岐阜城の経過報告 | 城郭模型製作工房

城郭模型製作工房

城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

全国の城郭・古建築ファンの皆さまこんばんは。

って変な挨拶から始めますが、そうなのです。なんと工房のエアコンが故障しまして、灼熱の中作業をしており、ちょっと私のテンションまで故障しております。

8月中に、例の岐阜城をなんとか形にしようと思っていまして、鋭意製作中です。

今一度経過をお浚いしますと、岐阜市の市民団体「岐阜城山上石垣整備推進協議会」様のご依頼で、現在の岐阜城に、信長時代の石垣を復元整備した状態の模型を作っています。お城のペーパークラフトのファセットさんが製作マネジメントをして下さっていて、全面的な資料提供のほか、ご依頼主との仲介を全てやって下さっています。

来年、信長公入城450年記念に合わせて、岐阜城天守内か市内の公共施設に展示をしたい!とおっしゃって下さっており、実現すれば大変光栄なことです。

資料にいただいた古絵図を見てみると、広範囲に渡り、石垣が積まれていたことが分かります。
{3616F01A-2A29-414B-9D2A-F44134D14110}

現在は殆ど埋もれたり崩れたりしているので、将来的に発掘、復元整備をしたい!ということで活動されています。岐阜城は廃城後、山一帯が幕府の直轄となり、人の出入りが厳しく制限されたので、発掘すれば良好な状態で石垣が出てくる可能性があるのだそうです。

しかしこの絵図、どこかで見たような。
そうです、童友社のキットです。開発の詳細はよく分かりませんが、この伊奈波神社所蔵の絵図が元になった可能性は高いですね。

現在製作中のものは、もちろん市販キットは一切使わず、天守も全て自作です。できる限り現状の地形を正確に立体化した上に、石垣を作ってくれとのことなので、山は等高線を切り出して積み上げています。
下の図は現地調査をした時に書き込みをした中の一枚。
{4FBFA280-BA7C-4B23-A0AF-C5A58A45E069}

製作段階の写真をお見せできないのが残念ですが、スケールは500分の1ながら80センチ四方、それでも標高160メートルくらいから上しか再現できません。

金華山をレーザーで測量した3Dの地形画像データもいただいていて(これも公開できません)、現実の地形を作った上に、古図の石垣の寸法を参考に石垣を復元していきます。古図は実際とかなり違うのですが、データを見てみると対応する凹凸が確認でき、大変面白いです。お見せできないのが本当に残念です。

とにかく体積が大きいので、二階の工房から出せないという疑惑があり(笑)、いざとなったら窓から出す計画です。
運搬も困ったもので、サイズが大きく、しかも精密なものなので、ヤマトの美術便に問い合わせたら、トラックを仕立てて岐阜まで30万円と言われ、結局、自分の車で持っていくことにしています。


9月中旬以降に納品予定なので、搬送記をお楽しみに…