安土城全山模型①主郭部分 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

ご注文により安土城を全山にて製作開始します。
ここにたどり着くまでも紆余曲折がありました。施主様と長いやりとりを重ね、安土城に落ち着きました。正確さよりも、とにかく日本の原風景の様々な要素を織り込んだ情景模型にしたいということで、城下町や田畑まで、安土城周辺を借りた一大情景模型になる予定です。

信長が城を築くにあたり、安土の地を選んだのは、軍事的理由もさることながら、ここが、当時琵琶湖畔有数の景勝地であったことが大きな理由であるとも言われます。
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今でこそ干拓により琵琶湖は安土山から離れていますが、築城時は安土山は湖上に浮かぶ島のような山で、安土城はちょうどモンサンミッシェルのような景観を呈していました。

今回はその景色を模型にする予定です。
天主は絶版の城郭コレクションのものを使用します。
ベースから天主を切り出しました。
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正確に縮小すると、山全体はA1サイズほど必要か、という大きさになります。それをぎゅっと凝縮しつつ、不自然にならないように見せなければならないところが課題になりそうです。
このようなものは自分の直感を信じて進めていくしかありません。
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主郭部分からつくりはじめました。
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この部分は比較的正確です。スチレンボードを積層していきます。
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石垣の斜面を取りました。
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山肌をつくりました。
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以前の豊臣大坂城本丸全景より、感覚的にはスケールが小さい気がします。きちんと計算していないのでなんとも言えませんが、山の上で曲輪が狭くて入り組んでいるからそう感じるのかもしれません。

もう一つの安土城、妻の作品です。
最上階のディテールアップは私がしました。柱を追加して、広島城の手摺を改造して高欄を作りました。
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塗装したところ。塗装は全て任せています。たまに色の配合や金具の範囲、建築の構造や塗り分けの境界線を聞かれるくらいです。八角円堂部分の斗栱を描き込むには、台輪より上の白壁が広すぎますので、階高を1.5mm低くしたらうまくいったようです。ちゃんと接写にたえていて正直驚きました。
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最上階の屋根を入れ替えたり、破風のパーツを入れ替えたりしただけで、かなり格式が上がりました。
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ジオラマの製作は図面を読み取るのが難しかったようです。等高線のある図面に石垣が重なっているとさっぱり分からないそうで、私は分からない感覚が分からないので説明に苦労しました。
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妻の希望で石垣の高さを高めにしています。しかも限られた範囲に納めるために天主に対して曲輪を15%ほど縮小しています。そのおかげで、色々なところに誤差が生じてしまって、辻褄合わせが大変です。

粘土で石垣の下地を作るところまできました。図面や絵を見ただけでは石垣のつながりが分かりにくいそうです。
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