北山大塔① | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

先日、幻の巨大木造建築として相国寺の七重塔をご紹介しましたが、どうしてもこれが見てみたくなって、もうその日にはフジミの興福寺五重塔のキットを二つ注文していました。

相国寺の七重塔は足利義満が建てたもので、高さは360尺といいますから109メートル、京都タワーの展望台と同じくらいの高さになります。
とにかく高さの記録があるだけであとは不明。ですので、先日の冨島先生の復元考証によるCGも恐らくほとんど推定でしょう。
柱間が通常の塔とは違って五間四方となっています。これだけ大きなものなので、構造的に持たないということでしょう。初層の裳階も根拠が知りたいところ。あいにく、手元に文献資料が全くありません。
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この塔、ずんぐりしているし、ちょっと好みでない。


ということで、この相国寺の七重塔が落雷で炎上したため、義満が新たに北山第に建てた、幻の北山大塔ということにして七重塔を作ってみましょう。この塔は存在すら疑われていた幻も幻、自分勝手に好きにできます。

とりあえず重ねてみる。
階高が高すぎて全体が不自然にひょろ長くなってしまいました。これじゃあ風でも倒れそう。第一美しくない。
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そこで、二重目以上全ての階の高さを切り詰めました。高欄が回るし、軒下には斗栱がつくので、このくらいがいいバランスになりそうです。
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でかい!初層には裳階をつけるつもりです。そうすると初層の階高がさらに高くなり、綺麗な塔になると思います。
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下塗りを始めました。最終的には鮮やかな朱になります。垂木や支輪の間は全て真っ白になるので、かなり派手な姿になると思います。
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お城ばかりでしたので、気分転換です。