∞心機一転まさるの日記∞ -18ページ目

∞心機一転まさるの日記∞

規律の厳しい役所を退職し自然豊かな山間の温泉町に道場を造りスタートしました。しかし元職からメールが一通!堅い仕事の師範役に逆戻り!

シンディ―の友人が危い

ターゲットが複数になったので足跡・シッポが捕まえ易く成るので有利かも知れない。

今回〇務省の出入管理局はM&SSの本部に詰めているが、海外にもネットが有るのか在留カードなどの情報は記録され追跡しているのだろう。

 

シンディ―は愛車を静かに発進させ、同時に話し始める。

 

「昨夜、その世界の知り合いにアポイントを取り、情報収集してきました」
シンディ―も知っているが、Kさんは裏社会とは一定の距離を置いて、付き合って居る。
「2日前から行方が分からないようなんです、この人は私も何度かビジネス上のお付き合いがあり、信頼している人です」

 誠実な人は何処に行っても信頼される、海上輸送や近隣諸国に出かける仕事をやっていて、中國の官憲にも顔が利くので留め置きは無いと思いますが、仲間のネットで追跡してる。
「私の世界も同じですが、共有する情報の厳守と、金銭の貸借関係が誠実な人或いは組織は、相互信頼の指標になる様で、祖父の時代から付き合いで構築されています」
グーさんもうなずき、内容は把握している様だ。

「さっきのお話の、かしわぎさまが追跡したターゲットもビザやパスポートを提示できない人らしく、香港に入るのに済州島へ密航し居辛くなって、闇の漁船を乗り継いで、香港で身分証明に出したパスポートで手配され、日本から飛んで来た柏木さんが祖父の噂を聞いて警察では無く民間の私たちを信用為さって合流し、マカオの村はずれで漁船を交渉して居る情報を得て、祖父が今行方不明のKさんの高速クルーザーをチャーターして私も同行しました」

 まさるの信頼した人
「Kさんと祖父・私・かしわぎさんの4人で、中國海岸沿いの村を探しながら、南下しました。何回か中国の官警に停止命令を受けたが、賄賂なのか物納なのか話を付け方が巧妙で拿捕されずに、躱して居ましたね」

「相手は日本国内で重罪を犯し、逃亡したようですが中國・香港などは協力関係が薄く手配をしても釈然とせず、うやむやになるらしいです。今回の様に、捜査チームでお出でになるのは初めてかも知れませんね。うちの母も家の電話番なので、東京からお巡りさんが捜査に来るよって言ったら、驚いて居ました」

 

 車は港珠澳大橋澳門口岸の港珠澳大橋澳邊檢大樓と言う大きな建物の脇を通り、回り込むようにしてビジネス関係の建物が並ぶ道を進む。

 シンディ―は慣れている様で、建物の入り口近くの駐車場に入る。

 
未だ新しさを感じる建物の受付カウンターに近寄り、会釈しながらシンディ―と杉原さんが並ぶ形で挨拶する。

英語で併記した名刺を差し出し、東京から非公式に不審者の足取りを追って居ることを伝える。

受付の女性が飛び上がるように立ち、名刺を持って

「少しお待ちください」と短く答え隣の同僚に中国語で、席を空けることを伝え

「プリーズ」と左のカウンター脇に動き、

「こちらのコーナーでお待ちください」と言って脇のドアをノックしている。

  

「オーライ」という声と同時にドアを開け、名刺を出して来客を説明している。

「リーさまとみな様、所長がお待ちして居ました、どうぞ」とドアを大きく開ける

 

入境管理事務廰の大きな部屋で5人程事務を執って居たが、奧の一角に所長らしい人物が笑顔で立って居る
「やぁーシンディ―久しぶりだね、日本のお客さんを案内して来たの」と如才ない形で招いている。

「リュー所長 案内じゃなくて、所長さんにお願いが有って来たのです、こちらが日本の外務省の杉原さんと名護さんでこちらが香港の総領事館のグー書記官で私の叔父ですが」と云うと

「そこまでで良いよ、続きは私の部屋に移ってから聞きましょうか」と横のドアを開けると大きな部屋に高級な会議室なのか、低めのテーブルをはさんで皮のソフアが5個づつ並んでいる。

所長が「どうぞお掛けください、シャンさん先ほどの書類とコーヒーをください」とみんなの顔を見て

「コーヒーで良かったかな」と笑う

「突然の来訪ですから、お気を使わないでください」と杉原さんが恐縮している。

「そうですね初めての方に失礼でしたね」と笑いながら

「先ほど、丁度九時でしたが香港政庁の外事課から緊急のFaxが入り、皆様の目的が凡その見当がついて居たんですよ」

 

「えっつ、私たちの使命をご存知でしたか?」と杉原さんが驚く。

 「Faxだけじゃ判断できない部分が多くて、電話で確認したばかりでした。
追っておるのはフランスのイワンとイランかトルコのアラファト・チャンシ―と言う名前だそうですね」

と杉原さんたちと同じ情報を持って、待って居たような雰囲気だ。

 

8時過ぎホテルのモーニングサービスで、ラウンジに出てお茶しながら競馬場の先の中国珠江を眺めながら談笑していると、マイケルのスマホが着信を知らせる。


ホテルのレストランから見下ろすマカオ競馬場(^^♪


マイケルはまだ8時なのに早いなぁと思いながら、スマホを開く。

「もう食事終わったでしょう、さぁ仕事!シゴト!」と姉のスーザンがはやし立てる。

「何でよ、まだ8時だよ通勤途中だよぉ」と抗議する。

 

「時差ぼけだよ こっちは9時過ぎだよPCを開かないので電話したんだが、入国管理局が追跡中で、イワンと行動を共にしているアラブ系の人間が浮かんだんだよ」と、行方不明の医師に同行者がいる言う。

「分かりました、これから部屋で杉原さんたちと、ミーティングです」と立ち上がり

 

「名護〇視に発破掛けられました、東京は9時過ぎだよって言うんですよ、イワンと一緒にアラブ系の人間が行動している様なんですよ」

「そうか、時間は誤魔化せないがトピックスが出たならやろうか、リーさんが来る前に確認して置こう」とグーさんに合図する。

3人は残りのコーヒーを飲み干して、背伸びする感じで身体を伸ばす。
 

 着信している画像のパスポートはアラブ系の様な名前で、アラファト・チャンシ―の名前のパスポートがイワンが入国した日付けで、入国審査をパスしている。

「この情報は神田チームにも送っている筈だから、チェック項目に追加するだろうが、マイケルくんがスマホで確認してください」

 

「了解しました」と直ぐ短縮ボタンを押して

「お早うございます、神田さんたちもお食事は済みましたか?」と聞いて見る。

「うん今部屋に戻って、シャワーを浴びようかと話して居たところだよ、何かあった」

 

「朝一で、姉貴〇視に時差の件で発破を掛けられ、部屋に戻ってミーティング中です、あのイワンに同行者がいるらしいのでPCのメールで確認してください、アラブ系の名前が有りますから確認の時、お願いします」

 

「分かった、時差かぁのんびりした訳でもないが、リアルタイムでやり取りしたらこっちが不利だな、明日からは飯前にコンデションを整えようかね」と笑いながら

「分かりました、僕の方には遠慮してマイケルに絞ったな、出かけるにはお互いまだ早いが、交通関係は動いているから近くまで行って様子を見ようか、有難う」と切った。

 

「神田さんたちも食事を終わって、シャワーを予定して居ましたが早めに出てイミグレーション施設を視察し、定時に成ったら交渉に入る様です」

「そうだよね、時差はお互いに要注意だね、名護〇視もマイケルにはズケズケ言うか、

リーさんが来る前に用意して、我々も早めにした降りようか、スマホでトークして居場所を教えれば良いだろう」と身支度を始める。

 

身支度と言っても、ザック一つにノートPCと下着の替え位だから、簡単だ。案の定室内の電話がコールサインでフロントにリーさんが来たようだ。

9時前だが、彼女も早く行動するタイプだろう、スポーツマンは時間厳守が常識だ。

川渡の師匠が激励

マイケルのスマホに、川渡のまさるからLINEが着信。

「香港マカオで遊覧している様だね、お楽しみください」と皮肉っぽい第一声!

「スーザンから彩音さんにチラリと情報があり、私も昔そのルートで海伝いに海南島まで追ったことが有りました」

 

「今、香港からマカオ迄の海上橋のルートに足跡が残って居るか、後20分位で港珠澳大橋 のイミグレーション施設に、旅券審査のスキャンデーターを閲覧できるか交渉に入ります」と具体的にはなす。

「そうか、マカオは香港管轄の筈だがパスポートのチェックが有るんだねぇ」と書いて

「昔はフェリーだったが、マカオで日本語の上手な人にお世話になって、高速船を手配して貰ったなぁ」と書いてある。

 

「まさか李·香士【リー・コーシ】さんでは無いでしょうね」と聞いてくる。

「えっ何で知っているの?元気だったかい?」と早い反応でトーク

「いやぁお爺さんは5年前に亡くなり、いまお孫さんが派遣会社を継いで、私たちもお世話になって居ます、いまお孫さんのリー・シンディ―が目の前にきました」

 

「随分リアルだね、お世話になって居るの?あの頃学生だったのシンディ―さんか」

「はい、ご挨拶して続きは後で連絡します」

フロントから見えるロビーの脇で手を挙げている、シンディ―は正装のように薄いブルーの上下のパンツスタイルで、低めのヒールに小さなバックを抱えている。

 

男組3人は圧倒有れた雰囲気だが、気を取り直して

「お早う御座います、お嬢様」と杉原さんがお道化た挨拶で笑わせる。

グーさんも、従妹の正装に目を見張り
「今日はお見合いですか?」と冗談を言う。

 

「お早うございます、もうお嬢様と言われる年では在りませんが、今日も宜しくお願いします」と静かに頭を下げて礼をする。

 

三人も慌てて礼をすると、シンディ―は既に出口に体を捻って歩き出す。

マイケルが杉原さんの顔を見て、スマホの画面を翳す、頷くのを確認してシンディ―の脇に並びかける

「先ほど私の師匠からLINEが入り、リーさんのお知り合いかもしれないのでご確認したいと思いましてと、スマホの画面を見せる

 

画面は「随分リアルだね、今回もお世話になって居るの?」の画面だ。

「このかたどなた?」と聞くので、マイケルがまさるの話をしながら、ホテルの裏側の駐車場に向かう。

「あぁ覚えていますそうかあの時と同じ組織なんだぁ」と思い出したように視線を上げる。

「私はまだ大学生で、お爺さんと一緒に走り回って居て、高速ボートで陽江市まで一緒でしたね、そうだマサル・カシワギさんだった」

 

「日本人にしては身長があり、温和で武道をやらないと思ったが、祖父と空手や太極拳の話で盛り上がって居ましたね」

 駐車場の最前列に駐車する、黒のベンツVクラスのドアがカッチと音がする。

後ろのドアがスッーと開く、シンディ―は身軽に左の運転席へ収まり

「じゃぁ後で、まさるさんと話をさせて」とエンジンをかける。

 

 お爺さんが定年になって、その頃中国語と日本語も話すお爺さんが、仕事の無い人を前の会社や知り合いの会社などに紹介したのがきっかけで、人材派遣を始めた。

お爺さんは誠実で、地域の人たちだけでなく、役所にも人望があり順調に伸び、マカオでも香港でも頼りになる派遣屋さんで名が通っていた。

父親ははシンディ―が小さい時に亡くなったが、祖父は事業の全てを孫に伝えそれなりの遺産も残してくれた。 

そのお爺さんも5年前に亡くなり、今までの繋がりで声を掛けてくる会社や知り合いが多く、孫にあたるリーさんが引き継いだ形で続けている。

「叔父さんが亡くなって5年か、シンディ―も大人になったなぁ」と眼を細めてみる。

 

高校・大学と祖父に付いて歩いていたので、顔みしりが多く居たのが良かったのか、祖父が亡くなっても普通に仕事が出来ている。

 

この間までフェリーで1時間以上も掛かったのが、今は30分位で料金も半分の900円くらいで便利になって助かって居ます。

全長55Km
港珠澳大橋 遠くかすんで居るマカオまで続く(^^♪ 

 

体型もすらりとして、色白の美人で温和に見えるので、不良っぽいのが声を掛けるがギリギリ我慢して、人目が少なくなった所で”日本語と広東語が混じった啖呵を切り„空手の構えをとると、相手が顔色を変えて後ずさり退散したことが有った。

 

「これは小さい時見た、女性のやくざ映画を真似たんでしょうね」と笑う。

「良いですか」とマイケルが

「グーさんの後ろから歩いて来た時、ここのスタッフさんかモデルさんだと思ったのですが、お話を聞くと私たちと比べ物にならない経験ですね」と頭を掻いている。

 

お爺さんの時代から裏社会もお客さんで、古来の武道所が遊び場で正式に学んだ分けでなく、子どもたちと真似をして来ただけでなく、跳躍力や体形の割に力がある。

時々裏の社会から依頼が来るが、しっかり義理を果たす組織には、誠意を持って対応し危ないと感じたら、不審な部分を指摘し断ることもある。

 

断っても、次の機会がない訳でなく、相手が詫びてくる場合は斡旋し関係を断たない。

聞いていた、杉原さんが思わず声を出して
「我々よりはるかに大人の世界で、お仕事を為さっているんですねぇ」と感心する。

 

祖父から太極拳を教わり、父が元気なころに空手を教えられ、街の道場と学生時代はクラブに席を置いて代表選手で出場していた。

今でも時間があればマンションのフロアで、汗を流しているので体が締まっている。

 

当時からPCに保存されている顧客名簿は、大事な財産で重宝している。

几帳面に申告するので役所からも信頼され、逆に仕事を依頼されることもある様だ。

 

「私もお爺さまには何度かお会いした事があり、温厚な人柄で誠実な方でしたね」と佐竹さんが眼差しを遠くして思い出している様だ。

 

「そうでしたね、人材派遣を遣るようになってから、入会しイベントには一緒に来たことが有りました」

リーさんが、帰るとき

「さっきの「イワン・マリュー」のパスポートのコピーがありましたらお借り出来ますか?、X氏の時のもお借りします」とフォルダーに挟み込み、

「裏社会にも誠実な人間も居ますから、移動するには空より海の方が多い感じがするので、香港をいつ離れたか分かれば絞り易い気がします」とコメントして佐竹さんを誘い
「ご自宅までお送りします」と約束して立ち上がる。

 

 

杉原氏は完全に先手を取られ

「明日は、ここから人工島に行く予定ですが、ご都合はどうですか?」と聞くと

「私の車ワンボックスで10人位乗れますから、ご一緒します、今晩帰って知り合いにアプローチして感触をお伝えします」と軽く会釈して帰る。

海外派遣チームの一日目が終わりそうだ。
〇察庁は「ウイルス培養と医師の行方不明」の事案で、捜査中に判明した内容を途中経過として、関係のある省庁に文書で通知した。

〇務省へは、杉原情報分析官が香港へ同行しているので、ウイルスの培養の外国人医師のメールで懸念される外国名を伝えた。

香港に飛んだ形跡があり、調査中の事も杉原氏から経過報告とダブるかもしれないが丁寧に伝え、海外経験の少ないスタッフの面倒を見て貰っている礼を言う。

 

〇務省はすでに非公式で在日大使館に伝えたようで、東南アジアの基地や居住地区にシグナルを送ったような気配だ。

現地の神田・二階堂のチームは、香港島から九龍島に入ったが香港島とはまるで違う国に来た感じで、 尖沙咀や旺角などの繁華街 が多く夜は此処には泊まれないので戻ろうとしたが、時間が勿体ないので明日の調査予定に近い街に移動した。


香港の九龍地区

地元のハウ氏ご推薦の、青衣島のランブラーオアシスに投宿、コンテナターミナルの目の前だが、九龍の中国らしい雰囲気より気持ちが良いホテルだ。
神田〇視がホテルに入って早速マカオチームにメールし、経過を報告した。

折り返し杉原氏から香港からマカオに移動で、パスポートのチェックが有ったが深く考えずに来てしまったので、明朝、香港国際空港の港珠澳大橋香港口岸(イミグレーション施設)と言う日本なら税関の施設に行って、バスに乗る場合のスキャンファイルを閲覧できるか交渉してください。

総領事館の山田さんとハウさんならご存知かもしれないが、今回、我々4人は国の代表なので無理でも押し気味対応して良いでしょう。

 

パスポートのチェックは必ず(スキャン⇒ファイル⇒保存)の流れですから、日別にフォルダーになって居るはずですから粘って下さい。

私たちも心強いレスキューを採用したので、明日の朝いちばんでマカオの人工島に戻って港珠澳大橋マカオ(澳門)口岸へ行き、スキャンファイルを見せて貰います。
成田で見つけたイワン・マリュー成る人物も、香港国際空港にチェックインして足跡を残した訳だから、香港島や九龍には行かなかったのかもしれない。

 

神田〇視は次に鈴木審議官と名護〇視に、経過と明日の捜査予定をメールして一日目の夕食に付く。

総領事館の山田・ハウ両氏とも香港島に戻る気で居たようだが、チームは夜のミーティングも大事だと頼み、費用は本庁持ちでお願いする。

杉原・名護チームは。マカオ競馬場近くのマカオ・ルーズベルトに宿をとった。

夕食も日本会の会長 佐竹さんとグーさんの知り合いで、リー・シンディーの5人で、ステーキなども出されたが中華料理だった。

リーさんは、民間の人材派遣会社を経営しマカオだけでなく、隣の珠海市や香港にもお得意先があり、日に何度も港珠澳大橋を渡って商売している様だ。
リーさんは中国に渡ってから生まれたので、日本の事は分らなかったが、おかぁさんが時々日本に行くので必ずついて行き、日本の良い所がいっぱいあるので好きだ。
日本には何度も行くが、一度もホテルに泊まったことが無く、親戚や叔父さんやおかぁさんの知り合いも多く、いつも家族同様に長期滞在が出来る。

 

お父さんも中国語より日本語が上手で、お爺さんが勤めていた関係で同じ会社に就職し、車を運転したり工場の手伝いをしたり、事務所で中国語で話すのが苦手と言って居た。

頑張り屋さんだったが体を壊し、病気で40代で亡くなった。

 

香港島からマカオ行きの専用バスに乗るため、今日の午後に到着した国際空港に市内バスで移動し、そこで通関手続きが有ることを知った。
 

今までフェリーで1時間かかったが、港珠澳大橋(こうじゅおおはし)が開通し専用バスで30分に短縮され料金も2000円だったのが900円から1000円位になった様だ。



国際空港近くのバスターミナルでパスポートを提出、夕日を背にバスが走り出すと暫く海上を進んでいると、急にトンネルへ入る。
55キロある大橋だが海底が多い感じでマカオの人工島に上陸、案の定ビザの審査とパスポートのチェックが有った。

 

同行した総領事の職員グー氏の伝手で、マカオ日本会の幹部にアポイント取って居たので挨拶に向かう。
代表の方に電話で待ち合わせ場所を決め、移動する。

 

やはり海外居住の場合、個人住宅の住所などは公開せずオープンな場所で面会するのがセキュリティーの上で重要なポイントだ。

 

杉田分析官は海外の研修は積んだが、現地の生活はホテル暮らしだったので、国内の安住が何処でも通じる訳でもないことが痛感した。

大きなホテルのロビーを指定、業務内容も知らせ困難な迷路に入ったことを正直に話し、続きのカフェに席を取る。

 

日本会の会長を為さっているので、期待をして臨む。

「顔が広いが裏事情は弱いなぁ 佐竹勝男と言います」と頭を掻く。

ゴー氏がマカオの知り合いに電話し、所在を知らせると
「近い場所だから顔を出しても良いよと言っています」と言うので杉田氏が頷く。

 

マイケルが、ここまで一言も話さないので、佐竹会長が

「この方は外国の方ですか?」と不審な顔で眺めて居る。

 

杉田さんは「レッキとした日本人で英語は勿論フランス語と中国の広東語なら大丈夫ですよ」と笑って紹介する。

「申し訳ありません、外国人の顔をした日本人です、今まで屋内で仕事をしておりまして、本格的な仕事は今回が初めてなモノですから、失礼しました」と、頭を下げる。

 

「いやぁ御免なさいね、日本語がキレイにお話になりますね、東京ですか?」と聞く。

「沖縄生まれで大学が福岡で、勤めは東京で柔道所の助手をやって居ます」

「柔道の先生ですか?そんな風には見えませんね学校の先生かなと思って居ました」

「おいマイケルくん格が上がったな、あの道場も学校だからな」と揶揄う。

 

「いやぁいつも汗びっしょりで、へとへとでへばって居ますよ」と謙遜。

「大学の道場でしたか」と感心する。

「それがちょっと変わった大学でね、警察大学の武道の教授ですから怖いですよ」

「いあや私の上に、もっとしっかりした師範が居りますので、僕はみんなの玩具みたいなもんですよ」と笑った。

 

「えっおまわりさんの先生ですか?それは凄いことを為さっているんですね」と感心。

「杉田さんも公務員の研修で汗を流しましたか?」とマイケルが聞くと

「一昨年かな4か月ばかり、合宿見たいな研修で絞られましたよ」

 

「皆さんはお役人さんでも、結構ざっくばらんでいらっしゃるから、信頼された公務員のお手本ですね」と佐竹さんが納得顔だ、二人は声を出さず顔を見合わす。

 

グーさんがスマホを眺めながら

「知り合いがご挨拶したいと言うのですがぁ」と言葉を切る。

「あぁ良いよ此れからお世話になるかもしれないので、お会いしたいです」と杉田さんが了解する。

 

マイケルも、この知らない土地でパスポートの写真を頼りに人探しは、至難の業だと思って居たので、手伝いがいるのは「ラッキー」見たいな気もちだ。

「あのぉ会長さん、今晩のホテルを決めて居ないのですが、信頼できる宿をご存知ないですか」と杉田さんが聞くと

 

「ここもホテルで推薦できますが、少し値を張るから長期なら少しランクを堕ちますが近くにあります」

「ホテル代は経費で堕ちますから、気持ちよく信頼出来る所なら好いですよ」という。

「それならここは絶対に大丈夫です、私のお客も必ずここにして居ますから、後でフロントにご一緒しましょう」

 

「時間が掛かりそうなので、メンバーが増えるかも知れませんが、お願いします」と杉田さんが礼をする。
そこへグーさんが若い女性を連れて、戻って来た。

「あれっどうしたの?帰ってしまったの?」と杉田さんが声を掛ける。

「いやぁ帰っていません、この方が知り合いのリーさんなんです」と女性を前に出す様に横へずれる。

「リー・シンディーと言います」と日本語で挨拶、中国系でもなく日本人の女性と変わず日本語も標準語で、スラリとして美人だ。

「失礼しました、〇務省の杉田と言います、当然体の大きい男性を想像していたので、愕いて居ます、こちらが名護・マイケルくんです」とマイケルを紹介する。

 

「名護です、よろしくお願いします、僕も驚いて居ます、グーさんのお友達がこんな若い女性とは信じられなかったです」と素直に白状する。

「こちらがマカオ日本会の会長さんで、佐竹勝男様です」と会長も紹介する。

 

「佐竹です、私もグーさんは前からご存知ですが、隅に置けないなぁと思って居ましたよ」と笑う。

「皆様、何か勘違いなさってお出でのようで、どんなお仕事なのかはグーの叔父様から聞いていますが、お役に立てるか心配になってきました」と微笑む。