展覧会の詳細は下に。
さて、引き続き壁面を貼り付けていき、軒裏の出し桁や垂木をつくり、屋根を張っていきます。
これは図面の限界ですね。立面図のそれぞれの面単体では納まっていても、立体にした時にきちんと納まらないのです。
そこで実物を見て見ますと…
そこで模型でも内側の高さを変えて破風の屋根をねじって納めました。
こんな感じ。
それにしても複雑な屋根です。
初重は台形平面ですし、立体感覚を研ぎ澄まさないと納めることはできません。
今回熊本城総合事務所より提供していただいた竣工図面は他にも誤りが多く、特に北面は基本的なミスが目立ちました。
破風面と壁に接する面の三角形が微妙に異なっていて、屋根がねじれていることに気がつきます。
より段差が大きな内側に至ってはかなり盛り上がるように屋根をねじって納めていることが分かります。
後になってもっと鮮明な写真を発見し、破風の谷間のラインも二重目の壁の隅に接続していないことが分かりました。雨水を流す溝のラインがどうしても合わず困っていたのでした。
2箇所指摘しておきます。
図面では二重目の窓の角が屋根で斜めに切れています。
窓の右側、石落としまでの下見板の間隔は図面では3列ですが、
竣工図面や実測図面といっても、誤りが多いということを念頭に置かなくてはいけません。しかし、図面の誤りは、実際に立体に作っていく中で何かおかしいと気づくことが多いので、修正していくことが必要になって来ます。
実物は4列です。
たった一列ですが、約45センチの違いですから大きいです。
この窓の位置に関しては、図面の誤りのまま設計して窓穴を空けていた上、かなり製作が進んでから気づいたので後の祭りでした。
飛雲閣の時に、建築図面のいい加減さはよく分かっていたのですが、今回も痛感しました。
今回の飯田丸五階櫓では、北面初重の窓の位置と、L字内側の破風の谷のラインに悔いを残すことになりました。(模型では破風の交差するところのラインを二重目の隅にもってきたため、雨樋の筋目が実際と異なってしまった)
続きは次回。