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城郭模型製作工房

城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

連載第15回は焼失前岡山城天守模型です!



テーマはもちろん、古写真の中の空間を再現すること。

特に色彩は、現在の天守閣とは違う、木造の古色を出しています。フルカラー画像はぜひ誌面でご覧ください。


ブログ記事では全て白黒でご容赦ください。


今回は特に造形段階で苦心しました。あの有名な実測図を検証することになるのですが、学生の卒論として発表されたものですので、解体修理の実測図とは違って、測れる部分が限られていたようです。

軒の出や勾配など、重要な部分が本当にそうなのか、測った上で作図したのかよく分からない図面になっています。


ですので、今回は軸組の大まかなところは実測図を反映しながら、あとは古写真を写しとる感覚で造形しました。


瓦割りがよく分からず、小ぶりな天守だし、これまでの九寸がらみのエッチングで大丈夫だろうと思って始めたところ、全く数が噛み合わない。造形の完成近くなってから、出土瓦の寸法など改めて調べて、一尺に近い瓦割りであったことが推定できました。

ですので、軒の出はかなり改善の余地があります。最上階下の唐破風の庇はあと1ミリ軒を深くするべきでした。



窓の格子なども、以前の1/300のデータを単純に倍にしたものを以前ついでに作っていたので、それを使っています。


作ってみたことで全体像がつかめ、また改善点も自分の中では明確になっています。


あと2回つくればかなり近似値のものができる印象です。

また取り組みたい天守です。




さて、コロナの影響で延期になっていた熊本城天守閣も公開が始まりました!

公開初日に行ってきました!


模型と復元図、映像に協力致しました。新しく作画された絵も私の模型を参考にして下さっています。下描き段階で細部の意見を反映してもらいました。


いろんなところに名前がありますので探してみてください。


熊本城本丸模型は熊本城の真正面、[城見櫓]さんで9月末日まで展示中です!




ぜひ熊本城へ!!


告知です。

新刊発売を記念して、春日太一さんとの対談が実現します!
しかもリモートですので全国どこからでもご覧いただけます!!


『島充の城郭模型紀行』収録作品の製作秘話はもちろん、どういうことを大事にしながら模型をつくっているのか、といった模型の見方が変わるようなお話ができればと思っています。


そして、なんといっても春日さんとの対談ですので、映画の中のお城の話にも展開していくはずです。

模型の中のお城と映画の中のお城、実はとても繋がりが深いと感じています。

間違いなく話題に登るだろう映画は…黒澤明の『乱』『影武者』。他にも『大坂城物語』や『ゴジラの逆襲』などにも触れられればいいなと思っています。

対談ですので、どのように話が流れていくか、自分でも楽しみです。

有料配信ならではの、普段は話さない、模型とお城の話、どうぞお楽しみに!!

※アーカイブもありますので、後で視聴することもできます。

詳細・お申込はこちらから↓

どうぞよろしくお願い致します!!


『島充の城郭模型紀行』発売から2週間が経ちました。

反響もたくさん頂いています。











そんな中、『超音速備忘録』

のからぱたさんが、nipper上で書評を書いて下さりました。


すべてのジャンルの模型の真髄が詰まった今世紀最大の「思考書」/島充『城郭模型紀行』を読む。


こんな風に受け取って発信して下さる方があって本当に有り難いことです。


『島充の城郭模型紀行』好評発売中です!!




さて…この疫下で今日の予定だった熊本城天守閣の公開は前日に延期が決定、当面の間、熊本城自体が閉園となりました。


初日は伺う予定でしたが、東京からの関係者も先週の段階で最小限のメンバーに絞られており、私も予定を取りやめることにしていました。楽しみにしていた公開日だけに残念ですが、万全を期して安心して公開できる方がいいですよね。待ちましょう!


ちなみに、展示の図録はアマゾンでも取り扱いがあります。↓↓




今回の展示では大きく3つ協力致しました。

●「被災状況再現模型」の納入

●図面の提供
数寄屋丸、西竹丸、御裏各五階櫓復元図新規作図
天守閣立面図の加筆補整
飯田丸五階櫓、宇土櫓立面図の加筆補整

実際の展示では50分の1の大画面のため、何度も出力してもらって細部の微調整が大変でした。


●模型を使用した映像
天守シアター「難攻不落の城」「不屈の城」

熊本城の解説映像は、昨年の夏に2日がかりで撮影、制作はNHKエンタープライズさんでした。


最近はCGが使われることが多い中、模型を使った映像は新鮮です。完成した映像を現地で見ましたが、やっぱり模型は現実空間にあるものだけに存在感は大きいです。

熊本城の展示に関われたことは、本当に幸せなことでした。

無事に公開された暁には、ぜひぜひ最新の展示を見に熊本城へお出かけ下さい!!




アーマーモデリングやTwitter、ブログ等で、発売日を3月末とお知らせしてきましたが、4月9日頃から書店に並び始めるそうです。


ご予約いただいた方、今しばらくお待ちください。すみません🙇‍♂️


今現在、印刷の色味チェックの段階のようです。





自分でも早く見たい!



引き続きご予約受付中です。

よろしくお願い致します!!


Amazon 島充の城郭模型紀行



書影公開です!

ウェブ書店では帯無しでの掲載になるため、こちらでは帯有りの表紙です。
今回、三浦正幸先生から帯文とあとがきを頂くことができました。

ちょっと見にくいですが目次も公開します!


福知山城と二条城はページ数を取ってもらいました。古写真や絵図が新出しましたので、その成果をきっちりまとめておきたいとの思いです。

福知山城は史料は全てこの本で初めて公開となる新撮影という豪華さ!

熊本城天守閣で常設展示となる被災模型も、撮りおろしで収録しています。今後は二度と撮影できない野外ショットです。

そして製作工程も連載より詳細に、大きな写真で。後半は既存キットを使った作例をまとめていますので、プラモデルづくりのテクニックの参考にもなると思います。



🔶『島充の城郭模型紀行』
🔶3月末発売予定‼️

城 郭 模 型 の 常 識 が
こ の 一 冊 か ら 変 わ る

👉連載への大幅な加筆
👉撮りおろし、未掲載カット追加
👉製作過程・テクニックを詳細に
👉貴重資料を収録

ご予約お待ちしております!