▶業種:サービス業
▶職種:作家、ライター
▶ストーリー
38歳の誕生日に一通のメールが届いた。
呼び起こされる痛恨の記憶と
目前に立ち上がるあの日々の続き。
漫画家を目指し上京した永山が住んだ、
美術系の学生が集う共同住宅・通称「ハウス」。
飯島、田村、仲野、めぐみ、奥……
住人達との生活の中で降って湧いた希望と、
すべてを打ち砕いたある騒動。
そして「おまえは絶対になにも成し遂げられない」
という仲野の予言。
何者かになろうとあがいた青春と
何者にもなれなかった現在、
上京以降20年の歳月を経て永山が
辿り着いた境地は? そして「人間」とは?
▶感想
この本を読んでいて
頭に浮かんだ言葉が
パルカル先生の
「人間は考える葦である」だった。
考えることが人間であるのは
私も同意するが、
考えすぎるのもまた人間で
無くなる可能性があるのも事実。
想いと現実が乖離すればするほど
生きづらくなると思う。
永山も過去の栄光に捕らわれた
ことにより現実と乖離せずに
生きてこれたのだと思う。
過去の栄光がなければ、夢の世界に
ひたり破綻していたと思う。
たぶん又吉先生もそうなの
だろうけど、人間らしく考えすぎる人は
今も昔もかわらず生きずらい世界だと。
私も色々考えるが、答えの無いものは
深追いしないようにしている。