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∞心機一転まさるの日記∞

規律の厳しい役所を退職し自然豊かな山間の温泉町に道場を造りスタートしました。しかし元職からメールが一通!堅い仕事の師範役に逆戻り!

マカオから香港経由羽田まで正味7~8時間で移動したが、香港〇領事館には大変迷惑をかけた。

深夜便は空席が多く、杉原さんと神田〇視が、客室乗務のスタッフに断り3人だけ離れて、カンさんが被疑者と会った場面などを詳細に聞いて、事案の核心を把握した。

 

手筈通り領海上空で逮捕状を執行、二人には大きなコートを被せ、横付けされた黒のワンボックスに乗せ、神田〇視と二階堂〇部が付き関係車両出口から首都高に入る。

 

杉田情報分析官とマイケル・カンさんは一般帰国者と同じように降りる。出口に柳原〇部と新人の〇部補が、M&SSのワンボックスで迎えに来ていた。

 

取り調べは比較的マスコミが近寄らない、府中の研修所を臨時の取調室に改造して省庁をマタガルその道のエキスパートを招集し、日夜極秘裏に〇〇聴取した。

合同捜査会議

スタッフははM&SSが中心だが、〇務省と法〇省も関りが深いので、杉田情報分析官を筆頭に○○国管理事務所や〇労省や

 

〇衛省の諜報関係の宮田〇佐など普段なら〇が関でも顔を合すことが無いキャリアが、密接に検討する。

 

当然、カンさんも要所要所で参加し、供述をチェックしてリストアップ、自分が対応した部分の虚言を、取調官にその場で提出再度詰問する場面が多い。

 

カンさんの見聞情報は当事者しか知らない極秘で真相を突いて居る。

いまは被疑者を、府中の研修所で取り調べ中だが、其の経緯をカンさんの体験から、記載します。

 

①誰の紹介か不明だが高額の前金を米ドルで渡し行き先を明確に言わず、大陸沿いに南下して欲しい。

②クルーザーは馬力のあるレーダー、無線も多機能なモノが付いているもの。

③行程は3日から5日位で水と食料も用意し、目的は外洋でフェッシングをやりたい。

④大陸の〇備艇を躱すハンドル操作ができる船長。

⑤出港はマカオ南東部の漁港から目立たないように。

等々、条件が多く付いて居た。

 

カンさんは殆どの条件をパスできるが、不審を感じたので地元の役所に外洋に出る許可証を取ることを条件にOKした。

当初は、大陸の体制に反抗するグループかと考えたが、少し違和感が有る。

 

パスポートか在留許可証かビザか、証拠になるモノをコピーしないと提出出来ないから、貸して呉れと交渉したが【貸せないので自分が付いて行く】というので、アジア人の、アラブ系の男がトルコのパスポート出して許可証を取った。

 

出港は午前2時ごろ、二人の荷物はリックだけでマカオのタクシーで時間通り来たので、ゲスト用キャビンを提供する。他に2部屋ベット付きのキャビンはロックする。

 カンさんは、操舵室の脇の一室をオーナー用に改造し、特注の無線機・衛星電話機などをセット、12メートル未満ながら外洋航海船に匹敵する救命設備も装備し、突発事態に対応できるモノに装備は万全だ。

 

海岸線を南下しながら、〇山市沖の上川島付近で行く先を変えると言うので無人の岩窟海岸に近づけエンジンを止めた。

〇國と○○リピンの地図など資料を取り出し、英語で話し始める。
○○〇備艇を避けて、ここの海峡を抜けて〇〇アナ諸島に向かえ】と命令的に切り出した。

 

それはダメだ、このボートは40Ftも無いんだ、○○リッピン海は2~3千メートルもあって大波に合ったら、たちまち引っくり返ると渋った。

 

 カンさんは相手の要請が想定通りだなと感じ、ここで前回は手つき金だから全額要求した。相手は、まだ目的地に到着しないから半額だと云い張る。

 

こんな危険なルートは、倍額でも誰も行かないと強気で言うと、80%まで払うと、アラファトが自室に行く。千ドル紙幣の束をポンと置いて、いつ出ると高飛車だ。

 

ここで海上の天候で条件が変わるが、と前置きして

最低でも20メートル(65Ft)以上ないと沖へ出れないよと、大波の間に入ったら命は無い、最低でもこれを身に付けて置けと、救命胴衣を2着渡した。

 

二人は顔を見合わせ、怖気付いたような感じが伝わる。

【これも効果的だなと、自己満足】

80%でも半年分の収益

一応80%を手にしたので、相手の地図を借りて、「〇〇礁公園島」からフイリッピンのバタン緒島へ向かい、天気を見て風が少ない時に。○○アナ諸島に行く方法を提案し、様子を見た。

 

何か物騒なモノを持って居る素振りで、中々「うん」とは言わなが二人は一定の距離を置きながら、フランス語でやり取りして居たが、何日掛かるか、しつこく聞いてくる。

 

フランス語は良くわかるので、知らない振りして聞き分けて居たが【〇〇ランと日程】とか【〇〇Aがグアム】【ウイルスの有効性】とか、見当違いの会話が多かった。


グアムの景勝地恋人岬

 

キャビンを離したので、どこかに電話でもしたのか、真剣な顔で突っかかってくるのが怖くて、○○アナ諸島は米領なので良いことを企画して居る訳では無く、何を企んでいるのか悪い予感が強くなる。

マカオ沖からバリンタン海峡

以前にこのクルーザーより小型でエンジン故障でバリンタン海峡の方へ流され、フリッピンの漁船に〇タン島まで曳航された経験があるので、○○アナも非公式なら行ける自信はある。

フランス語のやり取りでは【〇〇パン島の水源地】とか【〇〇ラオベィーゴルフ場】など場違いな会話が多く、どこかのホテルもリザーブして有る様だ。

 

何かゴジョゴジョ言い合った居たが、何時着くと言うので1週間ぐらいかなと、大目に言うと4日にしろと、目を吊り上げているので、【兎に角明るい内は動けないから、釣りでもして居ろ】と備え付けの釣り具を2セット渡す。

 

海底が見える場所に移動して、アンカーを打ち操舵室をロックしキャプテンハウスで仮眠をとる。本来オーナー用のキャビンはアフトにあるが、カンさんは器機の関係でパイロットハウスの隣に作り替えた。

食事を終わって、マイケルと二階堂〇部とシンディ―が、後片付けをして会議室をきれいにし、警備の警官だけが被疑者と別室だ。

 

杉原さんが、本庁と話した感触を話す。

〇察庁も〇労も法〇も罪状が明確なら本国(日本国内)で搾り上げたい様だ。

ただ被疑者の出身地には未通告でやりたいが、東京以外の人目の少ない所でやりたいと虫の好いことを考えて居るようだ。

 

それと証拠品の開封をどんな方法にするか、賛否が分かれて決まらないようだ。

我々も見たが、あんな容器にどんな仕掛けか本人の協力が無ければ手を付けられないという事fだ。

従って、今日の尋問は中止、素早くここから離れて所長や局長に火の粉が掛からないように配慮すべきと考えて居ます。

 

リュー所長が遠慮気味に発言。
「確かに相手の誠意が感じられず、長期戦になりそうです、此れから動けば暗いうちに香港へ渡れます、シャトルバスを貸し切りは出来ますので動くなら早い方が好い」

「そうだね、〇領事館に電話して滞留場所をキープして夜の間に渡りましょう」と杉原さんが決める。

神田さんが、スマホを出して

「私もM&SSに通報して置きます、総領事で空の便をキープ出来ますかね」

カンさんが 思いがけない申し出を言い出した。
「私もご一緒しましょうか、まだ話して居ないことが多くありますから、参考になるかもしれません」と好意を示す

杉原さんが驚いて、

「それは大変ありがたい申し出で、直ぐお受けしたいのですが内輪の話として、承諾して良いですか?と神田さんたちの顔色を見る。みんなが「うん」と頷き笑顔に成る。

シンディーさんが【私わぁ】見たいな顔で不満そうだが、リィー所長が顔を寄せてコソコソと話しかけ、シンディ―さんが笑顔の戻る。

 

カンさんにハグしたいような感じで、神田さん・二階堂〇部・マイケルは満面の笑みで立ち上がり其々の職務に入る。
所長も

「私も、局長に連絡して最悪の場合、職権でシャトルバスを押さえます」と所長が自分のデスクに向かい電話するようだ。

マイケルと二階堂〇部は、其々の被疑者の部屋に向かい捕縄をしっかり結び、猿轡をさせマスクでカバーする。

二人を一緒にして一つの部屋に纏めマイケルが付き、二階堂〇部は警備の〇察官に礼を言い所長室迄一緒に行く。

 

カンさんとシンディ―は、何か相談事をしていたが笑顔で話が進んでいる様だ。

神田〇視は、鈴木審議官に電話で経過を報告し、計画の落としどころを模索している。

 

杉原さんは、香港の〇領事に飛行機の手配と空港近くで小休止出来るかやっている。

 

所長は、局長を探して居たが、やっと居所が分かりスマホに電話を始めた。さっきカンさんと杉原さんからウイルスの種類と目的を聞かされ、愕然として

 

ヤン治安警察局長も驚愕

「ヤン局長、あの二人は国の指示で動いているテロの一味でした、持ち物の小さな容器の中身を見るにはそれなりの施設で、機密の部屋で慣れたモノが電子顕微鏡でしか確認できない代物です。

目的はグアムの隣の島の水源に、病原菌のウイルスを散布すると脅迫する様です」

「何でそんな奴が紛れて来たんですかね、誰が言うのですか?」局長は機嫌が悪い。

 

「カンさんが何処へ連れて行けばいいのか何度も聞いて、○○の〇事基地の南沙の脇を真っすぐ南東に進めと脅すように言われたようです。

深度深いので行けないと突っぱねたが雰囲気がヤバいので、迷いながら途中で突き落とそうかと考えたが、相手が隙を見せないし相手が二人で、一人では運転しながら抵抗できないので我慢した。

クルーザーを気付かれない様に蛇行していると、飛行場が見える所で本土の〇安の〇視艇に捕獲されホットしたようです」

 

「南沙の傍は軍の警備のエリアなのに認識不足だな、〇南島まで行かないのは理由が有るのかな、まぁそれは良いとして、どんな作戦」

 

「杉原さんたちは、ここにいるとマカオに迷惑が掛かりそうだから、暗いうちに香港へ渡り直行便で羽田に戻る様です。

 

若し夜のシャトルがトラブったりしたら、あの二人の事が表面化することも考え、極秘に移動させたいのです、シャトルのターミナルに一言入れて欲しいのですが?」と依頼する。

 

「それはお安い御用ですよ、所長が云っても同じ効果が有るでしょう、電話番号は~

それと4人のお役人は、上手く乗り切る気持ちと云うか気構えが有るので、上手くやって呉れそうですね、よろしく伝えて置いて下さい」

はい000X000です、お願いします」と礼を言い切る。

 

杉原さんが、事務所に顔を出し、香港が万事OKという事でこっちの準備ができ次第出発にすることになった。

カンさんは私用で行動を共にするという事で、パスポートも持参しているので、香港で審査をすればOKだ、あの二人はパスポートを持って居るので問題なしだ。

 

所長が自分の車を出し、事務所の前に停めた。

シンディーさんのワゴンは被疑者二人と神田・マイケル・二階堂の警官と局長の部下二人も制服で警備のかたちで乗る。

 

所長の車に、杉原さんとカンさんが乗り先に動き出し、ベンツを待つ感じで徐行しながら、一般車が入れない場所から入境審査のエリアに入る。

 

警備の人間が2~3人寄ってきたが、リュー所長が手を上げ静止し後ろのワゴンから〇察官が先に降りてドアの両脇を固める。

 

所長が事務所の当直に一言命令してカンさんの審査から始まり、日本人の役人4人も入国時の査証が有るのでOK

最後に被疑者のパスポートをマイケルと二階堂〇部が提示しパス。

 

シャトルバスは乗客ゼロで、自働的に貸し切り状態で、所長が運転手に何か言葉を交わしていたが、OKと言った感じで、エンジンをかける。

シンディ―が入り口のステップに乗り、私も行きたい見たいなジェスチャーでみんなを笑わせ「また来てね。今度はお仕事でなく観光で来てください」と礼をする。

所長が「今回は楽しい経験でした、こんなことは滅多に体験できないことですが、皆さんの大きな気持ちが伝わり、私もツイツイ本気になってご一諸出来ました有難うございました」と丁寧に礼をする。

 

杉原さんが「今回は香港もそうですがマカオは私のファミリーが居る様な街になりました、お二人いや三人ですねお礼に日本へお招きできる機会を造りたいと思いますので、私がもう少し給料が上がるまで待ってください、神田さんたちはお金持ちですが私はまだ足りないので、お楽しみに」と笑わせる。

神田さんとマイケル二階堂の三人も同時に立ち「お世話になりました有難うございました」と声を揃えて挨拶しバスは軽くクラクションを鳴らして動きだす。

 



まばゆいネオンが煌めき、マカオの町が次第に遠のく(^^♪

 

緊迫の所長室だが室内の関係者は、流れを見てるので何かあるなと思った瞬間だった。

「何だよ、何処か傷ついたか?」とマイケルが平気な顔で、イワンの顔を覗き込む。

イワンは顔いろが白くなるほど緊張して、手が震え、唇は紫色だ。
 

マイケルがみんなに頷き

「イワンが具合悪そうだから休憩します、別室に移動してアラファトと交代させます」と宣言し、シェービングローションの容器をさっきのポシェットに入れ、神田〇視に渡す。

 

二階堂〇部に合図し、両脇を抱え立ち上がらせ足が利かないようなので引きづるように廊下に出ると、所長が出て来て(どうしたの)のみたいな顔で立って居る。

 

神田〇視が
「隠し玉に触れたようで、愕いて気絶寸前でリタイヤです、隣のお部屋をお借りしたいのですが宜しでしょうか?」と聞くと所長が「うん」と言うように頷く。

マイケルたちが、イワンを引きづって隣の小部屋のソフアに寝かせ、警官に監視を頼む。

 

「あの声は相当なもんでしたね」とリュー所長もショックを隠せない。

「次はアラファトだが、こっちの方が手強そうだが、私が尋問、マイケルくん書記、二階堂くんは監視で遣ろうか」と神田さん。

 

「その前に、小休止しましょう」とシンディ―が仕切る。

杉原さんは頭を掻いて

「本物は違うなぁ~取り調べの現場は初めてだったから、強弱をつけてトコトン突き詰めて行かないと落ちないんだね」とシミジミと感想。

 

 シンディ―は、食事は大きな会議室の方が食べ易いようなので、

「食べ物は向こうに移動して、入れ替わりましょうか」と、広げたモノを袋に入れる、みんなで手伝い移動し、大きな部屋に来た。

アラファトに警官が付き添い、今までイワンの居た部屋に移動させる。

やっと深夜のディナータイムでシンディーが
「はいっ杉原さんが何もしなくて、一番疲れたご様子なので、どうぞっ」と最初に出す「やぁ女神にお茶当番をさせて仕舞いました、有難うございます」と礼を言う。

「次はフランス〇視庁のマイケル〇部殿お疲れ様です」とお茶を差し出す。

「この部屋は未だ夕食に有りついて居ないので、これから軽く取ってください」と袋から食べ物を取り出し並べる。

 

さぁ食べようかな席についたところへ、着換えてさっぱりしたカン・ソンシが

「やぁ遅くなりました」と入って来た。手には食べ物の様な香りが周りに漂う袋が。

 

「カンさんは暫く軟禁状態かと思っていたが、美味しそうなものを調達してきてくれたようだよ」とリュー所長が歓迎の言葉で和ませる。

 

カンさんは日本の公立大学を卒業したので、日本語も中国は勿論英語もポルトガル・フランス・ロシヤ語も話すことも書くことも不自由しない人だった。

カンさんが見回して、被疑者が見えないので

「まだやっては居ないのですか?」と聞くので神田さんがマイケルに頷く

 

「実は2時間近く前から始めたのですが、言葉の問題もありますが、未だ肝心な物の認知と動機・行先まで行っていません」とマイケルがトーンダウンの話しぶりだ。

「そうだ前に局長から聞かれた【何か大事なモノを見たか】と聞かれたが、何ですかね、船の上では特別感じませんでしたが、いつもザックは離しませんでしたが、中に有ったのかなぁ」とカンさん言う。

 

「入れ物らしいのを確保しましたが、空けたらこの部屋の人だけでなく、凄い感染力のウイルスを持って居るんですよ」と神田さんに渡した袋を目で探す。

神田さんが部屋の入り口のカウンターに目をやり、あそこだと言う。

 

「な~る程、それを何処かに売りに行こうとしたのかな?」とカンさんが首を傾げる。

「な~んで南沙を渡る?って」と口を閉ざす。

「カンさんその先は、暫く封印して下さい」と杉原さんが口に指をあて

「それでは、差し入れが豪華になったので、頂きましょうかぁ」と打ち切る。

 

レストランよりバラエティーに富んだお食事が和洋中華と、盛りだくさんだ。

杉原さんは、取り調べの部屋から出て本庁と連絡、マカオから羽田の直行便が少なく、国内の会社の便数が限られるので、香港にバスで移動し、融通の利く国内便を選ぶことにした。ただ本庁はターゲットが持って居るものと、行き先が問題で深刻な事案になって居た。

 

被疑者二人は、悪びれた表情でもなく言葉が分からない風だが、実際は理解して居るのだろう。
入境事務廰の職員が帰宅し、宿直と幹部が残った大きな所長の部屋は、チームの待機場所にして、小さな会議室に杉原さんとシンディーが派遣されたJの〇察官と同じ並びに座った。

先ずイワンから始める。

何処で捕まったのか理解できていない様で、イワンは固まって声が出ない。
マイケルが、フランス語でプロフィールを尋問する、キレイなフランス語に戸惑ったのか、住所も出身国も曖昧に話す。

どこの言葉か理解できない事を喋る、マイケルは2度3度と同じ質問を繰り返す、マイケルは表情を変えずに正面から顔を見つめて問い掛ける。

マイケルが苛ついた風情で、頭を振り周りのメンバーに目配せして

「おい!イワンよ嘗めんなよ日本の警察が何しに此処へ来たかか分かってないな!」と

喋りたくなけりゃいいよ、「海に落ちました」と報告すりゃ好いんだからこの建物の外は深い海なんだよ、君の体なんか1時間も持たずサメの餌食に成っちゃうよ

 

日本語で顔を真っ赤にして怒鳴り、テーブルを思いっきり叩く、

 イワンより先に、まわりが飛び上がる程ビックリ、シンディ―は立ち上がって逃げ出しそうに身構えている。

 

落ち着いて眺めて居るのは、神田さんと杉原さんだけ。

イワンが体を震わせ表情が変わった。
ぼそぼそとフランスの住所と、東京の住所をタドタドシク話す。

書いていた二階堂〇部が、書き終わって目を上げ

「東京のマンション名と部屋番号をもう一度」と、こっちは英語で催促する。

 

もう一度喋るが、マンションと実際住んで居た場所が違うのがバレバレだ。

「東京で、住んで居た場所が違うんだろう」とマイケルがトーンを落として聞く。

イワンは、何かを訴えるような顔で文字を書く仕草をした、紙とペンだろう。

二階堂〇部が、ボールペンとレポート用紙を取り出し、前に出す。

 

ボールペンで何かを書きだした。

フランス語だが、東京のアジトらしい。

マイケルが「お前さんは東京で2か所のアパートメントを持って居たのかい、豪勢だな」と言いながら、「病院で何を治療して居たんだね」とやんわり聞く。

 

「治療では無く、研究所に居ました」と少し観念したように話す。

「研究所で借りたパソコンを壊したね」とカマを掛ける。

 「壊しては居ませんが、メモリを借りて来ました」

 

「黙って持ち出したんだろ、盗んだのだ!泥棒だよ、今どこにある」と強めに言う。

「ザックに入れています」というのでマイケルは動いて、部屋の隅に置いたザックを見せ「どっちだ」と言うと、片方を指す。

 

マイケルが、自分で持ってイワンの前のテーブルに、ど~んと投げる様に置いた。

イワンは、慌てて立ち上がり、抱え込む様に引き寄せる。

「そんなに壊れやすいのか?」と白々しく聞いて見たが無言だ。

自分で開けようとするので、マイケルが自分の方に引き寄せる、それでも端の方を掴み離さない。

 

「ダメだよ此れは押収品で、君のモノじゃないんだよ、開くのは俺がやるから何処にあるか云いなよ」とホックやジッパーを開け始めると、立ち上がって手を出しそうだ。

 

マイケルが取り調べを始める前に、神田さんと柳原さんに、時間が掛かりそうので携行しているウイルスの入れ物のあぶり出しをやりたいと提案する。

「どんな形で行く?」と聞くので

「裸にしてベルトやパスポートのケースや、ザックをわざと乱暴に投げて、反応を見るとか、USBとかHDDなどを取り出して、ドライバーでこじ開ける仕草などを遣れば、ウイルの怖さを知って居れば、どこかで大きな反応が出ると思うんです】
 

 マイケルはさっき言った、どう猛さを表に出し始めた。

 

マイケルはイワンの手を払い除け、お構いなしにどんどんとテーブルに並べて行く。

ビニールのクッション材にくるまれたHDDとUSBなども出て来た。マイケルは無造作にポンポンと硬いテーブルの上に投げて行く。

 

「あぁこのハードデスクか」と呟き、表面から見ても何も見えないがこれもポンと置く

同じ入れ物に、シエービングとそ替え刃などもある。

 

シエービングローションのお脇に少し重いHDDを、どんと投げる様に置いた。

こまめな野郎だなと思った瞬間、イワンが腕を伸ばして立ち上がった、マイケルがその動きを予期して居たようで、置いたローションの小瓶を瞬間的に掬い上げ右手の中にあった。

イワンの右手は空振りで、身体はテーブルの上に上半身を寝かせた状態だ。

 

「イワンどうしたね、具合でも悪いのか」と神田〇視がフランス語で呼びかける。

マイケルがポケットからドライバーとナイフが組み込まれたツールを出して、シェービングローションのビンを左手に持って、ツールのボタンを押してナイフが飛び出した。

その時 

「ギャァ~」と殺されたような声でイワンが叫ぶ。

 

隣の部屋で待機していた所長や被疑者のアラファトと警官二人が(局長が取り調べの間、警護として配置した〇察官だ腰を上げてホルスターに手を掛けて立ち上がる。

局長が車の傍に来て

「シンディ―ちゃん、私に差し入れを買いに行って居たんだってねぇ」とご機嫌がいい

「そうです、そろそろ、ディナーのお時間なのに、科学館までドライブはお気の毒なので、マイケルさんと仕入れて来ました、向こうへ着いたらお渡しします」

 

「それはご苦労様でした、マイケルさんもありがとうね」とマイケルに声を掛ける

「いやぁ私は運び屋ですから、何もしてませんでした」と笑う。

 

香港から来た連中は、局長ともシンディ―とも気軽に会話してるマイケルが羨ましそう

 「それでは日も暮れて来たから、出かけましょうか、日本の方々はワゴンに収まりそうですね、所長さんパトカーと護送車どちらにしますか?」と局長が遠慮気味に聞く。

 

「未だ経験が無いですが、初めての護送車に乗せて下さい」と2キャブタイプの頑丈な護送車に乗る。

 先頭を護送車で、次に警察車両が1台続き、ベンツのワゴンに8人乗ったが余裕がある。

 

走り出して直ぐ、パトロールカーの無線でカンさんのチャンネルに合わし呼び掛ける。

「こちらマカオのヤン・ワンヅです、感度確認! カンドカクニン!」呼び掛ける。

 「はい 大変良好です、只今マカオ国際空港を左側に確認できます」
 

「 こちらは左にホテルやらカジノなど賑やかな孫逸仙大馬路を走っているから、もうすぐ科学館ですよ

「了解しました、先ほど〇備艇に併走して、局長さんと打ち合わせたことを話しました」

「どんな反応でした」

 

「艦長さんは前からの知り合いですから気軽に話せる人で【それは良かったですね、上からも余り目立つ場所には接岸するな、洋上で待機しろと言われて居ますから、高速道路の橋脚の脇で上陸を確認します、上陸を確認したら離岸します】と言って居ました」

 

「それでは手筈通り、少し薄暗いかもしれないが照明は付けないので、黒のワゴンがハザードランプを点灯している所に付けて下さい、いま科学館の脇から岸壁に向かって居ます、あぁ空港の照明でクルーザーと〇備艇を確認しました、私たちは建物の脇に停車します、今シンディ―ちゃんがハザードを点滅させながら岸壁に向かって居ます」

人工島の先端に横たわるマカオ科学館は、中の地列は垂直に水平に賃れてされて居ますからご安心ください(^^♪

「はいこちらからも、ワゴンがユックリ海に向かって来ます、局長有難うございます、後日事務所に顔を出します、〇備艇に状況を連絡します」

「あぁシンディ―ちゃんが、おもちゃを買ったようだから,しっかり渡してあげて下さいね、さようなら」と無線を切る。

 

シンディ―の車は、岸壁のギリギリの所に停まる。
岸壁にはコンクリートの階段が水面まであり、ライトを付けたクルーザーは、階段を確認したようで少し方向を変えながら10メートル位で、エンジンを切りカンさんが外に出て小さなクッション材を三つ持ちって舷側に垂らす、錘を付けたロープを岸壁に投げた

 

シンディ―が外に出て、カンさんの投げた係留ロープを拾い、ガードレールのポールに結ぶ。

カンさんが舳先に周りロープを持って階段に飛び降りる。
ロープを固縛し、岸壁に立ちシンディ―に一言二言交しワゴンを見る、その時ワゴンからマイケルがスポーツバックを両手で持って近づいてくる。

 

お互いに無言で、シンディ―が受け取りカンさんに渡す

「シンディ―有難う、Mさん有難うございます」と深く頭を下げ階段を降り、バックを艇内に押し上げて、身軽に飛び上がって同時に艫の方に駆けて行く。

 

ドアを開けて、ゴソゴソやって足のロープだけを外した、30代の外人と東洋人の様な中年の男性を外に出し、後ろから捕縄をもったカンさんが始めて笑顔で、声を出した。

 

「二人の不審者を捕獲しました、日本の皆様お渡しいたします」とパトカー迄届く大きな声で、引き渡しを宣言した。

 

二人の不審者は、猿轡をしたまま目を白黒して居たが。観念したように下を向いた。

素早く接近した3人の警官が捕縄を受け取り

「カン・ソンシ様有難うございます、確かに受け取りました」神田〇視応える。

 

局長のパトカーと護送車も近くに来て、神田〇視と二階堂〇部が、護送車に連れて行き、押し込んでいる。

「あの二人の荷物を持ってきます」とカンさんが再びクルーザーに戻り、大型のザックを持って来たが重そうだ。


マイケルと二階堂〇部が静かに持ち上げ、ワゴン車に載せる。

神田〇視が、戻って来てカンさんの傍に行き小声で

「今晩尋問するのですが、何か参考に成ることが有ったら、お知らせ願えませんかね」と、頼んでいる。

 

「特に思いつかないのですが、この船を私の艇庫に入れて戻り、ご一緒しても良いですよ」とイとも簡単に承諾して呉れた。

「じゃぁ時間と場所は後で電話しますから、〇備艇にお礼をして下さい」

「そうね後で電話するからお家に帰って、お家族を安心させて」とシンディーが仕切る

 

ヤン局長が傍に寄り「カンさん有難うね、あなたは英雄ですから何時でも良いですから遊びに来て下さい」と笑顔で握手

「来るときは電話して下さいよ、美味しいワインが有ったら、忘れないでね」と局長もしっかりおねだりを忘れない。

「私の方も色々ご迷惑をお掛けしました、有難うございました」と握手しながら丁寧に頭を下げて礼を愛し、身軽にクルーザーに飛び乗る。

警笛を短く鳴らしクルーザーは岸壁を離れる。

海上の高速道下に係留している、公安の海上〇備艇に近づいてゆく。

 

〇備艇からも、ボーボーと挨拶の汽笛が吹鳴、陸上の車両もクラクションを鳴らしながらカジノ街のネオンが海の照明のようなの海が明るい。