安土城の完成 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

妻の安土城が完成しました。
今日は雨でしたので、きちんとした撮影は明日以降になります。
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完成してからの一晩というのが意外と大切で、完成を目指している時には気にならなかったところが見えてきます。
黒金門周辺の柵がオーバースケールだと感じたそうで、エッチングパーツに差し替えたり、これから伝長谷川邸にも土塀を掛けるそうです。
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曲輪の形は実測図から起こしています。
ただし、限られたベースに納めるため、2割ほど圧縮していますので、不自然な箇所が出てきてしまいます。
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それを感じさせないようにするのが意外と難しいですね。

今回は復元模型のような綺麗なものをという製作方針でした。ご覧のように地面も鮮やかな単色です。
地面の表現は全体の印象に大きく影響しますので、地面がこの状態で、緑地をさらに鮮やかな緑にすると、慣れないうちは軽々しい印象になってしまいます。
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そこでこれは一つのアドバイスとして、緑地には緑を使わないという方針を取りました。

これは彦根城の復元模型ですが、ご覧の通り、緑地には緑は使ってありません。
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全くないものも。これは水口城の模型。
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しかしながら、完全に復元模型仕様にすると、全く情景にならないのですね。「情」が出ないのです。資料館などの模型はむしろ「情」を出してはいけない部類のものですから、私などは参考にはしても、目標にはしないのです。

緑のパウダーを使わずに枯野のような色のパウダーにすることで、軽々しい地面にならずにすみました。
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細かい部分も初めての作品にしてはよくできたと思います。
私には無い感性もあり、とても勉強になりました。
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今回の模型の秘密はこの天主。破風のパーツと最上階の屋根を別キットのものと入れ替えたのです。
見慣れた童友社のものと大きく印象が変わりました。
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明日は撮影をして、本人も感想を述べると申しております。

話は変わり…

岐阜城山上石垣整備推進協議会の代表の柴田さんのブログで、先日、当工房にお見えになった時の記事がアップされました。
当日は話も盛り上がり、写真もたくさん撮っていかれましたが、この模型はまだ発表できません、これは写さないで、などいろいろ注文をしてしまい、申し訳なく思っています。
安土城(記事内では私の作品となっていますが、厳密には妻の作品で製作監修を私がしたものです。)も、その時点では石垣の塗装半ばで見苦しい状態でした。岐阜城の石垣の模型をお受けしておいて、この質と思われるとご迷惑をおかけするので、今日になって完成したものと差し替えてもらいました。

模型製作のためのクラウドファンディングも、既に50パーセントを超えていて、たくさんの方が楽しみにして下さり、ご支援いただいていることを実感して、気が入ります。頑張ります。