【フルスクラッチ講座】天秤櫓を作ってみよう⑤屋根を張る | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

今回は屋根を張り始めます。
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まず、屋根を取り付けるための小屋組をつくります。

棟木を立てます。そのために、屋根の中央ラインを取って棟木の位置を描き込みます。
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次に、棟木の高さをプラ板で取ります。棟木と言っても、今回は棟瓦の芯まで一材で通してしまうので、棟の丸瓦の下のラインまでの高さで切り出しました。
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幅を現物に合わせて取ります。
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棟木を取り付けたところ。
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次に、小屋組を作っていきます。
図面から小屋組の高さや角度、幅を割り出しその幅でプラ板を切り出していきます。屋根に使う材料の厚みを考慮するのを忘れないようにしてください。
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切り出したものを対角線で切り小屋組の部材ができました。
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この部材で棟木を挟むようにして取り付け、小屋組が完成しました。
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妻面の壁は、形を写し取って貼り合わせ、一面の壁にします。
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これから屋根を取り付けていきます。いつもやっている図面から直接起こしていく方法です。何をやっているか分かりにくいかもしれませんが、仕組みが分かれば屋根がスムーズに組みあがります。コツは図面を平面でなく立体で掴むことです。

それでは製作。
まず、屋根の幅を取ります。屋根の幅は、つくりたい屋根の面と直行する面の立面図から割り出します。
今は西面の屋根を作ろうとしていますが、西面の屋根の幅は北面の図面から読み取ります。棟木に接する位置と軒先が屋根の幅です。
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その幅でプラ材を切り出したら、次に屋根の長さを取ります。西面の図面に合わせて屋根の端から端までの長さを取ります。
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次に二階の部分を切り欠きます。
図面に合わせて、二階の幅を取ります。作っている模型に図面と誤差が出ていることもあるので、必ず模型の本体にも合わせてみて確認します。
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次に今度はまた北面の図面を使い、二階の壁に接する線と軒先の幅を取ります。
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この線と先ほどの二階の幅の線が交わる点と屋根の端の点を結びます。
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切り出します。
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実際に合わせて微調整をします。ほとんど微調整無しでぴったり合いました。
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入母屋の妻面の掛瓦の部分は現場で作っていきます。
妻面の壁のラインとピッタリ合うように印をつけます。

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また北面の図面を使い、妻面の壁の下ラインの延長部分に印を付けます。
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その印から引いたラインと、その前に引いたラインが交わる点と屋根の端の点を結びます。
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これを切り出せば西面の屋根が出来ます。
次に屋根の合わせ目は斜めに加工して、隣り合う屋根とピッタリ合わさるように配慮します。
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次に丸瓦を取り付けていきます。
今回はキットの天守と合わせるため、0.5ミリの丸プラ棒を使います。4〜5本まとめて切り出すと仕事が早く進みます。
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今回はエバーグリーンの1ミリ幅でラインが入っているプラ板を屋根に使いました。これを使うと等間隔に丸瓦を取り付けられます。
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丸瓦は長めに取り付けて、後で裏側から切りそろえていきます。
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軒の部分は直角に切り落としますが、棟や二階の窓に接するところは断面を斜めに切りそろえます。
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こうすることで隙間が出来ずピッタリと美しく仕上がります。
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丸瓦の丸棒は6本使いましたので、天秤櫓全体で、プラストラクトの0.5ミリ丸棒が概算6袋くらい使いそうです。


次回は隅や破風部分の製作になります。丸瓦のプラ棒を今日注文したので、ちょっと間が空きます。その間は違う話題を上げます。