2016年を振り返ってみますと、充実した製作の機会をたくさんいただきました。
まず、新年作品として安土城と春の醍醐寺がスタートでした。
二月には本願寺飛雲閣。これは京都府教育委員会の修理報告書、その他実測図面から起こした完全自作のもので、飛雲閣の模型としては史上3例目、黄鶴台まで含めたものとしては史上初の模型でした。
このあと、ジオラマではなく、建物それ自体に焦点を絞った作品をつくりました。
ジオラマにするとその目新しさに目を奪われ、細部まで見えないことがあります。あえてジオラマにせず、建物だけをキッチリ仕上げるという、一つの課題だったと思います。
ステンレス板を使って水面を象徴的に表現した金閣。
メッキは全て剥がし、ゴールドだけでも五色を使い分けた陽明門。
塗装で木の質感と重厚さを再現することを目指した薬師寺東塔。
石垣にもいっさい手を加えず、最低限のディティールアップで再現した大阪城天守閣。
周りの曲輪を全て捨て、天守だけに絞り、最新の色彩考証で再現した寛永度江戸城。
同じく塗装に神経を集中させた焼失前の国宝期名古屋城。
ジオラマとは全く違う技術が要求されました。ジオラマ作品では、松本城をつくりました。童友社のjoyjoyシリーズを使い、埋み橋などを自作しました。
豊臣大坂城もたくさんつくりました。
まず、静岡ホビーショーのためにテクニックを試行錯誤するためにつくった試作品。
その後、ホビーショーに出展した豊臣大坂城。様々な屏風絵の描写をミックスした、オリジナル復元の天守となりました。この模型の画像はメディアでも使われました。
宮上案の天守をキットの切り貼りで再現した模型。
また、初の展示模型として、岐阜城山上石垣整備模型を製作しました。地形図や金華山のレーザー測量データから起した厳密なものでした。
これはお城EXPO2016でお披露目され、2017年以降、岐阜城のロープウェイ山麓駅に展示されます。新聞、その他メディアでも多数取り上げられています。
今年の大きな変化といえば、だんだんと注文製作が増えてきたため、ヤフオクに出品することから卒業し、自分でオンラインショップを始めたことがあります。
今年の大きな変化といえば、だんだんと注文製作が増えてきたため、ヤフオクに出品することから卒業し、自分でオンラインショップを始めたことがあります。
とはいえ、オーダーメイドのご依頼をたくさんいただき、在庫を置けない状態が続いています。まだまだ体勢が追いついていない状況ですが、これから少しずつ充実させていきたいと思っています。
フジミのキットに手を加えた法隆寺五重塔も印象的な作品でした。