豊臣大坂城天守模型⑥天守塗装 | 城郭模型製作工房

城郭模型製作工房

城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

天守の塗装がほぼ終わりました。
{31DB1B45-E348-425B-ADD6-01028465B5A2}

この模型は製作のご依頼品なので、塗装の仕方などもご希望を伺いながら進めています。復元模型的な綺麗な仕上げでということですので、汚しは入れていません。

ただ、屋根だけは少し質感を出してみました。資料館などの復元模型は、屋根は単色塗装であることが多く、陰影表現もありません。今回、壁面はごく綺麗に仕上げましたが、屋根はあえて塗装を幾重にも施してみました。

下塗りのタミヤアクリルのダークシーグレーの上に、アクリルガッシュのニュートラルグレーの5番を塗りました。その上から、アクリルガッシュの和シリーズ、鉛色を薄めに溶いてかけます。

さらにその上からエナメルの黒を薄く溶いて塗りました。写真は下層部にエナメルをかけたところです。
{0CE14D18-478C-4922-A6D4-5C8063FAAFD9}


最後にアクリルガッシュの和シリーズ、藍鼠を丸瓦に乗せハイライトとしました。
{1211706A-AF63-4F09-B9ED-A9D94BDDAAEA}

少し青みのあるグレーを入れたことで、単に白と黒のグレーだけでない屋根が表現できたと思います。
少し青みがかって見えますね。
{19B77EA8-CA0D-460A-A7DF-F8195D038E18}

続いて金箔瓦の塗装を終えたところ。
{55F2F66D-6041-44DE-BA35-E596814469BA}

金箔瓦にはパール赤金泥を使用しました。
{3A69C533-29F8-45D3-9169-DB6D38365200}

日本画などで使う顔料ですが、これは本物の金ではなく、着色した雲母です。膠のかわりにマットメディウムで溶いて使用しました。

安土城と豊臣大坂城は、金箔瓦が特徴です。ここまで拡大すると粗が目立ちますが、0.3mmくらいのツブツブを描き込んでいきます。
{11A847BA-9647-4349-A72F-5622FB5FD419}

破風などの金具の塗装が終わったところ。金具の金はMr.colorのゴールドです。
{4006B037-BAA7-41A4-9B14-43C823333ECB}

拡大。鳥衾が取れてしまった箇所あり、最上階はまだ鳥衾の製作はしていません。高欄の調整や突き上げ戸の製作など、ちまちまと作業が残ってはいますが、天守自体は完成の域に入ってきました。
{5808D328-BE6B-440E-A46E-6B6BBDEFBFB2}

北西から。
{DB0F038C-6E68-4B35-B78F-EF3E4A48344B}

北東から。まだ接着せず重ねただけです。
{34E676AB-098E-4A85-9B3C-5C3D6E4061EB}

天守台他、地面の製作に入ります。A4サイズのご指定で、レイアウトも相談して決めました。水堀まで入れます。
{19C003D6-276E-4377-AB81-BF2F7689A3A8}