昭和大阪城 天守閣①下塗り | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

岐阜城、安土城に取り掛かる前にご依頼品の昭和大阪城をつくります。

正式名称は「大阪城天守閣」。この昭和復興天守には「閣」の字がとても似合っていて、大阪城に関しては天守閣と呼ぶことにしています。

この色彩を再現していきながら、この建物の魅力をお伝えしたいと思います。
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使用するキットは童友社のスタンダード大阪城。
天守閣単体です。最終的に黒ベースのアクリルケースに入れ、以前作った陽明門や東塔などのように、インテリア建築模型仕様になります。
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この度は、塗装に重点を置きますが、建物の密度を上げるため、少しディティールアップをしました。
まず、初重の窓に竪格子。0.3mmのプラ棒を3本ずつ入れていきます。
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二重目以上にも格子を入れます。こちらは0.8mmメッシュのエッチングパーツを切り取って使いました。
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このようになりました。
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全ての窓に格子が入りました。
大阪城の天守閣は窓が大きく数も多いので、反対側の窓が透けてしまいます。これも対策を取ります。
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白壁と屋根の下塗り。
銅瓦の屋根は、金属感を出したいので、幾重にも色を重ねていくつもりです。まずはアクリルガッシュの黒緑を下地としました。
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下塗りした破風パーツ。下塗りの段階で、白は既に三層にわたる塗装をしています。最終的に黒くなる破風の前包み部分は、下地に屋根と同じ黒緑を塗りました。
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その後、前包み部分と金具の下地に黒を塗りました。
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昭和復興天守は、徳川時代の天守台の上に、夏の陣図屏風を基にした豊臣風の天守が建っていることもあり、受け付けない方もあるようです。嫌いなお城ランキングの中に必ず入ってきて、特に中京地方に嫌いな人が多いという噂を耳にしました(笑)

豊臣風天守と言いながら真っ白だし。

しかしながら、古川重春氏が苦心して形にされたこの天守閣は、豊臣期、徳川期の天守よりも最も長寿です。この天守閣が完成したのが昭和6年。今から85年前のことです。近代建築の一つの傑作とも言われ、私もこの天守閣に惹かれる一人であります。
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大阪城天守閣が嫌いな方に好きになってほしいという思いも込めながら作ります。

夏の陣図屏風のような黒い天守として建てる計画もあったようですが、なぜ白くなったのでしょうか…そもそもなぜ徳川期の天守台に豊臣の天守を建ててしまったのでしょうか。そのあたりは次回以降。