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∞心機一転まさるの日記∞

規律の厳しい役所を退職し自然豊かな山間の温泉町に道場を造りスタートしました。しかし元職からメールが一通!堅い仕事の師範役に逆戻り!

日本語を喋るらしく(駅までUターンですか?)と聞こえ、運転手と揉めて居るような声が聞こえた。
 榊原さんが、今度は後ずさりながら工事中の自宅裏からさっきの場所に戻る。祖父に
「車を貸してくれませんすか?」と言うと、「良いよっ」とクラウンのキーをポーンとトスしてきた。

 

榊原さんが、造り掛けの門のコンクリートの陰からタクシーが去った方をしばらく見て居ると、タクシーがUターンしたらしく戻って来た。

身を低くしてタクシーはそのまま走り去る。

 

榊原さんは、めおと道場の駐車場のクラウンに飛び乗ると、タクシーを追いかける。交通量が少ないので、タクシーは視野に入らないが、まっすぐな国道にはそれらしい車が見え無いので鳴子の方に行ったようだ。 国道から温泉街に左折すると、タクシーがホテルの前で止まっている。

 

榊原さんも用事がある振りをしてホテルの駐車場に入り、窓を少し開けて話声を聞く。

このホテルに泊まりたい様で(運転手が付き添って行った様だ)とにかく運転手が出てくるまで辛抱強く待つ。

 

15分くらいで運転手がブツブツ言いながら、タクシーに乗り込み温泉街の方に走り出す。榊原さんも何食わぬ顔で、駐車場から静かに走り出す。
タクシーは駅前のロータリーに入るらしく信号待ちして居る。

駅構内に一般車の駐車場が少ないので心配しながら後をついて行くと、3台分くらい空いて居た。タクシーも3台が客待ち状態だ。

 

榊原さんが車を降りて、最後尾の車に近寄り挨拶し「お話を聞かせてくれませんか?」と話しかける。

 情報聴取は手馴れたものだ、50代の気さくな運転手で
「はいお客さんも居ないので良いですよ」と助手席を指して「乗って下さい」と言う。

榊原さんが作業服から、千円札二枚出して「お茶代です」とスッと渡す。
「何ですか?」と不思議な顔をした。

榊原さんは、詳しくは話さず
「建築現場でタクシーが止まって写真を撮って居る」と友人から連絡が有り、お宅の会社だったので駅に行こうとしたら、ホテルの前で揉めて居たの、後からついて来たことを話す。

「そうなんですよ、最初「めおと道場」へと片言の日本語で言いながら、先に料金を聞くので変な客だと思いましたよ。めおと道場じゃなくて隣の建築中の家に興味があるらしく写真を撮って居ました「ここの名前は誰だ」と聞きますがタクシー会社では分からないと言うと「Uターンして駅に行け」と高飛車で命令するので「降りろっ」と怒鳴ると、チップの積りか2千円出して「ごめんなさい」と謝った。
少し先の開けた場所でUターンして来ました、あそこのホテルの前で止まれと言い出すので「ここは駅じゃないよ」と言うと「ここに泊まるからリザーブしろ」と言い出して、付いて行って話し合い、やっと解放されホッとしましたよ」パスポートやの提出でゴタゴタしたようだ。

 

やっぱりそうか、中国に留学中に揉め事で殺されそうになったことがあって、さっきチラッと見ましたが顔が似ていましたね」と打ち明ける。

「やっぱり,その筋ですか~ヤバいですね」と運転手が深刻な顔になる。

 

「いやぁ~まだはっきりしないので、誰にも話さないでください、私は「めおと道場」の柏木さんの知り合いで、現場の仕事を手伝っている佐々木と言います、柏木さんと相談して対策を考えますが、内緒にして置いてください」と助手席を降りる。

 

「はい分かりました、頂いて置きます」とお札を見せた。

「貴重な時間と情報有難うございました。何もなければ警察にも話しませんから知らなかったことにして置いてください」とクラウンに乗り、ゆっくり発進した。

 

まさるは東京なので、夕方帰ってから相談して対処を決めようと、道場の駐車場に入れて外に出ると柏木のおじいさんが出てきて

「何か変わったことが有りましたか?」と心配そうな顔で待って居た様だ。

 

「中国時代の悪い男らしいのが乗っていたんですよ」

「それはいい話じゃないですね、今晩からみんなでこっちに寝てください」

「有難うございます、助かります~まさるさんが帰ってきたら相談して、対策を考えます、車有難うございました」とキーを返す。

 

 「じゃぁまさるの迎えをお願いしますよ」とキーを戻す。
「ハイ分かりました、今日のこと話して相談にのって貰います」と、建築現場に行く。
ユウリンにも話し用心することを言って置くことも大事だ、子供たちの転校手続きは、
代理に頼んでほぼ終わり秋の始業式も間近い。

 

榊原さんは自宅と道場の建築を決めてから直ぐ、水道と電気の工事用工事を決め自宅の棟上げ直後にプレハブの仮設住宅を造った。夜だけ4人で新居の番をして、食事と風呂は柏木一家と一緒に楽しんでいる。

 

まさるの出勤と帰りの迎えは、祖父と香織さんと時々榊原さんがやっており、榊原さんは道場の雑仕事を祖父と二人でやって来たが、最近は建築が進んでいるので祖父と二人で現場監督の様に、現場に立っている。

 

香織さんも家事を手伝っているが、彩音さんの出産などで榊原さんの奥さんユウリンさんが家事を切り回しているので、香織さんもかなり負担が少なくなり介護士の上級試験に向けて猛勉強中で、近くの老人ホームでバイトの様な研修中だ。

 

まさるを古川駅に迎えて事情を話すと

「あのホテルの社長は、道場の塾生だったな奥さんも弓道の段持ちで彩音さんの弟子だったな」と何かを企んでいる顔だ。

 

「ここは私たちで決着を付けなくては、ヤバイですね!」

香織さんのマイカーお披露目

裕太くんの名前を決める儀式は滞りなく済んで、スーザンとマイケルは香織さんの運転で栗駒の須川温泉を経由して秋田の方にドライブ。

香織さんが、お使いは道場のワンボックスや祖父の大型乗車なので「手ごろなSUVが欲しいなぁ」と漏らすと祖父が
「そうか~古川に行くから好きなの選びなよ」と、一緒に出掛けて買ってもらった。

 

東京の姉弟が連休なので、山岳ドライブに誘ったがまだ慣れていない不安がある。 

「香織さんの車に乗れるのかぁ」とマイケルが嬉しそうな顔になる。

「私は〇庁の機動車を擦って、運転禁止中だからなぁ」とスーザンも興味を示す。

彩音さんも心配なのか外に出てきた。

画像:RAV4展示用です(^^♪

 

そこに濃いグリーンのRAV4が静かに出て来た。
精悍な顔だが音が静かでフルタイム4輪駆動でこじんまりしている。

 「あらぁ、香織ちゃん結構走りそうね~」と彩音さんも乗りたそうだ。納車は1週間くらい前だったが、裕太くんの誕生などで車庫の端っこに入ったままだった。

 

香織さんは誰もいないとき、鳴子や鬼首近辺を走って慣らし試運転はやった~不安

裕太くんと彩音さんが退院し、道場も落ち着いたので出かける気になり、スーザンたちを誘った。

 

古川の実家のみんなも初めてなので、雅恵おばぁちゃんや正一さん・花代さんも少し心配そうな顔だ。兄の豊さんには試乗して貰ったが、家族に話をして居ないようだ。

 

香織さんがマイケルに

「マイケルさん運転席に乗ってみてぇ」と頼んでいる。

「えっつ僕がですか?」と言いながら、運転席にお尻から入り座席のスライドバーを動かし調節して足を延ばす。

 

「僕でもゆったり座られますね、運転できそうですよ」とハンドルに手をのせ、前方を見ている。

「あぁ 良かった若し怪しくなったら助けて下さいね」と助っ人を頼んでいる。

「香織 駄目よ~お客さんを当てにしては失礼でしょ」と花代お母さんが注意!

 

「大丈夫です、私も機動車を運転して居ますから、手伝います」とスーザンが笑う。

〇庁の警視と警部が付き添い、大人たちの心配そうな顔に送られて、香織さんの長距離ドライブがスタートした。

 

古川のみんなも、マイクロバスで古川に戻り、なぜか豊さんが自分のランクルに乗り

「僕も香織の後を追って、栗駒に行きます」と花山方面に向かう、やはり心配な様子。

 

「やっぱり兄妹は良いよな、心配して居るんだ」とまさるが言うと、彩音さんが

「スーザンも付いているし、無茶はしないでしょうが、豊ちゃんが付いてい行けば安心ね、私も少し歩いてみます」と柔道場の脇から白樺林の散策道に歩き出す。

久しぶりのお散歩(^^♪

やっと散歩が出来る喜びを楽しんでいるところだ。散歩道には柏木建設の製材工作所で発生する切り屑を、ウッドチップにして引き詰めているので、履物は汚れずクッション性が有るので気持ち良く歩ける(^^♪

 

ウッドチップは古川の女性陣が、暇なとき粉砕機にか掛けて大中小に細かく砕き袋詰めにして希望者に配っている。園芸関係や公園の遊歩道に敷く場合は事前に注文が入る場合もある。香織さんも中高時代から手伝い、お小遣いにプラス(^^♪

 この木片散布道は、祖父と旦那のまさるが休日を利用して雑木林を間引き、藪を刈り払い暇を見ては笹竹の根を降り起こして、公園風に整地し時間があると手入れして居る。

地元の造園関係の友人に頼んで白樺を移植し、見通し良くなり風通しも良く稽古後の散歩は気持ちがいい。

 

敷地の端から清水が染み出てるので掘ったら飲めるような清水が湧いてきた、予定になかった小川を造る。砂利と石を敷き詰めて小川を造り、散歩道に合わして曲がりくねった流れも自慢の散歩道だ。

疲れる距離ではないが、祖父が腕を振るって小川と遊歩道の間に、木製のベンチを設け大人が昼寝できるほどの幅と長さがある。

雑木林は、仙台の叔父(祖父の兄)の奥さんの実家から譲ってもらい、弓道場を増設する際(荒れているので、藪を綺麗にしてください)と任されているので、弓道場から柔道場の脇まで整備され近所の人も自由に歩いてもらう。夜間は防犯上道路側の入り口を閉めるが、評判が良い。

 

裕太くんも、発育が良く声を掛けると興味を示すようになった。

時々移動式のベビーベットで道場の見所近くに来て弦音を聞きながら、頭を動かすようになった。週一回は、須永先生が合気道のお稽古に来て、裕太くんを診て
「裕太くんは凄いテンポで育っているねぇ~」と褒めてくれる。いつも賑やかなお家なので、泣いている暇もなく笑顔でご機嫌だ!

 

今は彩音さんがお相手できないので、須永先生にはまさるが合気道をお稽古をつける。

元々まさるが武道場を始めたきっかけは、柔道と空手と合気道を組合して心技体の究極を見極めたいと考えて居た。

 

そこへ15年振りに遭遇した榊原修二氏が中国伝来の”八極拳”(カンフー)を極めて帰国、急展開で「めおと道場」の地続きに道場を建築進行中だ。

まさるは合気道の優雅の技に上乗せし八極拳の激しい技を習得中で、新たな武術に練り上がるかる努力が試されることになった。
 
祖父はこの道場より、隣の建築中の道場が気になり一日中現場監督の様に付き合っている、榊原(カン)さんも建築のノウハウは乏しいので、元棟梁の祖父を頼りにして相談をしている様だ。 

 

榊原さんの道場は、めおと道場より奥まって場所に建築中だが、それには理由が有った。八極拳は取り組む瞬間に声を大きく発するので、榊原さんが自宅を道路側に建て、塾生は家の横を通り木立の中を歩くように設計されている。

 

自宅の方は棟上げも済み、祖父の友人の園芸士を招いて門から道場へのアプローチを、樹木や塀を造って目立たないように、三人で実際歩きながら検討して居た。

 

道路をタクシーが徐行しながら、客が窓に顔を寄せてカメラの様なもので写真を撮っている様だ、榊原さんは作業衣に麦わら帽子をかぶって、知り合いも気付かないが榊原さんが車が止まり掛ける速度に気付き、後ろ向きになった。

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マカオの仕事は四六時中そんな環境で仕事をしていたので、一瞬で見極めた。
タクシーからのぞかせた顔に見覚えが有る男だ。
アイツは深圳かマカオでヤクザより非道な人間の屑だ、三浦半島沖で始末した二人組のまとめ役で、国際手配になって居るはずだが何で嗅ぎつけて来たのか。

 

「柏木さんチョット外しますが良いですか?」と祖父に声を掛けて、建築中の自宅の現場に移動した。

榊原さんは猛スピードで、裏から林に抜けて道路の傍まで近づき、藪にもぐる。乗客は未だカメラを工事現場を撮っている、榊原さんは飛び出して捕まえる欲望を抑えながら、腹ばいで声が聞こえる距離まで接近!やっぱりアイツだ!

 

 怪しい奴が建築現場を撮っている、許せないと腹ばいしながら、林の端から駆け出す。

香織さんも一緒に出産レクチャー

入院当日から、先生と助産師さんからレクチャーを受け、香織さんにも手伝ってもらいマッサージやら足湯やら、手順通りなぞって合気道の稽古の感じで動いていると、胎児もなんのとなく、反応してくる

 

兆しがあるので、先生が回診に来た時そのことを伝えると、助産師も準備に取り掛かり香織さんもそわそわと落ち着かない。

「香織さん、大丈夫ですよ本人が至って元気ですから、ゆったり構えて居て下さいね」と先生が気を使ってくれる。

 

その日の夕方分娩室に移動した。

まさるも駅から様子を見ようと見舞うと、受付も閉まっていて奥の部屋が賑やかだ。

急ぎ足で来た看護師が「こんばんは、もしかして柏木さまですか?」と声を掛けてきた。

「はい そうですこんなに遅い時間に申し訳ありません」と頭を下げると

 

「いえ うちは24時間体制ですから大丈夫です、それより奥様は今分娩室に移動し準備中です、こちらを留守にして申し訳ありません」と謝り

「彩音様のお部屋は誰もいませんが、少しお待ちください」と部屋に案内するように背を向けて歩き出す。

 

「あの~直ぐ生まれるのでしょうか?」と聞くと「明日の、日の出前位では無いでしょうか」となれた口調で、軽く言う。

「こちらです、香織さまと先生と助産師さんが付き添っていますが、先生が出てくるでしょうからご主人がお見えのことを伝えます」

 

「そんなことは良いです、わざわざ時間を取らせなくても良いですから」と断ると

「妊婦さんは大変ですが、周りの人も今すぐは何も出来ませんので、励ますだけです少し落ち着いたらご主人も声を掛けて下さい、先生に知らしておきます」と出て行く。

 

まもなく、香織さんが汗ばんだ顔で戻ってきて
「赤ちゃんを産むのも大変な重労働のようですね(彩音ねぇさんは合気道より力仕事ですね)と先生を笑わして居ました」とポットの白湯を注いで一口飲んで

「あぁ~まさるさんもお茶を出さなくちゃ」と急須を探している。

 

「僕は良いよ、お客でもないしお邪魔虫だから」と手をふる。

そこへ廊下の方から
「まさる先生! 彩音先生に声を掛けて励まして遣ってください」と須永先生が顔を出した。「お世話になります、私が顔を出しても役に立ちそうも無いでしょう」と先生に挨拶。

「いやぁ~そうではなくて、はやりここ一番と言うとき信頼する方が傍にいるだけで、違う力添えになるなるんですよ!」とハッパを掛ける。

 

「香織ちゃん、案内してくださいね、佐藤さんにも一休みして貰いましょう」と先生が事務所の方に戻っていった。

「まさるさん荷物はここに置いて、行きましょう」と先に行く。

まさるが入ってゆくと「あらぁ 今日は早いじゃないですか?」と嬉しそうだ、まさるは声を出さずに傍によって手を握る。

 

香織さんが「佐藤さん 一休みしてくださいと先生が仰っていました」と伝える。

「それでは少し時間をください」と助産師の佐藤さんが、まさるに会釈して出て行く。

 

香織さんが彩音さんの顔を覗き
「あらぁ彩音ねぇさん元気が出てきましたね」と冷やかす。
「そうか香織ちゃんにもそう見えたのね、ちょっと気弱に練って居たようね(^^♪」と率直にはなす。

 

やはりまさるの訪問が功を奏したようだ。

「香織ちゃんには当事者よりも気を使わせ、申し訳ありません」と労う。

「いえ 後学のためにもと母とおばぁちゃんから、勧められたんです彩音ねぇさんは、さり気なく振舞っていますが、実際は凄く慎重に胎教をして備えています」

 

「あらぁ 香織ちゃん一生懸命盛り上げて呉れた割には、しっかり観察して居たのね、ありがとう香織ちゃんの時は私も時間を造って、ご協力しますからね」と請け合う。

「私は何時のことやら、兎に角相手を見つけるところからはじめなくちゃ」と微笑む。

 

 

 「香織ちゃんを道場の支配人に専従してしまい、遊ぶ時間が足りなかったかな?」とまさるが関心を示すと

「道場のお仕事も結構面白くて、病みつきになりました、あれはあれで良い経験です」と負担になって居ないようだ。

 

「そうだよ、俺が居ても役立たずで、足手まといになるだけだよ」と立ち上がる。

「大丈夫です、赤ちゃんの顔を見るまでは頑張りますから、まさるさんは仮眠して下さい」とまさるを気遣う香織ちゃんだ。

 

先生と佐藤さんが、気が入った顔で参戦態勢

まさるは彩音さんの手を握りながら、汗だくだ。

先生と佐藤助産師・香織さんが無言でテキパキと動き、翌朝3時ごろ男児出産。

 

「初産でこんなに落ち着いた妊婦さんは、初めてだわ」と助産師の佐藤さんも驚く。

先生が「秀でている人は、分娩で一声も大きな声を発せず、私も初めてだわ凄い事だわ」と笑顔で彩音さんの左手を握っていた。

 

 香織さんも、手際よく手伝い男の赤ちゃんを産湯を使うところから実感した。夜明け前なのでゆっくりと6時頃自宅に連絡、川渡にも朝食ごろに電話する。

めおと道場の後継者イメージ画像(^^♪

 産湯で、鳴き声を聞きながらホットする 彩音さんだ。

落ち着いたので、スーザンや友人たちにLINEで出産を報告

スーザンの苦情「おめでとう~(^^♪何でよ~私が立ち会うと言って置いたのに、じゃ~香織ちゃんだけが体験したのね!」と苦情の一言。
「ここ2~3日貴女は、手を離せない仕事だったでしょう~そんな時、休暇届なんか出したら鈴木さんが怒るでしょう」

「あーやんは知っていたのね、榊原さんに重い仕事を押し付けて申し分け無いことをしたわ」としんみり反省している。

「審議官に宜しく伝えておいてください、ついでに次長にも」と軽くお願いをして置く。

「分かりました、次の連休には必ず伺いますから、ご馳走をお願いします」

 「それは大丈夫よ、香織ちゃんとユウリンさんが仕切っているから安心です」

 

「あぁ そうか榊原さんの奥さんもスタッフに成っちゃたの?羨ましいなぁ~」と自分も加わりたい様だ。

ユウリンたちも見舞いに

川渡で留守番のユウリンが、まさるの祖父に留守番を頼むと、

「電車では面倒だから、私が送ってゆくよ」と立ち上がる。

「だって空き家にしたら、彩音様に叱られます」と固辞する。

「大丈夫ですよ、師範代がいますから頼んでおきます」と車庫に向かう。

 

ユウリンさんは、高田さんを知っているが、留守番まで頼めるかなぁと思案して居た。

そこへ大学の研修場の斎藤先生が、弓袋に入れた弓を持って練習に来たようだ。

「あらぁ 皆さんお出かけ~でしたか?」と声を掛けてきた。修仁くんが

「彩音先生の赤ちゃんに会いにゆくんです」と嬉しそうに話す。

 

「えっつ4~5日前は何にもないような振る舞いだったが、お生まれになったの?」と斎藤先生も驚いて居る。

「3日前に病院からお迎えが来て入院しまして、昨日の朝 男のお子さんがお生まれになったようです」とユウリンが話す。

「そうですか、お爺さまは留守番でしょう?」と、思案顔だ。

「お爺さまが送ってくれると言って、高田先生に頼むと言いながら車庫に行きました」とユウリンが話すと

 

「分かりました、私も行きたいところですが、後にします、高田先生と一緒に留守番します、心配せずに行ってらっしゃい」と言いながら、柔道場の方回った。

修仁くんは助手席に、恵姫は後のドアを開けて乗ろうとしていた。ユウリンは

「いま研修場の斎藤先生がお出でになり、留守番は任せなさいと仰っていました」と報告する。

 

「そうか 斎藤先生も来たのか、それじゃぁ何の心配もないや」とお爺さんのクラウンが静かに動き出す。

 

榊原さんも帰る

榊原さんは、横浜からの帰りワゴン車を東京駅に寄せてもらい、その日の昼頃古川に到着、須永産婦人科の病院にゆく。

場所が良く分からないのでタクシーで来たが、5~6分で到着、中へ入ろうとして躊躇っていた。ユウリンたちが見舞い行くことを知っていたので、顔を出したが~

 

そこへ香織さんが出てきて

「あらっ榊原さんだ、お帰りなさい」とお辞儀をする。

「あっ香織さんだ、良かった」とほっとした顔で、

「ユウリンたちは未だですか?」

 

「さっき私に電話を呉れましたから、もうすぐ来ますよ」

「まさるさんは市役所に行っていますが、じゃぁ待合室で待って居て下さい、チョット買い物して5分くらいで戻りますから」と歩き出すと

 

「あっユウリンさんたちが来ましたから、ご一緒してください」と言う。

クラウンが止まり「あっつパパだぁ」と大きな声で恵姫ちゃんが降りて、修仁くんも続きユウリンもホッとした顔が笑顔に変わる。

 

祖父がウインドウを開け「榊原さんお疲れ様です、ちょっと待ってください」と横のスペースに入っていった。

 名無しの権兵衛ちゃんから

次の三連休に、名護姉弟が恋人同士の様な雰囲気で新幹線から降りて来た、彩音さんの代理で親友をお出迎えだったが、まさるの愛弟子も一緒で現役の〇視と〇部だ、まさるが

「なんか良いペアリングだなぁ」と笑いながら古川駅に、お出迎えだ。
 

 「実は今晩は、知り合いや家族が集まって、名前を付ける事にしたんだ」

「それは楽しそうだね、でも~お邪魔じゃないかしら」とスーザンが気を遣う。

「そんなことないよ、君たちが同席して呉れたら一層盛り上がりそうだよ」とまさるも期待している顔だ。

 

(めおと道場)では、退院した彩音さんと赤ちゃんの命名式の宴を予定して居て、さすがの彩音さんも完全な体調ではないが、赤ちゃんのお披露目でキャスターの付いたベビーベットに載せて押して来た。

画像はamazonサイトから、権兵衛ちゃんもお借りしました(^^♪

大きな体のマイケルが、身軽に近寄ると、彩音さんが赤ちゃんの頬を付いていて

「マイケルくんだよ、権兵衛ちゃん!どんな名前が付くかねぇ」と笑っている。

 

先手を打たれたマイケルが

「権兵衛ちゃんって、名前が付いているんだねぇ」と納得しない顔で眺めている。

 

スーザンはニコニコしながら傍に来て

「権兵衛ちゃんは架空なのよね!」と彩音さんに聞いている

 

 「えっ」とマイケルが声を出す


「そうですよ「名無しの権兵衛さん」と言う、ダジャレと言うか逸話が有るのよ、本名を言いたくないときなど「名無しの権兵衛」名のると通用する時代が有ったと言われています、洒落で言ったんでしょうね、お爺様ならご存じかもね」と祖父に振る。

 

祖父ももっともらしく講釈する

「昔遊女を呼ぶと、男性風の名前を言わせたのが、女性なのに「権兵衛」と言わせた話が都合よく伝わって、名前を隠したい人など「名無しの権兵衛」と名のったとか、いろいろな説があるようだね」と当たり障りなく話す。

 

「英語でもあるよね「ジョン・ドウ」(John Doe)っていうんですが、ドウは架空でジョンはありふれた名前と言う事ですね、女性の場合はジェーン・ドウ (Jane Doe) っていうんです、ね名前が分からないときなど、仮に呼ぶときなど用いられます」とスーザンが説明する。

 

ワイワイ盛り上がったところで、まさるが
「皆さん、折角のお休みの所手前どもの勝手なお願いにご参集いただき有難うございます、今日は親戚や道場の女性たちのお手を煩わして、食事会のお料理をお願いしています。彩音さんが大役を果たしその前後の感謝の意味でお食事会を考えました。

その前に権兵衛ちゃんと呼ばれていますが、皆様のお知恵を拝借して本名を付与したいと思います、何かふさわしい名前を思いついた方は、このメモ用に書いて下さい、食後に検討し命名したいと思います」と願う。

 キッチンもわいわい

隣のキッチンでは、古川の祖母の光江さんや花世さん・香織さん大学の斎藤こずえさん・弓道の塾生2名・隣の遠藤絹江さんなど、古川や川渡の関係者が総動員して作っていた。

 

昔、社員寮の名残でキッチンや食堂が広いので、ワイワイ言いながら楽しそうに作っていた、気になった彩音さんと一緒に須永先生とスーザンも覗き見に来た。

 

スーザンを瀬永先生に紹介すると、何で金髪のお嬢様がここに居るのぉ~みたいな顔で、話し込む。

 彩音さんの昔話もご披露

「スーザンは現役の〇視さんで、今でも現場の指揮官でもあることを伝える…」と言う

「驚きました!きれいな日本語で、こんな綺麗な方が○○関係にお務めとは?それに男性社会の用の世界でリーダーとは考えが及びませんでした」と感心する。

 

「そんなこと有りませんよ、このあぁ~ちゃんは同じような係長時代に、部下がしつこく飲み会に誘うので肘鉄で〇部補を気絶させたんですから~」と暴露する。

「まぁ~彩音先生もお強いのですね」と面白がる。

 

スーザンはおくれてきたので何かやりたい様だが、手出しせずお喋りで霞が関の話題を彩音さんに報告して居る。

ユウリンはいつも台所を遣っているが、今日は親戚や道場関係者に任せ、寛いで居るお客人にお茶のサービスや片付けなどに徹して居る。

 

 深夜のクルージング秘話

マイケルは、榊原さんとその後の経緯などを確認し合って、外務の杉原さんと連絡し当該の大使館の動きが無いことを報告し、榊原さんは、クルーザーで観音崎まで航海し太平洋の仕事は、香港のカクさんに託した内輪の話をして居た。

 

 マイケルは今回の密入国の話には招請されず姉のスーザンから新幹線で聞いたが東京湾から太平洋のの真夜中の話は聞いていなか

根岸でクルーザを借りて横浜港の奥の方で、夜景を撮影するチームに紛れて大きな機材用収納袋3個を運んでもらい、クルーザーで観音崎の裏の方の漁村に運びました。

 

「友達のカクさんが、横浜でクルーザーを購入し試運転中で、大島から三宅島までナイトクルージングに出かけると言うので、お願いしました」と淡々と話す!

 

 

シンディーにお礼

前回の捜索活動で知り合いになった名護〇視から、不法入国の2人を拘束し榊原さんに協力を求められたことを、シンディーにも連絡して置いた。

お礼したつもりが、逆に大きな情報を頂き、今回の事案がトラブルなく終息方向に舵が切れ一件落着になった。

 

その時シンディーから折り返しで、カク・ヘイジュンさんがショウ・ボッツとクルーザー購入で横浜に行き、そのバージョンアップで、横須賀の漁港に滞在している事をトークして来た。

榊原さん、何で連絡を呉れないのかぁとコボスと、シンディーは、カクさんの気持ちとして(堅気に進路変更したカンさんをそっとしておきたい)と言った。

 

でも、日本に来たら会って挨拶したいと言うと、変更されたカクさんのスマホの番号を伝えて来た。

カクさんたちは、横須賀のホテルに滞在し観音崎灯台の近くの小さな船舶修理工場で、エンジンを交換し、無線の強化を依頼した。殆ど仕上がって日中の港内航行はパスしたが、明日の晩からナイトクルージングを4~5日遣る予定だと言う。

 

カン(榊原)さんが日本に移住したので、ショウ・ボッツさんは自分の商売にも影響し、クルーザーのノウハウをカン(榊原)さんに聞こうとしたが、カクさんはカンさんを巻き込みたくないと、二人で来たらしい。

最近は、カクさんたち裏社会で、定時・定時で営業するショウさんには頼めないオーダーが多く、以前カンさんがやって呉れたナイト・ビジネスマンが居なくなった。

 

後継者を育てようと考えショウさんもカクさんと組んで、自分の商売の延長でナイトビジネスを併立することを決心した様だ。

それには大型のクルーザーが必要で、日中の仕事よりナイトビジネスにウエイトを置こうと考えた。

クルーザーは、外洋仕様で島しょ部分が多い香港からマカオの航行には切り離せない操舵テクニックも必要だ。

 

最初の二晩は工場の免許保持者が付き添い練習し、残り三日はカクさんとショウさんだけでやる予定だと言う。

元々ショウさんは、外洋航行の免許保持者で、横須賀海上保安署に申請し、短期の航行許可証を貰っているので、自由に外洋へも出られる。

 

名護〇視から経緯を聞いて(所轄にも該当大使館にも内密に処置したい)と言う〇庁の思惑を考慮、自分に委ねられる案件かなと思考した。

以前、〇〇諸島の海域で処置した案件を思い出さし、その時は本国の海〇との連携で上手く出来たが、日本の司直の範疇ではどうかなと考えて居た。
 
カン(榊原)さんは、二階堂〇部・斎藤〇部補・早坂〇査部長と横浜のベイサイドに先行し、中型のクルーザーを借りた。

夜釣りで一晩借りたいと申し入れると、受付がどの辺まで出かけますかと言うので、しっかりしたのを頼むと、二階堂さんが手帳を出し続いて榊原さんが一級船舶免許証を提出、暗黙の了解で一晩借りた。

 

中型の黒っぽいクルーザーを、バースから試運転しながら操舵感覚を試していたカンさんは「エンジン音が低く、小回り利くので調子良いですねぇ」と話すと

受付の若い担当者は

「昨年暮れに進水したばかりで10回くらいしか出て居ないですから調子は良いです」と保証する。

 

根岸のハーバーから本牧ふ頭を交わしベイブリッチをくぐり、横浜港の奥のベイサイドにつけてエンジンを切る。キャビンルーフがフラット川岸と同じくらいの高さだ。

大型のワンボックスがベイサイドと言うより帷子川のサイドに駐車し、テレビカメラや架台を組み立てている。

 

撮影器具と同じような袋が無造作に置かれていたが、架台を組みながら機材袋を2~3個クルーザーのルーフに落とす。

クルーザーのスタッフは海釣りにでも行くのか、フェシングベストや釣り具メーカーのパーカーを着て機材袋をキャビンにいれ、静かに離岸する。

この所要時間は、40秒か50秒で一瞬の動き動作であった。

 

テレビクルーはカメラとケーブル操作など忙しなく動いているので、クルーザーの動きなど気にして居ない。

クルーザーは、きちんと前照灯を点灯一定の速度で本牧沖に向かう。

キャビンでは水上警察の臨検に備えて、釣り具の準備をしながら談笑して居る。

 

沿岸から少し距離を置いて、遊漁船が航行するコースをなぞるように航行、横須賀の街明かりを右に見て、観音崎灯台の右側にゆっくりと回り込む。

カン(榊原)さんは土地勘が無いので、レーダーと海図で慎重に操舵している。 

かなり先の海岸で赤とオレンジ色のライトが交互に点滅して居る。先日カクさんと話したサインランプだ。

 

海図で見ると、鴨居と書いてあるが大きい集落じゃない様な気がするが、近づいてゆくとコンクリートの壁二段に設けられている。

その壁が防波堤になって居て、一部二重の部分から船舶が出入りする仕組みだ。

ここは太平洋が真正面になって、台風や高波はモロに襲い来るところだ。

 

防波堤の脇に、カンさんたちのクルーザーの倍近いデカいのが停泊していた。そのキャビンルーフに点滅して居るのが赤とオレンジのライトで青と緑も付いている様だ。

 

幅の広いサイドデッキに、カクさんとショウさんが立って笑いながら手を振っている。
「やぁカンさん元気だったかい」とカクさんが大声で話しかけてくる。

「しばらくぶりです、その節は大変お世話になって居ながら、日本に逃げ込んでしまって申し訳ありません」と中国語で返事をする。

 

「話は分かったから、お荷物を頂こうか?今晩は大島を回って三宅島位まで延ばそうとショウさんと相談したんだ」とカンさんとクルーザーにフック付ロープを投げてきた。

二階堂〇部が素早く受け取り、斎藤〇部補と早坂○○部長がプラスチェックの衝撃止めを持って間に差し込んで調整して居る。

 

既に三つの収納袋はデッキに出してあるので、2人で一個づつ持って大型船に移動し、重そうな塊は3人でも重そうだが2分くらいで終了。

二階堂〇部と斎藤〇部補が大型船に乗り移る。残った早坂○○部長が繋留ロープを外し、ショック止めを巻き上げ収納し、両船は静かに離れる。

 

二階堂〇部が軽く挙手の礼をし、カクさんんが別れがたい顔でカンさんに話しかける。

「今度は、香港で待って居るから、その時はたっぷりご馳走するよ、ユウリンちゃんも必ず連れて来るんだよ~」と叫ぶように聞こえる。

 

二階堂さんと斎藤さんは明日の朝ここに戻ってくるが、カンさんたちは横浜にクルーザーを返して、東京に戻ることになる。

横浜で借りたクルーザーのイメージです(^^♪

 

 

操舵しながら、カクさんにスマホで電話する。

「大変重たい仕事を頼み恐縮です、この埋め合わせは近いうちに渡航しますのでその時にします。チュウ親分にはよろしく言って置いて下さい、この次は川渡に作っている武道場でゆっくりしてください、二階堂さんは中国語が堪能ですから、なんでも聞いて下さい、有難うございました」と話すと

 

「明日で練習を終了し、明後日は早朝に出発し行けるところまで航行し、近くに接岸するか仮係留するかは天候次第で決め手は居ないよ」

「ベテランのショウさんは無理しないでしょうが、気を付けてお帰り下さい」と切る。