明治期熊本城再現プロジェクト進行中。と作例掲載のお知らせ | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

じゃーん。
明治期の熊本城大天守です。
静岡ホビーショーの展示にはどうにか持っていける段階になりました。
静岡に向かう新幹線の中から更新です。

熊本城の話題の前に…
本日11日発売のアーマーモデリング6月号の作例を担当しました。
童友社のデラックス名古屋城を使って、木造復元竣工時のようすをジオラマにしました。
急な依頼で一週間で仕上げなければならず…甘いところもたくさんあります。
どうぞお近くの書店で!

さて。
この古写真をどうしてもカラーで見たくて。
つくり始めたのですが、熊本城となるととことんこだわってしまうので結局小天守は未完の状態です。

ホビーショーなので、製作過程も分かるこの状態も面白いかもと思い。
題して「明治期熊本城再現プロジェクト進行中。」

並べてみました。


裏側にあたる東面は古写真の読み込みから、現在とは形が違うところが何カ所かあります。
本丸御殿からの接続部分は、古図をどんなに読み込んでみても形状がまとまらず、もう少し時間がかかりそうです。

石垣だけは当時の形に造形し直しました。
このプライベート1/150模型は、最終的には前掲の古写真に写っている全ての建物を再現するところまで行く予定です。
すなわち、御裏五階櫓、小天守下長櫓、トキ櫓のある石門周辺。手前の平左衛門丸の御肴部屋櫓、天守南側の耕作櫓御門、天守廊下までです。

そしてゆくゆくは熊本城全ての五階櫓を1/100、天守も1/100という構想を持っています。

さて、造形完了後の彩色過程を順を追って見てみます。

まず、グレーで下塗り。

白壁部分の下塗り。

白壁の塗装。水墨画のようですね。
ここまではエアブラシ。
次からは筆彩色です。
下見板にはみ出した白を下地のグレーで修正。

少しずつ彩度を上げていきます。

基本的な塗装工程は1/100の宇土櫓と同じです。
ただ、今回は、下見板の彩色は五層くらい重ねて深みを増してみました。

最終的に退色などを描き込んで質感を高めました。

屋上には鎮台の旗が。
現在のコンクリート天守を見慣れていると少し違和感があるかもしれません。
現在の天守は最上階の腰部分や唐破風の破風板が白漆喰仕上げになっていますが、どの古写真を見ても最上階に真っ白な部分は見当たりません。下層の破風板や白壁などの漆喰部分の白との対比から、最上階は全て木部であったと想定しています。


西南戦争で焼失する直前の熊本城の姿です。


この模型はこれからもゆるゆる進めていきますのでお楽しみに。

それでは12日、13日、静岡ホビーショー、よろしくお願いします!
(妻はウッディージョーの安土城に手を加えて。こちらも未完、展示までに完成させるようです)