次に妻の壁面を作ります。
まず、図面に合わせて、妻面の反りで切り出します。
この時、軒付(桧皮葺の軒の厚み)の分が残るようにします。
続いて妻面の屋根の製作です。
こちら側の屋根は苦労します。平側の軒先の反りを感覚で付けていますので、図面の反りと違ってきています。また、少しずつの誤差がここで一気に表面化しますので、現場合わせでやっていきます。
まず図面から屋根の幅を決めますが、少し長めに取って、調整していきます。
この作業は片方ずつ行います。片方の屋根がぴったり合うことを確認してから、反対側の合わせ作業に取り掛かるようにしてください。
続いて破風板の切り出し。
プラ板に形を写し取り、切り出していきます。一気に切らず、少しずつ小さくしていきます。ピンバイスで穴をあけるなどして、形を整えていきます。
屋根本体との反りの差がありますが、この段階ではそのままです。
切妻の場合、上のラインは屋根の反り、下のラインは破風板の反りになるようにパーツを切り出します。
これに裏甲と軒付を取り付けて
屋根に接着します。
唐破風も同じように。
軒付を取り付けたところ
反りを付けた屋根面を取り付けて
屋根に接着しました。
妻面の反りと、屋根の反りの間はパテを盛って繋げます。この部分が簑甲と呼ばれる部分で、実際の屋根作りでは高度な技術を要する部分です。
ペーパーで丁寧に磨いていきます。
下地塗装したところ。
棟を載せて屋根の作製物は全て完了。
床下の製作。
今回は安土城の南殿として使うので、光浄院の客殿より倍くらいの高さにしています。
最終的な塗装をして完成です!
手のひらサイズの主殿建物ができました!
それと今回は軒裏は省略しています。
もっと正確に作る場合は、垂木を貼り付けた軒裏パーツを貼り込んでいきます。
基壇は建物より一回り大きく切り出し、周囲に石を彫りました。
建物を接着固定したあと、落ち縁を支える束と階段を取り付けました。
今回のやり方だと、図面の長さを定規で測って写すということは一回もやっていません。
全て図面や現場でパーツに合わせながらやっています。図面をうまく使いこなせるようになると、作業が早くなりますよ。