ダグ・レモフは思考には二つあり、常にスイッチが入っていて状況に対して身体が反応できる「システム1」と状況を見て判断して行動を起こしたり、問題を解決する「システム2」があると言っている。
一般的にシステム2には時間がかかり、必然的に、試合中のほとんどの思考はシステム1を使うが、ラグビーのゲームで、「ボールをどう動かすのか」や「人の配置を」動かしてポッドをどう作るのか」といった戦術的な判断はシステム2を使う。
私は、システム1の思考を「状況判断」、システム2の思考を「意思決定」と読んで区別している。
システム2の思考は「意思決定者」と呼ばれる数人の選手(ハーフ、スタンド、センターorフルバック)には必要な能力ではあるが、多くの人がゲーム中多くの場面で必要とするのはシステム1の思考である。
ゲームを行う上で必要なシステム1の思考であるが、それを構築していく上でシステム2の思考が必要となる。
つまり、新しいスキルを長期記憶にエンコードするためには、適切な方法で意識的に反復することが必要となる。
では、「意思決定」を行うシステム2の思考そのものを鍛えるためにどうすれば良いかと言うと、意思決定するための基準を理解し、その基準を使って意思決定を繰り返せるような「ルールを修正したゲーム」を行い、指導者のコーチングの元、適切な意思決定繰り返す必要がある。
「システム1」を使って状況判断できるように「システム2」の思考を使ってトレーニングするのは勿論ではあるが、「システム2」自体を鍛える方論も体系化していく。