壊心死書
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オリさんの望み


人間にはいつも、
『従順』で在って欲しい。


何故なら、
いつもいつも主人公で居たい人間が嫌いだからだ。

いや、訂正しよう。
主人公で居たいのは構わない、それを少しの羞恥心もなく、惜し気もなく堂々と曝して居る者。

微たる会話の中、ほんの少しの時間でも見逃さない。
隙が有れば話題をすり替え、会話に対して盲目な人。

弱い犬程よく吠えるのである。

常に自分が主人公。

傍聴者は常に、
それに対して応える。



…正直、生返事である。

どうでも良いのだ

あなたの話などどうでも良いのです


突っ走っている自分を恥ずかしく思えないのだろうか。
話をした方のストレスは解消し、話を聞いた方のストレスは溜まるのである。
何の意味があるのだろうか?
それなら話さなければ良い、そう考えてしまうオリさんは、調和と云う言葉を知らない人間だろうか?

誰もが主人公になりたいのだと、幾ら仮面を被っていても必ずそう思っているのだと云う事を忘れなければ、会話と云う日常の片隅の一部分で、好印象を与える事が出来るだろう。

それを忘れた時、
会話と云う日常の片隅の一部分だけでも、
平気で嫌われてしまうのである。

今も何処かで誰かが誰かを嫌っている。

主人公になりたい、だから主人公になりたがっている人間を嫌う。




『あなたの話は、あなたが思っているほど面白くない』

こんな事でさえも、面と向かって言えないオリさんは、誰より何より一番根性無しかもしれない。

『主人公でいたい』
この気持ちは心の中に秘めておく冪である。

心の中に誰よりも強い自尊心を抱いた、うわべでは従順な人間で居たい。




オリさんは、
やはり汚い人間だな、と
夕暮れに想う。

オリさんの極み



考え出すと止まらない時がないだろうか。


一つの事柄だけでは無く、同時に幾つもの事柄が脳裏を霞むだけでは収まらず遮って邪魔をする為、結局は何も解決出来ずに終わってしまう、
という経験はないだろうか。

しかし人間の脳と云うものは良く出来ており、特定の事柄だけが脳を支配する事がある。

今、まさにその状態のオリさんは、その事柄が自らの脳を浸食していくのを必死に食い止め様としている。

こうやって文に綴る事が出来ているのもこの脳のお陰。

なのに、まるで他人事かの様に思考回路を真っ二つに切断しようと試みている己が居る。

抵抗するのは自分、
抵抗されているのも自分。


…何だか面白くなってきた。

もう少し、己の脳と「格闘」と表して「向き合う」事を止めないでおいてみるとしよう。




ここで、一つ疑問に感じた事がある。

単純作業を平然と繰り返す私達は、休む事無く自らに問題提起を繰り返し、常に答えを求めているのだろうか?


…それを止めた時、
人は考える脳を失くしてしまうのだろうか?

オリさんの睡眠方法





眠れない時は

自分を忘れるのが良いだろう。

何時も自分で在る必要など無い。
誰が取決めた訳でもないのだ。

少しずつ…
自分という名の造られた世界を壊して、

少しずつ…
まるで死んだ様な気分になるんだ。


今、ここで目を閉じたら…



一生起きられないのではないか、


そう感じる瞬間が好きだ。


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