『週刊 豊臣大坂城をつくる』の道のり② | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

前回の続きです。

年が変わって2021年になります。リサーチ会社の調査が行われました。

調査といっても、ターゲットとなるお城ファンの方を集めて座談会を開き、様々な意見を聴取するのです。そのためには話題の種となるモックアップが必要でした。


豊臣大坂城本丸のモック。


徳川大坂城のモック。


天守も大きさだけ。

いずれもスチレンボードや紙を使った簡単なものですが、御殿の平面が印刷されていることからもお分かりかと思いますが、平面情報をデータにすることがこの前段階としてありました。


比較のため縮尺違いも作ってますね。


徳川大坂城の1/150のモックは紙で。天守は1日で設計した記憶があります。天守台石垣はファセットの社長に頼み込んで、大阪城天守閣のデータを使わせてもらいました。

正規の仕事の合間に進めていたので、とても忙しかった記憶があります。


1/150の二条城天守と並べて巨大さを改めて実感したり。


これらのモックと私の豊臣大坂城天守模型を使ってリサーチが行われました。


その結果、徳川大坂城は反応があまり芳しくなく、豊臣大坂城の天守とジオラマは好評だったとのこと。開発費やその採算、マーケティング上の企画の分かりやすさなどが検討されて、徳川大坂城はカットして、豊臣大坂城一本で行くことが決まりました。


ここから本格的に、天守と本丸ジオラマの開発がスタートしたのでした。


つづく