日本橋高島屋「熊本城と加藤清正・細川家ゆかりの品々」展示模型 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

長い間更新できずすみませんでした。

4月12日より、NHKの主催で日本橋高島屋において開催されます展覧会、「復興祈念 熊本城と加藤清正・細川家ゆかりの品々」に展示される模型を製作しています。
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昨年末に日本橋高島屋さんからご依頼を頂き、時間が無い中、清水の舞台から飛び降りるような覚悟でお引き受けしました。熊本城の復興の一助になれたらと思い…
ただ、2月は長期出張があり、実働製作時間は2ヶ月弱。その中で大小天守と宇土櫓と飯田丸五階櫓の3点を大スケールで作るという、無謀な挑戦です。

まだ完成しておりません。

熊本城総合事務所より図面が届いたのが1月に入ってから。膨大な図面の一部です。
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100分の1の原寸で出力し、製作に取り掛かりました。

現在追い込み中ですが、飯田丸五階櫓から遡って少しずつ製作記を上げていきます。

飯田丸五階櫓。これは模型です。
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とにかく時間が無かったので、建物の芯はMDF材をレーザーカットしてもらうことにしました。図面をパソコンに取り込み、パーツを設計していきます。
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飯田丸五階櫓の図面はCADデータで届いたので、外に貼り付ける壁の厚みだけ削って、図面をなぞりながらパーツをデータ化し、外注しました。

レーザーカットされてきたパーツ。
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組み立てると飯田丸五階櫓の形が!
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飯田丸五階櫓は単純なようでかなり複雑な構成になっていますので、設計段階でかなり苦労しました。
一階平面は台形になっている部分もあり、歪みも正確に立体化しています。
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プラ材で図面どおりに下見板をつくり
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貼り付けていきます。鉄砲狭間も本物と同じように板で囲い、下半分は斜めになっています。
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石落としの製作。
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本物と同じにできました。
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この段階では、図面を信じ込んでいたのでスムーズにいったような気がしていましたが、大変だったのはこのあと。

次回は、教訓。図面を信じるな。