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∞心機一転まさるの日記∞

規律の厳しい役所を退職し自然豊かな山間の温泉町に道場を造りスタートしました。しかし元職からメールが一通!堅い仕事の師範役に逆戻り!

カン・ ソンシさんの生い立ち

カンさんは日本人でした。(本名は榊原修二と言い長野県出身です)

東京のT工業大学に在学し、体育系の空手同好会で3段を取得したが、それが災いして休学になった。

 

友達と自由が丘駅前で食事、ぶらぶらと駅まで歩いている間に起きた。

連れの女子学生が前を歩いて居て、酔った他校の学生2~3人が肩に触ったり抱き着いたりふざけ始めた、榊原さんがそっと寄って相手をどかしたが、しつこくて逆に榊原君の顔を殴って来た。

 

道場外では空手の技を使うのが厳禁なので、顔を引いて衝撃を弱めたが、瞬間的に右手で相手の顎を突いた。

道場の練習時で[形]の「掌底打ち」を充分注意する技で、受けは顔面・頭部なので不快感が残るので「形」だけにして来た。

 

今回は至近距離で殴られ、無意識に右手をだした。

対人で初めて繰り出した技が酔った素人の学生を打ち、まともにあたり4~5メートル飛んで気絶していた。

酔った学生は初対面で遺恨は無いが、以後入院して顎の骨が折れ食事が流動食や点滴などで障碍者になるだろうと言われて居た。

 

皆の証言で不可抗力の正統防衛だから処罰は無かったが、道場では街で酔っ払いに空手の技を使ったと言う理由で、謹慎処分になった。

謹慎で海外修行  
大学の処分はないが居心地が悪く、休学して海外に反省旅行に出た。
海外に出たのは謹慎修行の名目だが、好きな武道で謹慎に成るなら稽古しない修行を目指し、身近なアジアの地からスタートした。

語学は英語と中国語をやって居たので、最初は台湾に1か月くらい居たが、国が狭いので上海に移動した。

空手を封じて中國を転々としながら、時に早朝の公園などでお年寄りの中間入りをして、中國古来の武道「太極拳」のおさらいを見よう見まねで、少しづつ形になる。

 

太極拳も元は武術として発達したが平和な時代になって、身体の健康のために柔軟な動きで健康維持に継続して居るようだ。

榊原さんは空手の経験から体の急所など強弱を心得ているので、初対面の道場などでもこころよく体験さして呉れれた。

河南省の少林寺に寄ろうと考えたが、当初は武道から距離を置こうと考えて居たので、優雅な太極拳を楽しんできたが、次第に体が「突き」や「飛び」が恋しくなってきた。

 八極拳との出会い
一方 河北省に起源があるとされる「八極拳」は、より攻撃と防御を重視した接近戦に即した武術として、継承された居ることを知る。
何となく、空手意外の武道にも興味が強くなる、中国の武道も空手に似て身体を極限的に鍛えて俊敏な動作が求められる。

 

深圳の街は新宿や秋葉の様な家電や電気器具のショップが多いが、少し外れた街並みは昔ながら伝統的な中国の街並みだ。

 

徒歩で街を眺めて歩いて居て、看板が掛かって居ないが道場から気合が聞こえ、思わず足を止めて目を瞑って練習風景を想像していた。

 

突然「你生病了吗?」(具合悪いの?)と女性の声がした。

愕いて周りを見ると、道場の窓から高校位の女の子がが顔を出して声を掛けていた。

 「不,没关系」(いえ 大丈夫です)と思わず中国語で返事していた。

「喔好」(あぁ 良かった)と笑顔になっている

 

「如果您有興趣,請輸入」(興味があるなら寄ってください)と招いて呉れた。

「請給我上課」(お稽古を見せて貰います)と会釈しながら右側の方に回ると、大きな玄関が有り、さっきの女子の練習生が笑顔で待って居た。

 

外に聞こえていた掛け声は、かなり厳しい声で気合が入って居たが、にこやかでもの静な対応で、恐縮しながら、道場に案内され見所(ケンゾ)の方に行くので

「好在這裡」(ここで良いです)と膝を着くと
「請掛在這裡」(こちらにお掛けください)と道着を付けたご婦人が、見所の長椅子を指差して居る。

ここで親日家に遭遇
「お稽古の邪魔をして大変申し訳ありません」と日本語で話し頭を下げた。

すると「どういたしまして、お好きなようですからごゆっくり」と日本語が聞こえた。

あれっと思い顔を上げると「日本語でどうぞ」とさっきの高校生が傍で笑っている。

「日本の方ですか?」と聞くと

「日本人では在りませんが、一年の半分くらいは大阪とこか、横浜にゆきますので、半分は日本人かな?」とご婦人は澄ました顔で言う。

 

日本式で言うと、200畳敷きくらいでかなり広く、通りからは小さく感じるが、玄関から入ると奥へ広く、歴史を感じさせる建物で平日の午後だが50名くら稽古していた。

榊原くんは2時間くらい滞在し、打ち解けて八極拳を十分堪能し、手ほどきも受け空手の技も封印を解いて、存分に汗を流しシャワーも使わして貰った。

 

この事があり深圳が、身近に感じ雰囲気が気に入り、資金も底が見え始めバイトでもしようかとその足で領事館に顔を出した。

◎カンさんこと榊原修二さんは、普通に卒業すれば電子機器のトップ企業に内定して居たが、何気なく防いだ右手が鍛錬した技になっていた。
みそぎの旅が波乱に充ちて、並の人じゃ耐えきれない万丈の体験が続きます(^^♪
M&SSのメンバーでは在りませんが、まさると連携した海上探索はメンバーに等しい活躍でした、ここで紹介に値すると思います。ニコニコ

「国内旅行は、時間の都合付くときは女房と一緒にお付き合いしますから、向こうで相談しましょう、マイケルくんシンディーさんを招待の話は始めてだが~」

 

「そうですね、その話は僕も初めてですよ」とカンさんも驚く。

「マカオで、カンさんが警備艇とドッキングして、クルーザーで戻ることが決まった時、杉原さんが【リュウ入境管理所長とリー・シンディーさんを東京にご招待できないかなぁ】とそんな希望をお話していたもんで~」

 

「そうでしたか、その時は僕も加わりたいですね」とカンさんも乗り気だ。

「その話は、外務省の杉原さんのお気持ちで、予算もスケジュールも具体的ではないのですが、香港・マカオと追跡したがシンディーさんの叔父さんの機転で、シンディーさんとカンさんにお会いして事案が収束方向に向いたので、率直な発言でした」

 

「そうか大人になったシンディーさんも、お会いしたいね」とまさるも興味を示す。

その時カンさんのスマホが着信音が~

「おぉ~今 高崎を通過したようです、あと一時間位だそうです」

「それでは,僕たちも用意しますか?」とまさるが立ち上がる。

 

「名護〇部 アラファトがダラケテきたら【死体袋は届いているから】と仄めかして油断しないで仕上げて下さい」とカンさんも立ち上がる。

 「えっつ死体袋とは、物騒な話ですね」とまさるが大きくうなずく。

 

「カンさんのお陰で、ゴールが見えてきましたよ、有難うございます」と丁寧に頭を下げて礼をする。

まさるとカンさんは、余裕があると思って東京駅に着いたが、ほとんど同時に着いて改札ゲート前でギリギリセーフだった。

 

 10年ぐらい前にマカオで会っているが、全然変わらず日本語も普通の会話ができる。

「今回も主人がお世話になりました」と礼を言う。

 

「いあや~全然変わらない奥様にお会いできてうれしいです」とまさるが挨拶。

「あれっつ 柏木様は冗談も言うのですね?」と首を傾げにっこり笑顔になる。

 

カンさんはにやにやしながら、口出しせず奥さんの荷物を受け取る。

カンさんはショルダー一つで行動していたが、長野から奥さんんが運んできたようだ。

 

少し時間があるので、構内のカフェに腰を下ろして話を続ける。

「あの頃は、一人で海外の事案に対応していましたから、しかめっ面でしたね」と笑う。

 

「台湾から香港・マカオ・フィリピンと、かなりイレギュラーな仕事を遣って戴きましたね、本当に助かりました、私は兄弟が姉だけですから兄のような存在でした」

 

まさるはLINEで彩音さんに奥さんも一緒だよと伝えと、彩音さんは、おりこみ済みのように【大丈夫です、香織さんと豊さん・小野寺さんもお出でになるので、一緒に夕食を用意しておきます。お迎えは豊さんが行ってくれることになっています】

カン家は奥さんが強い?
カンさんに伝えると「気を遣わしたようですね、突然の話で~」とユウリンさの顔を見る。
「えっ あなたお知らせして居なかったんですか?」と当惑する。

 

カンさんは「捜査の尋問が今日の昼前までかかり、ゆっくりお話しするのは今日の午後からだからね」とまさるにウインクする。

「いや~私が来ていること忘れて居たのでしょう?」と突っ込む。

 

「奥さん大丈夫ですよ、我が家は道場をやっているの、いつも家族以外の人が2~3人いますから、気になさらず。

ソンシさんも捜査員と同じレベルの勤務体制のようでしたし、僕は当事者じゃないので極力タッチしないで来ましたから、コミニュケーションが取れていませんでした、この間、長野に戻った時メールを頂き知ったのです」

「そうですか?この人は仕事になると、脇目もふらずに一直線みたいな人ですから、ご迷惑をお掛けしているかと心配なんです」

「そんなことないでしょ.何時もキチンと連絡入れてますよ」とカンさんが抗議する。

「子供たちも、お父さんは外国の人とうまくコミュニケーションとってお仕事しているのかしら?と心配していますよ」

 

「奥さん、カンさんはお願いしたことは必ず守る人で、そう言うう点では信頼出来るのですが、チョットやばいかなと思うことをうっかり話すと、そのこともきちんとやっていただき助けられました」

「今回は、私まで付きまとってご迷惑をお掛けします、よろしくお願いします」

そんなことを言いながら、19時前のはやぶさに乗って古川に向かう(^^♪

マイケル・二階堂・神田・杉原の4人が派遣されたウイルス事件は、大国を脅迫未遂に終わった。

カンさんは大学の研修所取調室から、武道場に顔を出した。

まさるも少し早めに切り上げ、研修生を開放しシャワーを浴びて、着替えているとマイケルと一緒にカンさんがドアの外に立っている。

 

「あれっつ 東京駅じゃなかったの?」と珍しくまさるが慌てる。

「驚かしてすみません、ご報告が遅れまして申し訳ありませんが、少し事情が変わりました」とカンさんが周りを見回す。

ここはシャワーとサロンが続いている、職員用のロッカールームの続きで談話室になっているので、寛げるコーナーだ。

 

「それにしてもマイケルはデカ長室じゃないのか?」とこっちも気になる。

マイケルが「その辺から整理してご説明します、新幹線は大丈夫ですか?」時計を見ながら話しだす。

「うん大丈夫だ、2時間以上あるから」とまさるも一呼吸おいてテーブルのコーナを使って3人が向かい合うように座る。

 

「実は先ほど神田さんが、カンさんに一芝居うってもらい、アラファトと言うアラブ系の男を締め上げ、決着付きました」

「まさか八極拳を使った分けでないだろうね」とまさるが心配する。

「わたしは至って温厚なビジネスマンですから、荒っぽいお仕事は生に合わないですよ」と笑う。

 

まさるは「何を言うんですか、マカオ・マフィアも一目置くミスターカンが、今回はご本人がそう言うので聞いて置きますか」と納得顔だ。

「まだ調書は完成していませんが、関係者の慰労を兼ねて早仕舞いになりました、本人が自白し、緒に就いたので誓約書にサインさせ、明日から通常時間で仕上げることにしました」

 

「そっちも早上がりだったのか、カンさんと待ち合わせなので余裕をつけたが~」

「柏木さん、実は私の勝手な都合ですが、私以外の人間も同行して良いですかね?」と聞く。

 

「それは大丈夫ですが、まさか名護くんでは無いでしょうね、彼を連れてゆくとお姉さんも行くと言い出すので、業務に差し支えそうなのでね」と念を押す。

「えっつそんな繋がりがあったのですか?マイケルさんではなく、カン・ユウリンと言う私の女房なんです」

カン夫人のユウリンさんのイメージです(^^♪

「えっつ奥さんが来ていたのですか?それは知らなかった、大丈夫です」とまさるがにっこり笑顔になる。

マイケルが「いつ来たんですか?全然お話にならないから、神田さん杉原さんも知らないのでしょう」と当惑している。

 

「これはマカオを出る前に家に帰った時決めて、こっちが落ち着いたころに連絡することにしてありました。この間私の関係の事情聴取が一段落したところで、長野に呼んだのです」

「そうでしたか、奥さんに会いたかったなぁ」とマイケルは残念そうな顔でつぶやく。

シンディーさんは来ないのかな?

「しばらく滞在しますから、東京に来ますのでその時お食事会でもやりましょうか?」

「それは楽しみですね、リー・シンディーさんはいつ頃招待するのかなぁ」とマイケルは違う人を想定しているようだ。


 

大国を脅かすウイルス操作

 イワンとアラファトは捨て駒で、本番は外交のスペシャリストが暗躍している様だ。

アラファトの入出国管理局の記録から東京のアジトが判明、〇視庁に捜索を依頼した。

 

この件は香港の〇領事館から送付された、イワンとアラファトのビザを東京でチェックし、国内に関連団体が所有していた、研究所と言う名目のアジトだった。

中東の火種と、東アジアの問題児も関与した組織が国内に存在していた。

 

その大きな目的が、大国の海外の統治領域のリゾート地を、違法操作で培養した病原ウイルスで汚染し、大国を強請るストリーだと言う。

〇衛省のNIDS(○○研究所)の宮田研究主任がSSDの解読を継続して居て、暗号の乱数が何度か変更しているとき、本国の極秘部分を3行くらい添付資料を発見した。
暗号文の解読で
「水源汚染で住民の殺傷」を実施し、架空の交渉では無くリアルな動画を提示して、交渉のテーブルを優位にするという部分が判明した。

アラファトとの接点が重要なカギで、個別の取り調べ中でまだ公表されて居ないので、弁護士も付いて居なく最終的に海外追放の形になりそうだ。

 

非公式でSSDの通信記録と海外へ密出国と東南アジアで確保したことを伝えてある。
国内在留者で違法な密出国の同道し、多額の米ドル紙幣を所持も疑惑が有るので取り調べは続いている。
カンさんの事情聴取終了捜査の協力者で密出国後に脅迫的な接触で、カンさんの地の利を活かした巧妙な操船で、大陸の公安警備艇の待機場所近くを意識的に通過する。

自艇で拿捕覚悟で領海を侵犯し、事情聴取で明確に脅迫された事実を伝え、穏便に決着をつけ領海超えの渡航を中断・被疑者確保に辿り着いた功労者である。
カンさんは実家が長野だが、柏木まさる氏に会いたいので、暫く国内旅行を兼ねて川渡に行く予定だ。
カンさんは会社をカン社長の実弟に譲り、海上輸送会社が利益が上がる会社になった頃、まさるが極秘任務で密接な付き合いが始まった。
まさるがホンコンや台湾のミッッションでは、時間をつくってマカオで顔を合わして情報交換をしながら、交流を深めてきた。
今回も、府中の研修所で極秘取り調べなので、マイケルを通じてカンさんも取り調べに参加していることを承知していたが、公的入国なのでメール等で挨拶程度にしてきた。
捜査過程が終盤の大国との話にに入ったので、カンさんも一旦離れ実家の長野に顔を出して、休養したようだ。
まさるが川渡からメールし、遊びに来るように話すと【喜んで伺います】と言う返事で2日後に会って一緒に川渡に行くことになった。
東京駅で待ち合わせの予定が大学の武道所に顔を出し、まさるのの指導を眺め合間に近況を話したりのんびり過ごす。
敷地内の研修所のデカ部屋で、フランス語と中国語を駆使して締め上げたが、アラファトはまだ全容を話していないようだ。
取調室に顔を出してあいさつしたが、マイケルと二階堂〇部が交互に尋問して〇視庁でアジトを捜索・押収した中身から、角度を変えながら攻めているようだ。
神田さんが、カンさんに再度立ち会って脅しを掛けて欲しいと言う。
マイケルが尋問で、若い〇部補が書記をやっていたが、カンさんが静かに入室すると、アラファトが表情を崩してホッとした顔のなる。

カンさんのアドリブ
カンさんは無表情にマイケルの隣にパイプ椅子を並べて掛ける。
マイケルに頷き「全然進んでいないようだな、正直に話さないとお前たちは南シナ海に「溺死体」で浮かぶことになるよ。

 

「日本で取り調べをしているこの捜査は、非公開で弁護士も付いて居ないだろう。
まだどこにも届けず非公式だから、2人を抹消するのはごく自然で簡単な方法だよ」と脅す。マイケルは驚いて声を上げそうになったが、カンさんが親指を立てて
「俺はこれで飯を食っているので、非合法な処理は手馴れているから、2週もこんな状態なら始末しようと結論が出たよ」マイケルも驚いて顔を向けてきたが、

「杉原さんと神田さんも関係部署に報告していたよ。死体収納袋に入れて明朝大型クルーザで出港するよ」とあっさり話す。
「俺の免許は外洋にも出れるんで、海流の早いとこでウエートをつけて流してやるよ」
「誰に義理立てしているのか、東京のアジトは閉鎖して住民は違法滞留で本国に送還されたから、アラファトが入国したことも誰も知らないし、マカオでボートを出したのが切っ掛けだから、寄ってみたらさっき決まったようだよ」

 

「目的・依頼者をきちんと話せばいい方向に行ったのに残念だな」と、マイケルに向いて、あとで袋を2本持ってくるから、あのワンボックスでバース迄運んでよ、海に出てしまえばエンドだよ」と、カンさんはにこやかに立ち上がる。
「じゃ~今日はそう言うことで終了します」とマイケルも真面目な顔で立ち上がる。
アラファトは、何か言いたそうにモジモジしながら、カンさんとマイケルの顔を交互に見つめて、顔色が青くなり泣きそうになった。
アラファト堕ちる
「残念だったな、知っていることを話して呉れれば、こんな悲惨な結論にはならなかったのに~」とマイケルが〇部補に手錠をかける仕草を示す。
カンさんは、ドアを開けて外に出る。
後ろから悲痛な叫び「ミスター・カン、ミスター名護 もう少し時間をください、全部話します」と鳴きながら必死な声で訴える。
「今までと同じことを話したらその時点で終わりだよ、 マイケルさん僕は此れからまさるさんの家に行くので、中身を教えてください、袋は2本用意しておきます」とカンさんは中に戻らず体だけ向き直し、静かに話して離れる。
取調室は新たな緊張の中でアラファトはかなり落ち込んだが、今までと違う顔つきになり、日本語も交えて語りだす。
両親は朝鮮系で生まれが中東の石油大国で、大学に進み父親の勧めで外国語を学び英語と日本語を選び将来は日本の会社に就職する希望を持っていた。
卒業前にフランス語圏内でフランス語を学ぼうと、隣のベルギーに長期旅行をし、アジア系のエージェントから誘われ小遣い稼ぎで、中国語の通訳を経験した。
バイトのつもりが、通訳や翻訳の中身が犯罪に近いことを察知、身を引こうとして逆に引き込まれ抜け出せない羽目に陥っていた。
国の機関で本国の両親も監視下に有ることを知り観念した。
以後積極的に参加して、大きなミッションも任せられる位置についたが、他国からの移民である部分でハンディを負わされていることも自覚していた。
今回のミッションは成功率10%もないことも認識しながら、強硬したようだ。
むしろ現状は、日本の司直の手で保護されている形だ。

 

東沙環礁公園は真っ暗だ!

3~4時間眠っかな、キャビンの小さな窓も薄暗い気配だ。

夕食は、ミートの缶詰を解してレンジにかけ、トレイ代わりの器にトーストとサラダと野菜スープを付けて奧のキャビンに持ってゆく。

 

「食べ終わったら東沙環礁公園脇を通過するから、部屋を密閉して救命具を付けて待機しろ」と言って離れ、自分も同じような食事で済ます。

 

レーダーで周辺をチェックして、足元灯だけ点灯し静かに離岸する。

東沙環礁も自分の庭先と言った感じだが、この辺は岩礁が多いので要注意だ。

自分の海図にはマークしているので、大きく迂回するコースをゆっくり進む。

 

可なり進んだので少し左に切り東沙環礁の肥大側を通過したが、〇備艇には気付かれずうまく交わしたようだ。

 

沖に出ると星明りだけで、左手のかなたがボヤッと明るいのは台湾の方角だ。

あの二人は、最初は神妙な態度だったが海に出た途端、強気な発言が多いが重装備に見えないが気になる。

 

目的が明確でなく、1000キロ近い航海を強要するほどの事が有るのだろうか?

二人の力量が見えないので,一層不安感が大きくなる!

 

1000$札束から禄に数えもせずポンと出すほど、大きなターゲットなのか、得体の知れない仕事になって気が重くなる。

海底深度も深くなり、うねりが大きく船腹に当たる波もビシッビッシと、石つぶてが当たるような音と衝撃音だ。

 意外と気弱なお客さん

アラファトが這うようにして操舵室に来て【大丈夫かな?】と声を掛けて来た。

「さっきも言ったろ、海は深く成れば波も大きくなり、こんな小さな船は木の葉と同じで、自分じゃコントロール出来ない状態になるのさ、それは常識だろ」と強めに突き放した。

 

「実は、イワンが船に酔って具合悪いようで唸って居るんだよ」と困惑している。

「そんな事、計画の想定内だろう、ここまで出て来て中止して戻るかい?」とカマを掛けてみる。

 

「帰る訳にはゆかないよ、先方から入金して居るし、計画は実行しかないよ」と強気だが、迷っている様だ。

「いま中国と台湾のギリギリにいるが、もたもたしていると〇備艇に察知され厄介だよ」と脅しながら、それでもかなりスピードを落とした。

何処の国でも、不審船を探知してむ直ぐに攻撃はせず接弦して、事情聴取されるのが通常のパターンだからカンさんは落ち着いている。

 

「彼は、医療関係の学者で、このような荒っぽい仕事は初めてらしいんだ」と仲間割れ見たいな言いかただ。

「なんでそんなのと組むんだよ、知りあいじゃないのか?」とさりげなく聞く。

「初めてだよ、国もあいつはフランスだし、俺は全然ちがうから~」と濁す。

 

「おいヤバいよ、大陸のかな?〇備艇が動き出したよ」

「どうして分かるんだい?」とレーダーを覗き込む。

「ここが東沙環礁だが、少し離れた位置をキープして居るらしい、台湾か大陸か分らないが動き出したよ、どうする!」とアラファトの顔を睨む。

 

「う~ん」と唸りながら「行ける所まで行ってよ、あいつが部屋を汚したので、掃除するから何か貸して」と柔軟にになって来た。
「あの部屋の入り口に小さな扉が有り、開けると雑巾と小さなバケツが有るから、手洗い場から水を汲んで膝を着いてユックリ掃除してよ、水を溢すなよ!」と教える。

 

「了解した」と引き返して行ったがチョット心配だ。

カンさんも拿捕されると、本国の港まで連行され取り調べに付き合うことになる、何とか領海線が微妙だが抜けてしまいたい。

 

うねりが高くスピード上げると潜っちゃうので、スピードを押さえ気味にして左右に蛇行しながら、バスコを目指す。

〇〇リッピンの官憲も厳しいが、ある程度誠意を見せると、解放される。

 

カンさんも仕事とは言え、白日の下で堂々とした商売でもないので、結構裏の手口は承知している。

東の空も赤みを帯びて、ルソン海峡の島々が遠く確認できるが、大波を躱しながら蛇行運転では前に進む距離が足りなく情けない。

 

〇備艇は5~60メートルもあるので、直線で進んでくる。

赤色灯も回転・点滅、大型の照明灯も点灯した。

逆らえない! 認識したら減速しか手が無い。

 

アラファトが慌てて操舵室に駆けつけて来た。

「どうしました?」と減速を訝しげに覗く。

 

カンさんは顔を後ろに頭を振ると

「あっつ」と叫んで腰砕けの様に座り込む。

 

○○国旗を靡かせた公安○○〇備艇が、真後ろについて徐行している。
お馴染みのリュー艇長だ、まだ領海内なのだろう、○○〇備官は笑顔で話しながら

「你要快點去哪裡?」(カンさんそんなに急いで何処へ行くのですか?」と聞いている
 

 ○○警備で良かったと安堵する!

台湾なら、東沙環礁警備隊も香港・マカオとは友好関係深いので、時間が掛かるが穏便だ。

「我要去哪裡知道」(何処へ行くのか分らにまゝ、走っています)とカンさんが応える

「有顧客嗎」(誰かお客さんが居るんですか?)

 

「是的,兩個人都在騎」(はいお二人乗って居ます)

「登上面試吧」(それでは乗船して、面談します)と艇長がロープを投げて来た。

 

カンさんが素早く係留ロープをリング通して固定する。アラファトはいつの間にか部屋に戻ったらしい。

顔見知りのリュー艇長が、部下を二人連れて乗り込む

「またキレイに整備したね」ニコニコしながら、部下に聞き取りをして来いと命令。

 

操舵室脇の子椅子に掛け、「どこの人?」と聞く。

「何か良くわからないのですよ、パスポート複数持って居るようで、○○パンまで行けと途方もない脅しでした、助かりました」と本音を話す。

 

「それは深く知らない方が安全そうだね」と頷く。

「何か、国の組織から大金で動いている感じですね」とカンさんは率直な気持ちを云う

リュー艇長もゲストキャビンに入り、聞き取りに参加する。

船上で聞き取りが続くことは、曳航さることは無くなったかな?と安堵する。

 

○○警備の二人は、持ち物全部を没収して二人を猿轡・両手足を固縛して、キャビンのベット上に置いて出て来た。

パスポートはスマホで撮影し、他の物もリックを開いて上から撮影し

「持ち物は返却、人物は出港元の公安に送致する事にします」静かに伝える

 

「カンさんは脅しに従ったので、おとがめなしとします」とあっさり決まる。

「それにしても、大金を持ち過ぎているので、本部に問い合わせ後で処分を決めます」

 

「カンさんはUターンして最短でマカオに向かい、その後を私たちが付きます。本来は曳航ですが、追尾ですね」と笑いながら、無線のチャンネル合して戻って行った。

 

全く民主的なお裁きで、いつもながら感謝するカンさんだ。

カンさんのクルーザーは、昨夜の半分のスロットルで〇備艇を従える形で東沙環礁海域を離れる(^^♪

 

この続きは、
M&SSの再起動ー12(領海を超えた追跡劇は封印?)

M&SSの再起動ー13(マカオ科学館の岸壁で受け渡し)

で記述掲載しています。

カンさんの誠実な人柄が、周りから信頼されて重大事件の兆しが穏便に収着しそう(^^♪ 

  

東沙環礁は台湾の領域で渡りの野鳥の重要な休息地と、存在位置が微妙な要衝だ