熊本城天守の出し桁が気になって眠れない話 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

今、熊本城の古写真を再現した模型を作り始めたのですが、前回の記事で大天守の出し桁に迷っているということを書きました。
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位置としては現在の再建天守の一重目西面の一番南側の出し桁を支える腕木です。下見板の押縁南端から2本目上部、つまり、壁の端から半間の位置にあります。
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この腕木が、古写真を見てみると不鮮明で私の目には無いように見えるのです。
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他の腕木の影の出方と比べてみても無いように見える…
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気になって眠れません。

違う写真も見てみました。
黄色の矢印の腕木は鮮明に見えます。赤線で示した下見板の押縁2本目上部の赤矢印部分には…あるのかな…これ。
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これは全体的に不鮮明ですが、赤矢印の懸案の部分は影が鮮明に写っています。しかし出し桁の腕木の影は見えず。
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熊本城の櫓は柱から腕木を出しているので、有無や位置の推定はしやすいのですが、天守は腕木が柱と関係なく、柱と柱の間から出ています。
懸案の腕木は一番左の黄色の部分。赤は写真から確定できる腕木です。
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懸案の腕木の位置。
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むーん。

飯田丸五階櫓も隅部分の出し桁は広くなっているので、無くても構造上の問題はなさそうなのですが…
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(1/100飯田丸五階櫓模型)

出し桁は小天守も再建天守では古写真と違っている部分を見つけました。

小天守北面の西端、石落としの上から窓との間の壁面にかけて、腕木が三つ密集しています。
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こちらの写真でも確認できます。
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ところが再建天守では均等割付になっていて腕木が一つ足りません。
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それにしても大天守の懸案の腕木はどう処理するか…コンクリート再建時の根拠を知りたくなっています。

眠れない…