豊臣大坂城はどうなった!と思われるかもしれませんが、材料が切れてしまったので先にウッディージョーの知恩院三門を作りました。
実写と比較
残念ながら事情があり、一般販売はされないそうです。
最近なかなかハウトゥーの記事がありませんでしたので、この機会に木製建築模型のコツとこのジオラマの作り方を書いてみようと思います。
木製建築模型といえば今はなきイマイ。
小学生の頃、最初に作ったのがイマイの金閣。その後法輪寺三重塔、法隆寺五重塔、清水寺をつくりました。
これらは子供の頃の作で出来が良くなかった上、長らく放置されて手の施しようがなかったので、我が家の庭で焼却処分となりました…。田舎ならでは。
金閣炎上。
木製建築模型は自分で木材を加工しながら作ることに醍醐味がある!というのが基本姿勢だったようです。手間暇かけて、年単位でじっくり製作に打ち込む。ホビーとしてはとても良質な時間を与えてくれます。しかし組物の数千個の斗を延々と加工するのは、まだ私には修行が足りません。
イマイの倒産後、その技術を受け継いだのが小林工芸とウッディージョー。
小林工芸のものは薬師寺東塔、室生寺五重塔を製作しました。
イマイの木製建築模型を組みやすく設計し直した印象で、垂木が一体成型になるなど、かなり敷居が下がりました。イマイは原寸図に合わせて垂木を一本ずつ切り出し、貼り付けていました。
ウッディージョーのものは平等院鳳凰堂、大阪城、熊本城を作り、興福寺五重塔、薬師寺東塔が組み立て途中のままという状態です。
模型の印象としては、小林工芸は芯材に細部を貼り付けていくので、中身が詰まった重厚感があり、模型自体の風格を感じさせます。
ウッディージョーは帆船模型のように骨組みを作って薄い板で覆っていく組み方なので、軽やかな印象で、レーザーカットのパーツの細密さも相まって、とてもシャープな模型が出来上がります。
さて、ウッディージョーの知恩院三門です。
しかしそれが全く不自然ではなく、むしろ本物の三門の雄大さを感じさせ、模型として美しいのです。
箱を開けると、木の香り。
まず心構え。
あせらずにコツコツと。イライラしないで心穏やかに。
テクニック的には
・木工ボンドはごく少なく。はみ出すと目立ちます。
・カットした断面はシャープに。ササクレなどは根気よく取り除きます。
・パーツが割れりするので、力は入れず優しくつくる。
・組み立て説明書をしっかり読む。文字は全部読む。写真で判断しない。
という感じでしょうか。
部材のカットは同じ長さのものは一度に切り出しておくとスムーズに進みます。
工芸品を作っている感覚で、職人になったつもりで作ると楽しいです。
上層の唐様の扇垂木の納まりには学ぶことがありました。
難しい屋根の納め方を説明します。
ウッディージョーはこのように骨組みを作って屋根材を貼っていきます。
反り屋根の瓦パーツは曲線に曲げます。
このように隅木の真ん中のラインにカット面がピッタリ合うと理想的です。
まず、隅部から必要な長さにカットします。
その後屋根の直交開始点に印をつけます。
反り屋根なので、隅の接着面を少し弓なりに削りました。
私は一升瓶(笑)に押し当てて曲げています。
私は現場合わせで、1箇所ずつ、パーツを合わせながら切り出しています。
まず、隅部から必要な長さにカットします。
瓦の山が交互に繋がるように注意!
次に縦方向に合わせてカットします。前面の軒先ラインが一直線になるように。
その印と隅を結んだラインでカットします。
合わせてみると少し大きかったりするので、微調整を行います。
ピッタリ入りました!