今日は朱色を決定しました。
試しに一面だけ彩色してみたところ。
朱といってもいろいろあり、まずは手元にある日本画の顔料を並べてみました。
黄口朱は、八坂神社の色ですね。古代朱は色味的にはサビ朱に近いかんじで、修復後の平等院鳳凰堂はこの色合いに近い気がします。
この度は天然の真朱に近い色に決定しました。
昨日の下塗りの上から、垂木の間と支輪の間に白を入れ、先ほどの朱色で部材を塗り分けていきます。
この一面だけで1時間かかりました(笑)。単純に計算して塗り分けだけであと27時間かかります。途中からリズムに乗ると早くなりますので、そこまではかからないと思いますが遠い道のりです。
この一面だけで1時間かかりました(笑)。単純に計算して塗り分けだけであと27時間かかります。途中からリズムに乗ると早くなりますので、そこまではかからないと思いますが遠い道のりです。
もともと、別の建物をつくる予定でパーツの型取りも完了していましたが、朱色を綺麗に出すために、この塔で勘を掴もうということにしたのでした。
本命の建物は平等院鳳凰堂で、しかも創建時の姿。
尾廊に関しては、現在のものには火頭窓がついていて、私はてっきり後の時代の増築だと思っていました。平安時代に火頭窓があるはずありませんので。しかし、院政期に上皇がここから入堂した記録があるそうで、初めは橋廊であった可能性があるとのこと。
いかにも平安期の貴族趣味で納得。
鳳凰堂に関しては、扉は朱漆だったとか、場所によって朱の色合いが様々になってくるので、もう少し文献に当たって全体像を定めてから取り掛かるつもりです。
しかし、近世においては権力を象徴する建物が城であり、古代においては寺であったということが面白いですね。
北山大塔も義満の力の誇示であり、巨大な寺を建てることへの執着は中世においても受け継がれていたようですね。
六勝寺はじめ、平安京の大寺院、遡って奈良の大寺院など色々書きたいこともありますがおいおい少しずつ。