サッカーとラグビーの比較 | 井上正幸のブログ

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サッカーとラグビーの性質の違いの前提としまして、サッカーは「局面を切り替える」ことができるスポーツであるのに対して、ラグビーは「局面を積み重ねる」スポーツである。


サッカーは前進するためにパスを使うが、ラグビーはボールを前にパスするのを禁じられているので、パスという行為は前進を生み出す間接的な行為となる。


勿論、サッカーでもパスで相手を誘導してスペースを作って前進のパスは使うことはあり、サッカーの「オーバーロードとアイソレーション」なんかは、ラグビーの崩し方と似ているが、サッカーとラグビーでは根本的に使えるスペースが違う。


サッカーは70m[×]100mのスペースをパスで使えるためにDFは前後左右にポジショニングするが、ラグビーはキックを蹴られるために後方に2人下がるが、他の13人は横一列に並ぶのでラグビーはパスでDFを誘導するには、使えるスペースが狭すぎる。


そのため、ラグビーはパスでスペースを作るのではなく、ブレイクダウンと呼ばれる密集を意図的に積み重ねることでスペースを作る。


ラグビーはブレイクダウンができると、オフサイドラインが発生するので、DFはその都度ポジショニングをし直さなければならない。


ATは意図的にブレイクダウンを作り、速くボールをリサイクルすることでDFがポジショニングする前にボールを出して、DFを間に合わせないようにしたり、後追いにしてDFを誘導する。


サッカーのレーンの考え方はラグビーにも最近出てきてて、ラグビーではポッドと言うが、ハーフレーンに移動して位置的有利を使ったり、端のレーンの選手が逆側のハーフスペースへ移動して、位置的、数的有利を作っていく。


また、ラグビーは簡単に前に進めないので、サッカーよりビルドアップの概念が区別されていて、自陣ゴール前に近くなればなるほど、ロングキックでテリトリーを進めることを優先し、敵陣でポゼッションを高めていく。