フジミ銅被膜名古屋城【明治初期再現】③ | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

前回の記事に、実際にフジミのブロンズをつくられた方からコメントをいただきまして、大変有り難いアドバイスとなりました。

今日の銅の腐食状況です。なんだか夏休みの観察日記みたい。
大変きれいに緑青が出ているところ。
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これが問題の塩の粒。前回はもっとひどいことになりました。
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今回は塩水の濃度を下げてみました。

しかし三層目はまだらになっています。
右側はというと、最後の手段だと思っています岩絵具(笑)。引っ張り出してきました。
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岩絵具の緑青はまさに銅の酸化物なので、屋根から噴き出した緑青と成分的には同じはずです。ご覧の通り色もほぼ同じ。
このキットの銅被膜加工は軒瓦の垂直部分が薄かったり被膜が及んでいなかったりしたので、どちらにせよ塗装で補おうと思っていました。

あまりに屋根とにらめっこしているので、妻が、いつまで屋根やってんのと。

そういえば一週間以上屋根しかやってない。

前に進みます。

壁面をエアブラシ塗装。水性アクリルのフラットホワイトの上に、アクリルガッシュの白胡粉に砥の粉色をほんの少し混ぜたものを吹きました。窓は一部塞いでいます。
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これは窓の格子パーツ。
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名古屋城の窓には銅張り黒塗りの格子が入っていて、この天守の特徴の一つです。それをちゃんと再現しようという、開発の方の視点を思うと、名古屋城の事を分かった方だったんだなあ、と感慨深いものがあります。格子の数が2本で、実際より一本少ないですがそのまま使います。

そうこうしているうちに屋根もだいぶ落ち着きました。
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このキット最大の特徴はなんといっても戦後再建の天守ではなく、焼失前の天守の姿となっている点です。

戦後再建の大天守は、観光用の展望台となっていますので、最上階の窓が広いガラス張り。窓の引き戸を全部取り払った状態です。
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焼失前の最上階の窓。
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このキットの最上階のパーツ。(釘隠しの塗装修正前で汚いです)
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ご覧の通り戦前の名古屋城の再現になっています。

さっきの格子パーツを取り付けた窓。上は扉が閉まった状態。徳川家の城は、格子の外に引き戸が有るのが特徴です。
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窓の開閉は今の天守では見られないので、この古写真通りの窓の状態を再現しました。
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仮組してみた状態です。
裏側は窓全開の姿が見れるようにしています。

屋根がもう少し錆び付いて欲しいところですね。





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