ロケハンと岡山城の石垣など | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

今度撮影にお見えになるので、あらかじめロケーションハンティング、通称ロケハンをしてきました。
車に模型と机を積み込んでうろうろ。

一番空が抜けるのはやはり海沿いです。

こんな感じ。
しかし、これ、東西南北が実際とはめちゃくちゃで。

東西南北を合わせるとこう。
なのですが、背景に景色が写り込んでしまいます。

田舎で空が広いとはいえ、ロケーション探しは大変です。

ちょっと目線を下げると写り込みは防げますね。

太陽光での色飛びも計算して塗装していますが、この夏日ということもあり予想以上に色飛びします。特に屋根。
他にも修正箇所多数発見!

おかげさまでこの大坂城は反響が大きく、中にはツイッターで見てこの大坂城の模型をほしいと思ったから作ってほしいとのお問い合わせも何件かいただきました!
しかしながらやはりこのくらいの模型になると、よほど本気の方でないと難しいです。材料費だけで二桁かかっている上に半分の2面作るのに体に鞭打って1ヶ月かかるのです…海外に外注して大量生産する商品とはわけがちがいますのでどうぞご理解ください。
想像するに、とても迷われた挙句に、思い切ってお問い合わせくださったのだと思うのです。それをお断りしなければならないのはとてもつらいことです。
しかし、「ほしい」と思ってくださることは本当に嬉しいです。
なぜなら、人にほしいと思わせるものを作るのはとても難しいからです。どんなに上手につくってあっても、別にほしいと思わないものがあるでしょう?「よくできている」ことと「ほしい」は全く別の価値観なのです。
私のつくったものをほしいと思って下さりお問い合わせくださった方に改めて御礼申し上げます。

さて、岡山城ですが、石垣の彩色を進めています。

ちょっと石の量が尋常ではないので苦しいですがなんとか石垣らしくなってきました。

このくらいの大きさです。

ちょっとスピードアップさせねばと思い、本段の建物にも入っています。

東側の多聞です。
中は下男部屋になった櫓座敷のようなつくりです。
御本段絵図を描き起こしましたが、一間を6尺5寸にするとうまく納まらないのです。
一間を6尺にすると牙城郭実測図とも辻褄が合うことが分かりました。

建物の用途や格からして、六尺間での比較的簡素な建物であったと想像します。

多聞にはツキ屋が接続していますが広い土間に石臼の描写が。
精米する米搗き臼、踏み臼だと思います。
城内の生活が伺えますね。

まずは本段を完成させるぞ!