国宝期名古屋城天守③ と取材とか告知とかいろいろ | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

前回、歴史上の巨大な建物について、ごく大雑把に書きました。その中で、国内史上最大の塔として、京都相国寺の七重塔にちらりと触れました。

高さは360尺といいますから109メートル、現存最大の東寺の五重塔の約2倍の高さです。
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1399年に足利義満が建立しました。その4年後に落雷で焼失。その後再建されますがこれも1416年に焼失。以後幻となります。(さらに再建され1470年に3度目の焼失をしたという説もあるようです)現在は「塔之段町」の地名に残るのみです。
洛中洛外図の「町田本」はこの塔からの眺めを描いたという説もありますね。描かれた建物を地図に落とし込んでいくと、この塔の場所から放射線状になるとか。

この相国寺の七重塔の焼失後の1404年に、義満が北山山荘(=現・鹿苑寺=金閣寺)内に同じような七重塔を建立します。これは北山大塔と呼ばれ、1408年に義満が亡くなりますので、完成したのかも定かではないのですが、その相輪の一部と見られる破片が発見されたというニュースが、今月初めに流れました。

九輪の破片と思われ、復元すると直径が8尺ほどになるそうなので、相国寺と同じような規模の塔があったのでしょう。この塔も1416年に落雷で焼失します。高い建物は雷が命取りですね。

そういうことからいうと、法隆寺にしろ薬師寺の東塔にしろ、古代の仏塔が現存するというのは奇跡だと思います。

いつかせめて模型にしてみたいですね。

おとといの日曜日は岐阜城の現地調査をしてきました。
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植生とか。
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くまなく歩いて図面では分からないところを書き込んで、写真を大量に撮影してきました。
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話は変わりますが、ホビーショー出展作品の豊臣大坂城です。その後、水堀を作り直したり、御殿屋根の鬼瓦など、細かいところの追加工作をしたりしながら、あちらこちらに行ったり来たりしておりましたが、そろそろ役目を終えたと思いますので、近いうちに販売いたします。
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数件お問い合わせをいただいておりましたが、お断りしておりました。お問い合わせいただいた方、すみませんでした。
現在この作品は出張中ですが、戻ってき次第、もう少し手直ししてヤフオクか、サイト内で販売いたします。その時はまた告知致します。
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さて、製作途中の国宝期名古屋城天守です。

屋根の色を抑えました。まだまだ気に入らないので塗装を重ねます。
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瓦屋根の塗装。
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破風の塗装。
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窓の格子は色々考えました。結局、石屋模型店さんのエッチングパーツを使用しました。フジミの大姫路城用のセットを購入していましたが、こちらに使ってしまいました。現在品切れ中のようなので、増産を希望します(笑)。
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格子を入れていきます。
国宝期の写真を見てみると、窓の土戸がランダムに開閉しているので、この模型でも2割くらいは閉じた状態にします。
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コンクリート再建の天守では見ることの出来ない姿ですからね。
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見えにくいですが、すべての格子が入りました。最上階には格子は無いようです。
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内部に箱組みを作り、反対側の抜けを防止したら大まかな造形は完成になります。