とある雑誌の原稿書きが超速締め切りで入ったのであまり進んでいません。
屋根の製作に入る前に、全体を整理してみます。
思い描いている組み立て構造はこの図のようになります。
組み立て方をきちんと思い描いていないと完成しません。
熊本城の模型はもっと複雑な組み上げになっていて、図にするとこのようになります。
フルスクラッチは自分で構造を考えないといけません。どんな部材をどのように組み上げれば実物と同じように見えるのか。
そのためには実物がどんな構造になっていてその形に見えているのかを知っているに越したことはありません。
同時に、模型としての強度を考える必要があり、実物の構造を無視する部分も出てきます。
頭の中でイメージできない場合は、上のような簡単な図を書いて考えるのもいいでしょう。
フルスクラッチの場合、もうひとつ大変なのが材料集めです。
色んな太さのプラ材を大量に使います。私は種類が豊富なエバーグリーンとプラストラクトを主に使用していますが、エバーグリーンのプラ棒で一袋700円強します。垂木や丸瓦などは驚くほどすぐに一袋が無くなってしまいます。
熊本城の時は背景にプラ材の袋の山が…
ちなみに、熊本城の模型は、材料費だけで数十万円かかりました。もちろんプラ材だけでなくレーザーカットやエッチングパーツの開発費等も含まれますが、いい模型をつくるためには費用がかかります。
次回から屋根の製作を詳しく見ていきましょう。
さて、妻がゴソゴソ動き出していまして…
安土城全山を作ろうとしているようです。ちなみにこれは私が作りかけていたもので、琵琶湖に浮かんだ安土山を表現しようとしたものです。これに手を入れるのか新たに作るのかは分かりませんがやるそうです。
中村案が出た今、佐藤案もすでに古くなってしまいました。近年の復元案を見ていると、いかに文章で建物を記録するのが難しいかを思わされます。信長公記の内容には合っていても、建築としての比例が…。
それを思えば宮上先生も内藤先生も、場合によっては資料の読み方を無理やり変えてでも、建築として美しい復元案を目指されていたのだなあと改めて思わされます。
妻もどちらの天守を使うか悩んでいるようです。