3回目の今日は天秤櫓の壁を全て組み立てます。
今回の完成像です。
まず一重目の全ての壁面パーツが揃ったところ。
窓などのくり抜きですが、デザインナイフで丁寧に切り抜きます。コツは一度で切ろうと思わずに、何度もなぞるようにして少しずつ切ります。
厚さ1ミリになるとかなり扱いづらく、一辺につき、表から7回、裏返して3回くらい刃を入れます。写真は1ミリプラ板で表から切り込みを入れて裏返したところ。
裏側のあまり見えないところは格子窓を抜かないなど表現を簡略化したところもあります。
①は井桁組み。②は卍組み。③は45度合わせ。
それぞれに長所と短所があります。
①と②は加工が楽ですが、部材の厚みが露出するので、合わせる前に部材の厚み分だけ壁の長さから引かねばなりません。②の卍組みは正方形の箱組の時などによく使います。
③の45度合わせは図面の壁の長さをそのまま使えるので楽ですが、隅の45度加工に熟練を要します。
門の部分は一段高く天井=床板を張ります。
手作りだとわずかな誤差があったり、ぴったり図面通りにいかない部分も出てきます。あくまで現場で作ります。図面はガイドにすぎません。
ちなみにこの蓋は構造としては天井ではなく、梁と桁の役割です。
二重目は普段閉鎖され、窓の土戸が閉まっているので、裏からプラ板で塞いでいます。
そのガイドに合わせて二重目を接着します。
これで天秤櫓の壁面の組み立てが完了です。
天守の向きが違いますが並べてみました。
今回使っている歴史群像の『彦根城』掲載の天秤櫓の図面には、二重目内側の壁面がありません。
このような部分は、現地で撮った写真やインターネットの画像検索で調べます。
これは図面に無い反対側の壁を書き加えたところです。
二重目の壁面を箱組したら一重目に重ねます。
重ね位置は段差幅を定規で測って決めていきます。私は図面に合わせてパーツを切り出すので、天秤櫓の製作開始以来、定規で何かの長さを測るのは初めてのことです。
次回から屋根の製作です!