安土城を振り返る | 城郭模型製作工房

城郭模型製作工房

城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

完成した妻の安土城です。
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たまにレジンの型取りや樹木の製作を手伝ってもらっていました。自分でも何か作りたい、と安土城を選び、せっかくだったらキットをそのまま作るのではなく、縄張り図から起こしてみたい、と決めて3ヶ月ちょっと、ようやく完成しました。
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私の監修ということになっていますが、いちいちここはこう、次はこれ、と細かく指示してしまい、けんかになりかけたことも何度もあり、出過ぎたかなと反省しています。
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まだまだ粗いところがあるとはいえ、私とはまた違う部分での几帳面さもあり、こちらが勉強になったところもたくさんありました。
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塗装は内藤案の復元模型のイメージで行なっています。
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塗装のポイントを公開すると、安土城は八角円堂部分が朱塗りになっているので、全体と調和させるために、下地は赤っぽい色で統一しました。特に面積の広い屋根は、アクリルガッシュの赤墨を塗り、鉛色で丸瓦の部分を一本一本なぞってハイライトを入れています。
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最上階の金も、円堂の朱塗りと同じ色を下地に塗って、その上から金の塗装をしています。
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ちなみに朱色はレッドとブラウンとデザートイエローの三色混合。これは、平等院の朱塗りが弁柄に黄土を混ぜたものであるのと理屈は同じです。

また、下見板の黒は、土塀に至るまで全て一度ブラウンで塗ったあと、薄めたエナメルのブラックをのせています。
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この重ね塗りがとても手間が要るので、初めは苦労していましたが、こうやって出来上がってみると、密度が高く仕上がっているのが分かります。

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自分の作品ができたように私も嬉しいのでした。

本人が感想を述べたいということでバトンタッチ。



どもども。
いつもお世話になっております、工房長の家内です。
天主の塗装から初めて、延々つづく石垣彫りで挫折しかけましたが(あまりに辛く、しかも工房のクーラーが壊れてとても部屋にいられなかったので、2ヶ月間も放置してしまいました)、なんとか形になりました。
アクリルガッシュのマットな質感が塑像チックで、かつ、とても絵画的な仕上がりになりました。
工房長は曲輪の中にもたくさん緑を植えるのが好きなのですが、復元CGのようなイメージでスッキリ少なめにしてみました。この辺りが多分、城郭模型製作工房の作品と違うところですね。
それと、工房長はリアリティを求めるので大概汚し塗装をしますが、あえてしませんでした。
苦労して複製した土塀を立てる瞬間が一番楽しかったです。完成間際のこの瞬間を思えば石垣彫りも耐えられるような、、、
再びジオラマ作品を皆様のお目にかける日が来ることを願いつつ、、、、、しばらく補佐にまわります。
お付き合いいただいてどうもありがとうございました。
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