「日相」の謎解ける | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

先日から岡山城の本段御殿を作る中で、古絵図に出てきた「日相」と読める文字。
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ツイッターでは呟いたのですが、意味が分からず困っていました。
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崩し字辞典を見てみると「桐」の方が近くも見えました。

「白桐」では、というご意見もいただき、豊臣の紋である桐が本段御殿の中庭に植えられている…という想像はとても惹かれるものがありました。

その後、他の絵図も見てみると、見つけました。
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「日相」が並んでいる。

「日相」と書いてある部分の特徴は、一坪くらいの、中庭状に建物に囲まれた狭い空間であることです。
そういう場所を指す古語なのか??

そこで役に立つのが
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国語辞典。

にっそう、じっそう、にちそう、にちあい…などで引いてもなかなか出てこない。

そして…
たどり着いたのが恐らくこの言葉です。
ひあい。
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家屋と家屋の間を「ひあい」というらしい。

別の辞書では
「建て込んだ家の廂と廂が突き出て日が当たらないところ」となっていました。

「ひあい」の当て字で「日相」となっているのでしょう。「壁合」と書いて「ひあい」と読ませる場合もあるようです。昔の文献は当て字の場合、言葉の音をまず見当をつけてから探さなければならないので、ちょっと遠回りになりました。

一つ氷解…

本段御殿の製作は今止まっていますが、そのわけはまた近日中にお知らせします!