明日と明後日に模型製作のお休みをいただきますので今日は稼働しました。
それでは実際に壁をつくっていきます。
と、その前に、昨日の記事にもう一点、準備段階の重要な項目がありましたので追加しておきます。
●模型の方向性を構想する
これは一番最初に書くべきでした。
どんな模型を作るか、きちんと構想します。
資料に忠実なものにするのか、自分の感覚に忠実なものにするのか、写真みたいなリアルなものにするのか、絵みたいなきれいなものにするのか、迫力あるものにするのか、繊細なものにするのか、などなど。
どんな趣向で、何を中心のテーマにするのか。
具体的に今回の天秤櫓でいうと…
・鉄道模型のレイアウトに組み込んだ時にアクセントとして存在感あるものにする。
・プラモデルの天守となじむ天秤櫓をつくる
・鉄道模型のジオラマになじむ表現で仕上げる
という方向性を最初の段階ではっきりさせておきます。
この方向性でいくと、あまり個性的で主張の強い模型はできませんし、プラモデルの天守となじませ、なおかつジオコレやKATOのストラクチャーが周囲に並ぶことを考えると、忠実に作ると繊細に過ぎ、天秤櫓が浮いてしまうことも考えられます。表現は誇張して強くしたり、空間を凝縮させなければならない部分が出てくることになります。
一番初めにまず模型の方向性をはっきりさせましょう。
それでは製作です。
【一重目壁面をつくる】
製作はまず作りたいものをはっきりさせましょう。
完成したこのパーツを、はじめに頭の中に描いておきます。
そのためには、2次元の図面だけでは読み取れない壁の凹凸を写真などからきちんと把握します。
真ん中の柱が少し奥になっていて、格子がそのもうひとつ奥に並んでいるなあ、格子は45度振ってあって正面に角が来ているけどこれは省略するかなあ、など
こういう窓を作るぞー、と明確にイメージします。
それではプラ板に向かいます。
まず、0.3mmのプラ板を壁の高さに切り出します。立面図の軒のラインの内側まで壁は立ち上がっているので、垂木と触れるところまでの高さを取ります。(◯印)
窓の位置を移します。まず縦ラインを定規で下ろしてから
そこに格子を入れるのです。格子は0.56mm。
他の窓には裏側から格子を貼り付けます。斜めから見た時に隙間が均等に見えるように、窓の両脇と真ん中の柱にもプラ材を貼り付けます。
横のラインを移動させます。
次に今度は0.5mmのプラ板で、窓の真ん中に柱を入れた状態で窓を図面から移していきます。
二枚重ねるので、実際に重ねて柱の位置を微調整します。
窓をくりぬいたところ。デザインナイフで丁寧に。
門の上の窓は裏側の0.5mmのプラ板の方は上下を少し広く切り開きます。
門の上の真壁造りの壁面の柱などを取り付けます。
窓の格子、柱、長押などの部材は、かなり太めのものを使っています。これは、メインの天守が既存キットなので、それと表現の質や線の強さを揃えるという意図からです。
特に真壁の部分は、実際には部材は白壁からほんのわずかしか飛び出していません。
現地で撮った写真の隅に写り込んでいましたが↓柱は白壁とほぼ水平面です。
白壁から部材を見せるためには、部材より薄く壁を塗る必要があり、たいてい一番奥の部材は白壁とほぼ同じ水準に表面が揃います。