今回は復元模型のような綺麗なものをという製作方針でした。ご覧のように地面も鮮やかな単色です。
地面の表現は全体の印象に大きく影響しますので、地面がこの状態で、緑地をさらに鮮やかな緑にすると、慣れないうちは軽々しい印象になってしまいます。
そこでこれは一つのアドバイスとして、緑地には緑を使わないという方針を取りました。
これは彦根城の復元模型ですが、ご覧の通り、緑地には緑は使ってありません。
全くないものも。これは水口城の模型。
細かい部分も初めての作品にしてはよくできたと思います。
しかしながら、完全に復元模型仕様にすると、全く情景にならないのですね。「情」が出ないのです。資料館などの模型はむしろ「情」を出してはいけない部類のものですから、私などは参考にはしても、目標にはしないのです。
緑のパウダーを使わずに枯野のような色のパウダーにすることで、軽々しい地面にならずにすみました。
話は変わり…
岐阜城山上石垣整備推進協議会の代表の柴田さんのブログで、先日、当工房にお見えになった時の記事がアップされました。当日は話も盛り上がり、写真もたくさん撮っていかれましたが、この模型はまだ発表できません、これは写さないで、などいろいろ注文をしてしまい、申し訳なく思っています。
安土城(記事内では私の作品となっていますが、厳密には妻の作品で製作監修を私がしたものです。)も、その時点では石垣の塗装半ばで見苦しい状態でした。岐阜城の石垣の模型をお受けしておいて、この質と思われるとご迷惑をおかけするので、今日になって完成したものと差し替えてもらいました。
模型製作のためのクラウドファンディングも、既に50パーセントを超えていて、たくさんの方が楽しみにして下さり、ご支援いただいていることを実感して、気が入ります。頑張ります。