今回は舂屋(つきや)をつくります。
舂屋とは穀物の精製所だそうです。
本丸下の段の南側にあります。
「御城内御絵図」の舂屋。
「御城内御絵図」の平面が格子窓や出入口の表記もあり、一番詳細ですので基礎資料としました。
一番の問題は屋根のかけ方です。
古写真に舂屋が写っています。これを見ると南北棟の入母屋の建物に煙出しのついた切妻(?)の屋根がL字に取り付いているように見えます。
問題はその下の濡れ縁のある「御用所拾畳」と「八畳」の部分です。
ここでもう一度写真をよく見てみます。
木の隙間に隅棟が見えます。勘のいい方はお気づきかもしれませんが…
これをもとに屋根をかけてみました。
しかし問題が起こります。
古写真から土塀の高さを割り出し、2.8メートルの石塁の上に置いてみると、黄色のラインまでが土塀に隠れて見えないことになります。
しかしながら古写真では、入母屋の妻面が全て見えています。また、先ほどの入母屋に繋がらない隅棟は、この屋根が入母屋だとすると土塀の上に隅棟が見えることはありません。
修正点は
●入母屋の妻壁を南北の外壁ラインより一間半内側に入れた。
●座敷部分の屋根を寄棟にした。
こうすることで古写真通りの見え方をするはずです。
製作です。
壁面を立てて