パウダーによる様々な表現 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

ジオラマの大切な表現の一つに緑地があります。
ほとんどの場合、ジオラマ素材の粉末を使用して緑地を再現しますが、結構これが難しい。
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今回の豊臣大坂城の北東部です。手前が城内二ノ丸、奥は低湿地帯として表現する鷺島周辺です。

緑地は他にも土塁などがあります。
パウダーは単色の一度がけよりも重層的に使用した方がより情感が出ます。
まず下塗りとパウダーの粗がけ。これが下地です。
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そのあと、全面にたっぷりマットメディウムを染み込ませ、上がけをしていきます。この時、単色ではなく二色をふりかけてまばらにします。
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水面が隣り合っている場合など、緑地の色味で水の色が違って見えてくるので、最終調整をします。今回は水面は少し濃い色目を最終塗装して引き締めました。
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二ノ丸東側の花畑。花畑といっても花だけでなく薬草や毒草が栽培されました。れっきとした城郭施設です。豊臣大坂城の二ノ丸に存在したかどうかは分かりませんが、大坂城の上に様々な城の表情を再現する、という目標もあり、また、情景のアクセントとしても成功したと思います。
これもパウダーによる表現です。
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低湿地部分。こちらは砂状のパウダーも使用して、自然の地形の表現です。このあと水面には樹脂が入るので、水際はもうひとライン内側になり、水面下に沈む部分も出てきます。
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真上から。
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緑地を集中的にやっているのは、土塀の屋根などのプラ材が切れてしまったからです。最初の段階である程度必要な材料の数量は目算を立ててまとめて仕入れますが、いつも計算が甘く、最後の方になると切れ始めます。
しかし、材料が切れ始めると完成が近づいている証拠でもあり(笑)、もう先が見えてきました。

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