豊臣大坂城【静岡HS作品】完成②画像をもう少し | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

昨日完成した静岡ホビーショー出展作品の豊臣大坂城です。

製作時間切れの感がありますが、時間配分のまずさも私の現段階での限界です。モノづくりを甘く見ていました。自分への過信があるのでしょう。お恥ずかしい限りです。

とはいえ
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この完全オリジナル天守ですが、我ながら結構気に入っています。

夏の陣図屏風、冬の陣図屏風、大坂城図屏風、エッゲンベルグ城の豊臣期大坂図屏風などの描写をミックスし、オリジナルといえばカッコいいですが、自分の好き放題の勝手な姿です。

また、今回の隠れテーマが「嘘から真を出す」で、虚実を綯交ぜにした上で、臨場感のある模型を作りたいと目指しました。意気込みだけは壮大です。
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天守はほぼフリーハンドでパーツを組み合わせていきました。その際に、軒の出と逓減率を意識して、自分の中の桃山期のイメージのシルエットを出そうと思いました。
層塔型の天守と違い、逓減率に変化を持たせましたので、特に北東面において、天守各層の軒のラインが富士山のような裾野の広い曲線を描くことに成功しました。
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東西に岡山城を参考にした出窓を設けたので、その屋根も含めると六層にも見え、天守台の余白を囲む土塀も含めると七層にも見えます。

南面には比翼千鳥破風があり、夏の陣図屏風の破風構成に近づけています。
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付櫓(小天守)も夏の陣図屏風のイメージ。
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天守のそばに、この屏風にあるように杉の木を立てたかったのですが、気に入る針葉樹ができませんでした。

他にも細部を。
月見櫓。三層の櫓として想定してみました。
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月見櫓下の地形。下の段帯曲輪、芦田曲輪、山里の地平面、中の段帯曲輪、詰の丸の5段の異なる地表が交差する部分です。
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奥御殿も手前の土蔵は塀で囲まれていたり、本丸図の描写のままです。小さな厠のような建物や築地の折れ曲り方は忠実な再現を諦めた部分があり、心残りの点の一つです。
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芦田曲輪の長屋と山里の松林。
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山里御殿の庭の中には茶室があります。
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山里に入るための唐門。
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もうこのあたりは何の根拠もありません。
自分なりの設定はかなり細かく作っていますが…

極楽橋。これはどの屏風の描写とも異なります。現実にはこんな感じで、屏風にしたら派手になった、という設定です。
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屋根の質感は少しオーバー気味にしました。実際には
築二十年余りでこの古色は出ないでしょう。
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今日から上京しているので、早くも日付指定で発送してきました。大切に運んで下さることを願います。
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5月14日(土)9:00~17:00    
      15日(日)9:00~16:00
〈会場〉ツインメッセ静岡
入場無料

全国城郭模型普及協会で展示しております。
期間中会場におりますので、おいでの方はお気軽にお声をかけて下されば嬉しいです。