したマイクローンが運用する兵器よ」

 

何にも分かってないラウラに情報通のメフォリアは自信満々にVFの説明を始めた。

好奇心旺盛な性格であり、大戦後いろいろな知識を得ているメフォリアはオタク化した。

大戦中のアドクラス艦隊との戦闘の詳細やミリア隊との戦闘の記録の詳細など何でも知っている。

 

「マイクローンの?どんな形状を?」

 

「三段階に変形し、通常のファイター。バトルスーツみたいなバトロイド、手足のあるファイターのガウォークがあるわ」

 

「変形・・・・・マイクローンの考える事分からんわ」

 

豊富な知識に基づく説明はラウラに関心を持たせる事に成功し、質問するようになった。

どんな形状をしているかとラウラは質問をし、メフォリアはファイター・バトロイド・ガウォークの3段変形すると応えた。  

 

変形・・・以前見たグラージが使ってた変化だ。

 

地球人の考えている事が分からんとラウラは呟きながらも、心の中では地球人があのグラージを作ったのではないかと思った。

ゼントラーディ軍は新兵器は作らない、作るのは地球人だけだと・・・

 

ラウラの推測は当たっており、ゲラムの乗っていたヴァリアブル・グラージは惑星クラストラニアの反統合組織がニューナイル兵器開発工場にて開発された物だ。

 

マックスとミリア率いるダンシング・スカルにより開発施設は破壊されたが、設計データは分散されて保存しており全銀河にて製造され各地の反統合組織や闇商売人により運用されていた。

 

地球人の持つ技術と自分達ゼントラーディ人の技術が融合し新たな脅威となっている。

ラウラは地球人に畏怖の念を抱いた。

 

「で・・・・何故、今更演習を?5タームもやってないのに・・・・」

 

ラウラは10年以上、地球人の部隊と演習やってないどころか殆ど共に軍事行動した事が無かった自分達が何故今頃VF部隊と演習するのか疑問に思った。

何故、今になって自分達演習するのかは意味が分からない。

 

「人手不足なんじゃないのかしらね、あちらさんは私達と違って製造じゃないし。それにパイロットも少ないんだと」

 

「製造じゃない・・・・・」

 

「ずっと裏方中心にやってきた私達は後回しにされ、ようやく戦力が整ってきた今・・・ 演習だとさ」

 

先の大戦末期のゼントラーディ軍の総攻撃で人類の大半を失った事により人手不足に陥っていた。

新統合軍は大規模な軍拡を行なっていたが、それでも人手不足を補えず模擬戦はVF部隊や一部の海兵隊に優先されラウラ達が所持する第29海兵隊などの末端の部隊は後回しにされていた。

 

今回、ようやく余裕が出始め第29海兵隊に演習する機会がまわってきた。

 

「っで・・・・何処の部隊だ?」

 

「知ってるのはSVFー31ホークス、マイクローンの海兵部隊よ」

 

「相手も海兵なのか、中々面白そうだな」

 

「まぁその他部隊も参戦予定らしいわ。」

 

演習に参加する予定の部隊は海兵隊VF部隊の一つであるホークス中隊を始め地球圏各地から集められた精鋭部隊ばかりであった。

移民船団や植民惑星所属部隊は参加しておらず、地球や月面を始めとする太陽系防衛を担う部隊のみが参加を許されていた。

 

「でも負ける気がしないな、マイクローンの兵器如きに私は負ける気がしない」

 

噂じゃエースのミリアはそのマイクローンの兵器に負けてしまったらしいわよ」

 

「エースのミリアがマイクローンの兵器に負けた・・・ふっ笑える」

 

ラウラは変形するグラージにリベンジを果たすため器量を上げる努力をしており、太陽系各地のVF部隊に負ける気がしないと言えるほどの自信を持っていた。

アンジェミラがさらっとミリアがマイクローンの兵器に負けた事実にラウラは満足そうに笑った。

 

笑っているラウラだが、ミリアが負けた相手が天才エースマックスであり、自身の実力よりも圧倒的上だと言う事実はこの時まだ知らなかった。

 

「笑ってていいのかね?」

 

「なんで?エースのミリアを地に落とした機体だよ、マイクローン兵器に負けるミリアは惨め・・」

 

私が言いたいのはエースのミリアより技量が劣ってるのに、自分はそんな事言っていいのか・・・」

 

「それは・・・・ん・・・」

 

ラウラは今馬鹿にしているミリアより技量は劣っているので笑える話ではない。

ゼントラーディ軍時代目の敵にしてはいたが、ミリアに匹敵するほどの実力はなかった。

 

戦友に指摘されたラウラは気まずそうな表情を浮かべながらも何処か不満を抱いた。

 

「キヨラ隊長を強く慕っているラウラ・ベルタリア3級空士長、更に言うけど猿も木から落ちるだよ。」

 

「なんだそれ?」

 

「マイクローンの言葉で、簡単に言えば自信タップリなエースが油断して名も無き一般兵士に落とされる意味だよ」

 

「私がそれ?」

 

「まさにそれよ・・・・」

 

物知りであるメフィリアはラウラを猿も木から落ちると言う諺を使って皮肉った。

 

ラウラは猿という動物は当然知らないのでメフィリアに言葉の意味を聞くと、分かりやすく自信満々のエースが油断して名も無き兵士に撃墜されると答えられ顔を赤くした。

 

いくら油断しても名も無き兵士なんぞにやられんぞと

 

 

「まぁラウラも、VFにボロ負けしたら何か価値観変わるかもね〜」

 

「VFに乗りたくなって、転属希望しマイクローン化〜ありえるね〜」

 

「茶化すな、誰がマイクローンの兵器に乗りたくなってマイクローン化するか。私はクァドラン・ローでも十分にやれますから」

 

「強がっちゃって」

 

「強がってない!」 

 

ラウラがVFにボロ負けして性能に驚きマイクローン化し転属してVFパイロットになるのではとアンジェミラに茶化されたが即座に否定した。

 

まだまだクァドラン・ローは現役で戦えるし乗り換える必要はないと思っていた。

 

とは言え本音を言えばラウラは変形する兵器に乗ってはみたかった。

ヴァリアブル・グラージの柔軟な動きを見たり、見たことのない戦術に興味があった。

クァドラン・ローはまだまだ戦えるが、もしVFと言うのが予想以上の性能であればマイクローン化し隊を離れてパイロットに志願するのも悪くないと思っていた。

 

表沙汰で言えないのはゼントラーディ人が故のプライドからであり、本音を素直に言えない。

 

「まぁ実際にやってみて考えてみたらどうかしら?」

 

「実際にやってみて考える・・・・」

 

「実際にやらなくて、見下すのはよくないよ。今は昔みたいにあの考えが絶対とかないんだし。」

 

「ぬぅ・・・・・ 」

 

マイクローンいや地球人はそれが当たり前だってさ」

 

ゼントラーディ人のプライドと自身の本音の狭間で悩むラウラの姿を見てメフィリアは助言した。

 

実際にやってみて考えてみてはどうか?・・・と

 

物事には実際やってみないと分からない事が多い。

人々は根は保守的であり、新しい事に挑戦する事を躊躇うどころか拒否し見下してしまう。

 

  • 実際にやらなくて勝手に否定していいのか?
  • やらなくて見下してもいいのか?
  • 実際にやらなくて物事の価値を勝手に決めていいのか?

 

人類はまだ幼いが故に物事の価値をやる前に決めてしまいがちである。

その点は地球人もゼントラーディ人も変わらない。

 

メフィリアの助言を聞いたラウラは確かになと理解し、無意識に心境の変化が生じた。

 

「VFに・・・負けたミリアって生きてるのか?」

 

ラウラはメフィリアにVFに負けたミリアの生死について確認した。

ゼントラーディ人の常識的に負けたはを意味する。

 

負けたとなるとミリアは戦死したと言う事になる。

 

質問を聞いたメフィリアは呆れた顔をして言葉を発した。

 

「あのエースのミリアが死ぬはずないでしょ、キヨラ隊長のライバルだし。生きてるわよ、しかも今はVF・・・・ 可変戦闘機のパイロット」

 

「ミリアがVFのパイロット!?」

 

「噂じゃ特殊部隊やってるそうよ」

 

「ヤック・デ・カルチャー」

 

ミリアは生きており今もVFパイロットどころか特殊部隊の一員として全銀河規模で活躍している。

まさかの発言にラウラは思わずとても恐ろしいと思ってしまった。
 

(作画いわしぃさん

 

思い出せばミリアがマイクローンスパイになり、マイクローンの艦に潜入した事があった。

食事の席でミリアの悪口を言ってた時、ミリアの部下達と乱闘騒ぎを起こした事があった。

 

ミリアは生きてたな・・・今でも・・・

 

「とりあえず、VFの演習次第で」

 

「何が演習次第で?」

 

「何でもない!」

 

「まぁその演習で戦えばいつぞやのグラージに勝てるかもよ」

 

「うっさい」

 

VFと戦えば何か分かるかもしれない、これからの自分がどのように生きればいいのかと・・

 

ラウラはヴァリアブル・グラージと戦った時、衝撃が大きかったし価値観に変化が生じていた。

VFと戦えば人生を大きく変える切欠になると考えており、演習を楽しみにしていた。

 

ただこれは今までの自分の否定、戦友との別離を意味しておりメフィリアとアンジェミラに正直に話す事に躊躇いがあった。

 

 

【西暦2021年1月15日】

【新統合宇宙軍クラビウス基地白川秀康提督執務室】

 

この日、茂人は単身.基地司令部の白川提督の執務室を訪れていた。

最初は仕事の話とは関係なくお茶と菓子を食べながら趣味の話をして場を和ませていた。

 

「いよいよ、最終段階だな。桐原少佐」

 

「はい、何とか人員はほぼ確保しつつあります。」

 

ある程度趣味の話が落ち着くと本題に入った。

本題であるアンサーズ中隊の人員確保の話である。

 

茂人曰く人員確保の面はある程度スムーズに確保が出来ており、茂人・大樹体制である程度の小隊が編成するに至っている。

 

「人員不足もある中で、優秀な人材を集められた事は幸運でした。感謝します。」

 

「いや感謝するのはこっちさ、出切れば君の妻の桐原大尉も招集したかったが・・・」

 

「妻はだめですよ、それにただでさえ迷惑かけてるし。」

 

妻の招集の件を軽く断りつつ、人員確保が予想以上に進んだ事に茂人は感謝した。

白川提督の尽力もあってか、過半数の人材を確保する事に成功した。

 

ただ・・・・・

 

「吉野大尉、あのマーズウォーズ事件の英雄は元気か?」

「はい、原隊で人員確保してますがうまく行かないそうで・・・」

「まぁ人手不足だし、仕方がないな。」

 

大樹の方は自分の所属部隊から人材を集めているが、成功してはいない。

 

エリート街道を歩んでいる大樹だが、頭が堅いと言う弱点を抱えていた。

真面目な性格であるが故に堅物であり、他人とのコミュニケーションが弱かった。

 

なんせ闇の貴公子と言う異名が言われるほど、近寄りがたい雰囲気がある。

 

「順調とは言え残りの人材が揃うか心配だな。」

 

「大丈夫だ、部隊に適切な隊員候補がいたら君に伝えておく」

 

いくら人員確保が順調とは言え残りの人材が全員確保できるかは不安である。

白川提督は適切な隊員候補見つけたら茂人に伝えるというが、先の大戦が原因の人材不足である今の御時世だからこそ信用ならない。

 

茂人は信用してないと言う表情を浮かべると、白川提督はニヤッと笑って言葉を発した。

 

「保険として君を機種転換センターの教官として出向する。」

 

「はぁ?」

 

「カゴメ・バッカニア少尉を副官として派遣する。オペレート役は必要だからな」

「・・・・・」

 

機種転換センターの教官としてカゴメを副官に出向させると・・・・

突然の命令に茂人は呆れるも、何を言っても無駄だと考え渋々承諾した。 

 

承諾しなければ妻のデワントンが代りに招集され、子供たちが寂しい思いをしてしまう・・

白川提督なら絶対にやりかねない。

家族の危機を察した茂人は自ら人柱となり、矛先を向かないようにした。

 

「家族想いだな、桐原予備役少佐は・・・・」

「そうなのですか?噂では機種転換拒否して。左遷の末・・・予備役編入されたと噂ですが」

「噂じゃないよ、あの第1次星間大戦を生き抜き出世コースを歩むはずが・・・VFー1に拘り機種転換拒否した。まぁバカだよ」

「なるほど、馬鹿ですか・・・」

 

話し合いが終わりメロディーと2人きりになると白川提督は茂人について語った。

 

自身が拒否し妻のデワントンが招集されるのを防ぐ為に積極的に命令を承諾する。

これほどまでに使い勝手のいい人材はいない。

 

聞いていたメロディーは納得してない表情を浮かべながらも茂人の過去の機種転換拒否とそれが原因になって左遷された噂について述べた。

 

フフと笑った白川提督は噂を事実だと肯定した上で茂人をバカだと評した。

 

バカだと評したのは、茂人が正直であり与えられた任務は忠実にこなす反面、常識では考えられない発想で行動に移し予想もしない実績を残しているから。

 

「今回、桐原予備役少佐を招集したのは彼の腕を惜しんだからだ。このまま腐らせるのは勿体ない。だからアンサーズ中隊の隊長として抜擢したんだ。」

 

「なるほど」

 

「まぁバカだが、いい戦果を残してくれるだろう。あの地獄を生き抜いてきた猛者だからな」

 

予期せぬ実績を生み出すバカをスーパー銭湯の店主のままにするのは勿体ない。

せめてビンカーキン少佐との計画の橋頭堡となる1年間はきっちり働いてもらわねば・・・

 

「まぁどんな結果になるにせよ、いい結果は残してもらいたいものだな。」

 

「そのとおりですね。」

 

我々のためにな。」

 

この1年間が勝負・・・

 

茂人が精鋭揃いのアンサーズ中隊を率いてどんな実績を残せるのか白川提督は楽しみにしていた。

どんな結果にせよビンカーキン少佐率いる一派とスポンサーである新星インダストリー社が進めるVFー1の真の後継である次期主力可変戦闘機計画を前進させる結果であれば満足である。

 

白川提督は茂人を使い次期主力可変戦闘機計画において実績を積み自派閥拡大を目論んでいた。

 

全ては来たるべき政界進出そして大統領選の為に・・・

 

【西暦2021年1月16日.クラビウス基地第8格納庫】

 

クラビウス基地外縁部にある第8格納庫にVFー4ライトニングⅢが飛来した。

左翼が大きく抉られていたが、ガウォーク・ファイター形態に変形した事もあり墜落せずホバリングで第8格納庫まで到達した。

 

「シナノに帰還せず直で来いか・・」

 

パイロットは大樹であった。

 

クーガー小隊を率いてリケトスクレーター哨戒任務中にステルス塗装のSVー52オリョール1個小隊の襲撃を受けた。

激しい格闘戦(ドックファイト)の末に実施したサッチウィーブ戦術の際に攻撃役である大樹のVFー4の左翼とSvー52のコックピットがぶつかる空中接触した。

 

Svー52と接触撃墜後、直ぐ様ガウォーク・ファイター形態に変形し事無きを得たが残りの2機が逃亡すると言う失態を犯してしまった。

 

そのままシナノ帰還を目指していたが、茂人からの呼び出しでシュリとリックの2人と離れ指定された第8格納庫に向かった。

 

「うひぃ派手にやらかしたなぁ。」

 

「あんたは?」

 

「自分は第8整備隊.西村陽一曹長であります。」

 

「俺はブラックパンサーズ中隊.副隊長の吉野大樹大尉だ!よろしく頼むぞ曹長。」

 

大樹はVFー4のコックピットから降りるとメカニックマン達がやってきた。

整備担当の西村曹長などのメカニック達は大きく抉れた左翼を見て驚きつつも作業に取り掛かった。

 

「翌日までシナノに帰れない?どう言う事なんだ西村曹長?」

 

「桐原少佐の命令で一緒に飲むから帰るなら明日にしろだそうです。しかも自宅に泊まらすと・・」

 

「マジかよ。」

 

「ついでに言うならばシナノには連絡済みで報告書や副隊長の業務とかは代行者いるのでやらなくていいらしいです。」

 

呼び出しは今日一日で終わるかと思っていたが、茂人は一緒に飲みたいと言う理由で翌日にシナノに帰還するようにと言われ大樹は唖然とした。

帰ったら報告書とか副隊長としての業務とかやらんといけんのにと頭抱えたが、シナノに連絡済みで報告書や副隊長の業務は隊長のクン・ドユン少佐等々が代りにやるので必要ないと西村曹長は言った。

 

「まっお言葉に甘えますか」

 

業務負担が減るし、臨時休暇もらえるようなもんだと解釈し大樹は今この現状を受け入れた。

 

【月面クラビウスシティー.スーパー銭湯滝の華内.桐原邸】

大樹はいざって時に常備していた私服に着替え茂人と合流し車に乗って基地を出た後、近隣市街地にある桐原邸に到着した。

茂人の経営するスーパー銭湯滝の華の裏手にあり、ごく普通の日本による一軒家であった。

 

「「「乾杯」」」

 

「吉野大尉、お疲れ様でした。」

 

「これはどうも・・・まさか宅飲みとは・・」

 

「娘達が泊まりだからデワと一緒に飲み会をってね。」

 

家に到着して早々、茂人の妻デワントンが食事と酒を用意して待っていた。

荷物を置いてそれぞれの席に座ると乾杯し、ビールを飲みながら談笑した。

 

茂人とデワントンの娘達は同じ市街地に住む親戚の家に遊びに泊まり込んでおり、ゴールデンタイムで宅飲み会が開催できた。

 

「吉野・・部下をスカウトして失敗して悩んでいるそうだがそんなに気にするなよ。」

 

「しかし、人手不足だからこそ俺がスカ・・・」

 

「その辺は白川提督がきっちりやってくれる。吉野は今いる部隊での業務に専念し後任に引き継ぎしておけ。」

 

ブラックパンサーズ中隊でスカウト活動していた大樹に茂人はあまり気にするなと言っておいた。

人材確保は白川提督が強いバックアップがあり、人員はある程度確保できている。

 

それに・・・・

 

「一応、部隊正式配備での間.機種転換センターに教官として出向し人材を見つけてくる。」

 

「少佐お一人で?」

 

「カゴメ・バッカニア少尉と言う方も副官で行くそうよ。まぁ茂人が浮気しない人だから安心だけど。」 

 

「はぁ」

 

機種転換センターに教官としてカゴメと共に出向し訓練生の中からいい人材を発掘すればいい。

 

訓練生とは言え元は別機種に乗ってた兵士であり、エースパイロットの腕前を持つ者もいる。

VFの操縦技術と元々優れたパイロットの素質を合わせれば求めている人材が見つかる。

 

話を聞いた大樹も茂人とカゴメが教官として機種転換センターに行けば部隊の隊員として適したいい人材が見つかる可能性が高まると期待した。

とは言え男女2人なのでデワントンがどう思うのか不安に思ったが、胸を張って浮気するような人じゃないと言ってるので杞憂に終わった。

 

「所で少佐・・・」

 

「ん?なんだ?」

 

「部下のシュリ・ベルランからなんですがもし機種転換したらいい人材がいるそうです。」

 

「誰だ?」

 

「ラウラ・ベルタリアと言うんですけども。」

 

大樹はビールを飲みながら茂人にラウラの事を報告した。

 

第29海兵隊に今もなお所属しはぐれゼントラーディとの戦闘に明け暮れているラウラを本来報告しても意味がないのだが、教官として出向する茂人に今後を見据えて話しておかねばと考えた。

 

「機種転換したらの話だろ?それに海兵隊、意味ないじゃないか・・・」

 

「そうですけども、念には念を・・」

 

「念には念をねぇ、入る確率はないだろ。」

 

大樹から話を聞いた茂人は少し声を荒らげながら叱った。

いくら報告したからってラウラが機種転換し訓練過程を終えて卒業し部隊に配属される訳では無い。

 

これからもずっと海兵隊員として戦っていくかもしれないし、マイクローン化し転属しても必ずクラビウスに来るわけでもない。

 

「ラウラ?ラウラ・ベルタリアか・・・生きてたんだ・・・」

 

「大尉知ってるのですか?」

 

「知ってるも何もよく知ってるわ。」

 

生春巻きを食べながら話を聞いていたデワントンがラウラと聞いてぴょこんと割り込んだ。 

デワントンは元ミリアの副官であり、ラウラの事を知っててもおかしくはない。

 

「ラウラ・ベルタリア3級空士長、キヨラ・ディーヴァの機動戦隊の隊員でよくうちらに突っかかる動物で言えば猫みたいな感じな娘よ。」

 

「猫みたいな娘?」 

 

「ミリア1級空士長の事を一方的に宿敵視し問題起こしてたわ。乱闘騒ぎ起こした事あるし。」

 

デワントンはゼントラーディ軍時代のラウラの事を話した。

ミリアに対し宿敵視し問題を起こすのは日常茶飯事で、時には戦友と共に乱闘騒ぎを起こすなど大樹や茂人は想像もしてなかったのか絶句した。

 

「う~む、うちの部隊にもし加えるならば考えものだな。」

 

妻デワントンが話したラウラの詳細を聞いた茂人はもしVFパイロットになり部隊隊員の候補にするかは消極的な態度を取った。

 

「教官になるんだから教えたら軍人として地球の人間として・・・・」

 

「そうだな。」

 

ラウラは戦争しか知らず戦闘以外の楽しみを知らない典型的なゼントラーディ人だ。

機種転換センターの教官として勤務し、ラウラが候補生としてやってきたら1から10丁寧に軍人としての礼儀や地球人の振る舞いを教えればいいとデワントンは茂人に提案すると深く考え込む。

 

「少佐、バッカニア少尉が秘書官としているならば問題ないでしょう。バッカニア少尉にベルタリアを指導させる事を提案します。」

 

「バッカニア少尉?」

 

「同じ女性であればもしかしたら打ち解け心開き最低限の礼儀や常識が身につくのではないでしょうか?」  

 

大樹は茂人の秘書官として出向するカゴメに着目し、ラウラと接すれば心を開き礼儀や常識が身につくのではと言う事で指導させるように提案した。

 

「いいかもしれないな。」

 

「相性合うかどうか分からないけど、いいかも。」

 

大樹の提案した案は茂人・デワントン夫妻が気に入り無事採用された。

 

だがこの案はあくまでもラウラがマイクローン化し転属しクラビウス基地の機種転換センターに訓練生として入ってきた時に機能する話で、それまでに人材が見つかれば廃案になる。

 

一種のギャンブルみたいな賭けだが、保険として

 

 

【同時刻・新統合宇宙軍総司令本部月面アポロ基地】

 

新統合宇宙軍総司令部が置かれている月の裏側アポロ基地から1隻の軍艦が出港した。

その名は新統合軍特務部隊シーアンタレス所属.アルゲニクス級特務艦サドワラである。

 

僚艦であるオーベルト級コル・スコルピイとカントーの後ろを追尾し目的地に向けて出発した。

 

「新統合宇宙軍参謀本部より命令、第4独立戦隊は冥王星にて実施される演習に参加せよ!宇宙軍総司令官ブリタイ・クリダニク.参謀本部長真里谷信保.以上。」

 

「「ハッ」」

 

シーアンタレス隊は宇宙軍総司令部から冥王星にて実施される演習に参加するように命じられた。

特務部隊らしい任務ではないが、腕慣らしになるので皆やる気満々だった。

 

「絵理、相手はクァドラン・ロー有するから油断しないでね。」

 

「分かってるわ・・・クァドラン・ローはかつての愛機だったから尚更。」

 

ベレー帽を被った若い士官が絵理と呼んだ隣にいた同じくベレー帽を被った緑のショートヘアをした女性士官に演習にクァドラン・ローがいるから油断しないよう忠告した。

落ち着いた表情を浮かべクァドラン・ローがかつての愛機だから分かっていると言った。

 

「星村和也大尉、星村絵理中尉・・・アポロ基地からの直掩機帰投します。」

 

「御苦労と伝えてくれ。」

 

「了解。」 

 

若い士官の名は星村和也、シーアンタレス隊の隊長である新統合軍大尉である。

隣りにいる緑色のショートヘアの女性は星村絵理、シーアンタレス隊の副隊長を務める新統合軍中尉で和也の妻である。

 

2人は艦橋の窓から艦隊から離れるルナガードのVFー3メデューサを敬礼しながら見送った。

 

「クァドラン・ローかぁ元ミリア機動戦隊の一人として腕がなるわね。」

 

絵理は日系人どころか地球人ではなかった。

結婚する前はモーア・カリダムと言う名前で、元ゼントラーディ軍ミリア機動戦隊に所属していたゼントラーディ軍人であった。

 

元気っ子で戦闘好きであり上官であるミリアに対してタメ口で話すなど問題児であるが、腕前はミリア機動戦隊次点という高い実力を誇っていた。

 

「星村中尉、お疲れ様です。」

 

「御苦労、私の愛機の整備はどう?」

 

「ばっちりです。スタークルセイダーも最新鋭機に負けないほどの性能発揮できますよ。」

 

戦後はマイクローン化しVFパイロットとなりオセアニア方面に配属、その後一条輝らと共に月面アポロ基地に出向しVFーXー4のテストパイロットの一人になった。

 

そこで和也と出会いそのままアポロ基地に転属し、お付き合いをし結婚に至った。

 

「星村中尉、また機体見に来たんですか?」

 

「いけない?愛機見に来てはダメ?」

 

「いえ折角の演習までの休みなので星村大尉・・」

 

「ミアン・・・・和也は今仮眠中、それに好きでやってるから。」

 

結婚後、5人の娘を授かったり玉の輿に乗るなど順風満帆に生活を送っており夫婦関係も良好だ。

軍務に携わる中でゼントラーディ軍時代では味わえなかった事を数多く体験するなど充実していた。

 

絵理が副隊長として頑張ったお陰で業務が進んだり、厳しい戦場を生き延び成果をあげるなど和也から見れば幸運の女神であり何より一緒にいてくれるだけでも楽しい存在であった。

 

仕事や家庭などそれぞれの欠点を補い、幾度も厳しい困難を共に切り抜けてきたので、戦友でもありライバルでありそして大事な家族と強い絆で結ばれていた。  

 

「中尉、ロイ・フォッカー勲章また受章したんですね。」

 

「まぁね、殺した相手の名を冠した勲章を何度も貰うのは正直心苦しいけどね。」

 

幸せな生活を送る絵理であったが、第一次星間大戦の戦闘でロイ・フォッカーに致命傷を与え死に追いやった。

 

死に追いやった絵理だったが、戦後ロイ・フォッカー勲章が出来ると何度も受章した。

 

その度に複雑な心境になるし、心苦しかった。

 

「戦争だから仕方がないけど、殺した相手の名を冠した勲章もらっても虚しいだけなんだけどね。」

 

「そんなまた・・・・軍上層部もそれだけ中尉の事を高く評価してくれてるんですよ。」

 

「そうかな〜」

 

新統合軍上層部は日々の絵理の活躍を和也と共に評価しており、チタニウム勲章とロイ・フォッカー勲章を何度も授けていた。

受章する度に絵理は心苦しい思いに駆られていた。

 

「演習・・・・どんな奴がいるんだろうね?」

 

とは言え持ち前の明るさや負けず嫌いな性格もあってかポジティブ思考であり、すぐ気持ちを切り替える事が出来るのでいつまでも囚われる事はなかった。

 

絵理は自分の愛機であるVFー3000クルセイダーを見て演習で現れるであろう第29海兵隊に所属する強敵を楽しみにしていた。

 

その強敵の中にかつてゼントラーディ軍時代に乱闘騒ぎを起こした事のあるラウラがいるとは、この時思いもしなかった。

 

次回予告

 

ついに始まる第29海兵隊とVF部隊による合同演習。双方はお互いの実力を出し切り模擬戦を行う中、ラウラはVFの実力に強い衝撃を受ける。

 

次回 マクロス外伝青い髪のメルトラン

 

アンタレス・ザ・タイム

 

戦火の宇宙を駆け抜けろ!クルセイダー!

 

前回

 

次回

 

 

 

 

メカニックデザイナー

ロボノヒトさん

 

◆新統合軍警務飛行隊 

【組織】

新統合軍警務隊

【上部組織】

国防総省

【解説】

新統合軍警務隊が所持する飛行隊。

 

組織内の秩序維持、ゼントラーディ人捕虜の対応などを主任務にしている。

戦闘支援兵科にありながら機体は最新鋭機を与えられている。

 

警備飛行隊の機体と同じカラーリングであり、右肩にMPの文字が描かれている。

 

◆新統合軍警飛行隊

【組織】

新統合軍警備隊

【上部組織】

国防総省

【解説】

新統合軍警備隊が所持する飛行隊。 

 

主な任務としては商船の護衛や領宙警戒である。

警務隊と同じカラーリングであり、MPの文字が描かれていない。

【初放送】

1982年10月3日(日曜日)

【原作】

 スタジオぬえ

アートランド(原作協力)

【シリーズディレクター】

石黒昇

【シリーズ構成】

松崎健一

【脚本】

石黒昇

富田祐弘

松崎健一

大野木寛

星山博之

河森正治

【キャラクターデザイ】

 美樹本晴彦

【メカニックデザイン】

宮武一貴

河森正治

【音楽】

羽田健太郎

【製作】

毎日放送、タツノコプロ、アニメフレンド

【放送局】

MBS・TBS系列

【解説】

超時空シリーズ第1作目として製作されたリアルロボットアニメである。

 

3年前に放送された機動戦士ガンダムが人型機動兵器MSに対し、マクロスは3段変形が可能な可変戦闘機とデストロイドと呼ばれる陸戦兵器が登場している。

 

本作の特徴は異星人とのファーストコンタクトや異星人との戦争の最中で1人の少女でヒロインのリン・ミンメイがアイドルになり戦争の行方を左右するキーマンになる点の他、主人公一条輝と上官でヒロインの早瀬未沙そしてリン・ミンメイが三角関係のドラマが展開される。

 

歌 三角関係 可変戦闘機の要素は後のシリーズに継承され時代の変遷に沿う形で変化している。

 

1話ー27話までは異星人ゼントラーディ軍との戦争を描く第一次星間大戦

 

28話ー最終回までは戦後を描いており、戦後編で描かれた移民船団等の描写は後のマクロスシリーズの土台として確約されていきました。

 

放送から2年後、エピソードを再構成した劇場版超時空要塞マクロス愛・おぼえていますかが公開されました。

 

 

 

 

 

【交戦時期】

2009年2月22日

【交戦勢力】

地球統合軍/ゼントラーディ軍

【指揮官】

地球統合軍

ブルーノ・J・グローバル准将(SDFー1マクロス艦長)

デニス・A・ マイストロフ大佐(SDFー1マクロス副官)

ジョン・モートン大佐(ダイダロス艦長)

リッチモンド・スミス大佐(プロメテウス艦長)✝

池内光一大佐(南アタリア島防衛隊司令官)✝

 

ゼントラーディ軍

ブリタイ・クリダニク(第67分岐艦隊)

エキセドル・フォルモ(第67分岐艦隊記録参謀)

ドグマ・ダルニー(空戦隊指揮官)

ザルド・ガルトサダ(地上作戦指揮官)

 

【解説】

前歴

西暦1999年に落下したASSー1は地球統合政府の樹立後、着々と修理改修され2008年にSDFー1マクロスとして完成するに至った。

2008年12月24日には気化弾頭を装備した反統合同盟残党の襲撃を受けるも何とか退け、翌年の2月22日に進宙式を迎える見込みとなった。

 

マクロス進宙式

西暦2009年2月22日、無事進宙式を迎える事が出来た。

マクロス改修推進派筆頭のハイマン・グエント下院議員(自由共和党)などの超党派議員やジャミス・メリンなどの大物著名人が来訪した。

地球統合軍も各地から飛行隊がゲストとして招かれており、臨時の航空ショーも行われていた。

 

なおプロメテウス飛行隊司令官ロイ・フォッカー少佐の演説中に後輩の一条輝が飛行するファンレーサーがアクロバット飛行中のエンジェルバーズの列に乱入する珍事に見舞われていた。

 

ゼントラーディ軍来訪と開戦

ゼントラーディ軍第67分岐艦隊は月軌道上にデフォールドした。

第67分岐艦隊の任務は落下したマクロスの追跡であり、調査のためピケット艦2隻を派遣した。

 

地球統合軍は警戒態勢に入るも突如、SDFー1マクロスの主砲が突然暴走し動き出し発砲し接近中ピケット艦を撃沈した。

 

第67分岐艦隊司令官ブリタイ・クリダニクは監察軍の攻撃と誤認し総攻撃を開始、地球に向かっていたアームド級宇宙空母ハーラン・J・ニーヴンとインヴィンシブル以下護衛艦隊と遭遇し被害を受けながらも突破した。

 

この時、アームド級が発射した反応兵器を見てブリタイは監察軍ではないと察し幻の兵器の所持や修理する技術を見て衝撃を覚え第1次星間大戦中の作戦計画に大きな影響を与えた。

 

◆南アタリア島防衛戦

ドグマ・ダルニー率いる空戦隊が先陣を切りザルド・ガルトサダ率いる降下部隊がアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の迎撃を受けながらも南アタリア島沖に降下し、海中から降下した。

上陸地点を待ち構えていた南アタリア島防衛隊のM1エイブラムスやトーチカ群を突破し南アタリア基地や市街地に出てマクロスを襲撃した。

事態を重くみたブルーノ・J・グローバル准将はマクロスを地上から発進し衛星軌道上で交戦している宇宙軍艦隊と合流しようとするも重力制御システムが故障し落下、地球製の推進機で再度上昇し合流目指すも艦隊は壊滅していた。

 

フォールド

南アタリア島のシェルターに避難した避難民と来賓の安全から月の裏側にある地球統合宇宙軍総司令部アポロ基地周辺にフォールドするため、再度地球に降下し人類史上初のフォールド航行に突入した。

 

結果は南アタリア島周辺ごと消滅し第67分岐艦隊は撤退した。

 

地球統合軍総司令部と国防総省は報道管制を敷き南アタリア島は反統合同盟ゲリラの攻撃を受け住民もろとも全滅と言う偽りの発表した。

 

フォールドしたマクロスは太陽系外縁部の冥王星に飛ばされ、ゼントラーディ軍の攻撃を受けつつプロメテウスとダイダロスなどの洋上艦艇や南アタリア島の生存者を回収し地球への帰還を果たした。

 

戦後

南アタリア島は冥王星宙域に放置されたままであり定期的な立ち入り検査以外立ち入り禁止である

 

戦死した軍人や住民の遺体が宇宙の環境により死亡当時のままの姿を守っており、遺族は回収し埋葬を要望するも宇宙の環境に晒された遺体を回収した結果のリスクを考慮し許可されていない。

 

南アタリア島の管理は冥王星防衛隊司令部が担っている

(デザイン ロボノヒト

(パンサーズ中隊のVFー4ライトニングⅢ)

【創設】

2010年1月25日

【所属】

新統合軍

【本拠地】

月面クラビウス基地

【母艦】

アームド級宇宙空母シナノ

【隊長】

クン・ドユン少佐

【副隊長】

吉野大樹大尉

【隊員名簿(2020年)】

◆隊長

クン・ドユン少佐

クーガー小隊

◆隊長

吉野大樹大尉(副隊長兼)

◆隊員

シュリ・ベルラン少尉

リック・ニーヴン少尉

 

サーベル小隊

◆隊長

ザベル・ハンケス中尉

◆隊員

サイ・メイリン少尉

ジョニー・キタモト少尉

 

ピューマ小隊

◆隊長

アンソニー・フォード中尉

◆隊員

渡辺洋一少尉

リチャード・ブラウズ少尉

 

ダンパー小隊

◆隊長

ジョン・ドライバー中尉

◆隊員

ジェフリー・ワイルダー少尉

デイジー・キム少尉

 

サーバル小隊

◆隊長

エルリラ・ファルカ中尉

◆隊員

エル・ニョンゴ少尉

ライル・グリーソン少尉

 

【解説】

地球統合軍防衛計画に基づいて創設された飛行隊。

元は航空自衛隊第8飛行隊で、VFー1が配備された事で発展解消しアポロ基地に配属された。

 

第1次星間大戦後はクラビウス基地所属空母シナノを母艦とする飛行隊として活躍した。

 

部隊由来は黒豹で、小隊は猫科の動物が由来になっている。

 

創設以来VFー1を使っていたが、2019年末にVFー4に機種変更している。

 

精鋭揃いであり、各隊員は腕利きである。