フジミ1/80陽明門⑤彫刻と屋根の彩色 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

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屋根の塗装をやっています。
とても複雑な色で難しいです。
実物の写真を。
緑っぽくもあるし、
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黒っぽくもあるし、
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青みがあるようでもあるし
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とても微妙な色合いです。
いわゆる銅瓦葺ですが、東照宮の場合、銅の上に漆を塗り込めてあるので、それがとても絶妙な色合いをかもしだすのですね。
ちなみに、銅瓦というのは、銅で鋳造した瓦のようなイメージがありますが(私ははじめそう思っていました)、そうではなくて、木で瓦の形を作った屋根の表面に銅板を張り込んであるのです。名古屋城なんかのいわゆる銅瓦は全部そうです。よく、天守の軽量化のために銅瓦葺に…なんていう解説がありますが、そういうわけです。城で銅瓦葺といえば大阪城と名古屋城ですが、忘れられがちなのが弘前城も銅瓦ですね。鉛板を使った鉛瓦は金沢城。

さておき、陽明門のこの屋根の色は悩みました。混色して一度塗りでは再現不可能なので、いつものように、薄いフィルターを幾重にも重ねていくイメージで彩色します。
まず下塗りに黒緑。アクリルガッシュの和カラーです。
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その上から胡粉色を主体に、今度は緑系を使わずに、青系の色をかけました。
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下地の緑が少し透けている感じ。まだ緑が強いですね。
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次に、また胡粉色主体に青墨と鉄紺で青みの明るいグレーをつくり、水で薄く溶いて全体にかけました。
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結構複雑な色になってくれました。
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路線は合っている気がするので、これから色を抑えていきます。
城や古建築の命は屋根です。石垣もなのでしょうが、私は屋根も同じくらいかそれ以上に重視しています。なかなか感じが出る塗装というのは難しいです。いつも書いていますが、屋根にドライブラシはおすすめしません。とくにスケールが大きくなればなるほど、ドライブラシはそぐわない塗装方といえます。今回は1/80スケールなので、ドライブラシは厳禁です。まあこれは好みの問題です。

二層目の斗栱の尾垂木が全て彫刻になっています。龍です。下地黒→金塗装→彩色。
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龍の開いた口の紅がかなり目立ちます。
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一層目の唐獅子ちゃん。
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キットのものの造形があまりお獅子には見えないのですが、巻き毛の金茶と緑青で塗り分けて、色合いでもってなんとなくお獅子にしました。
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竹に雀、松に藤、牡丹に獅子。この獅子群は全て牡丹の中から顔を出しているようになっています。牡丹の露に濡れると、獅子身中の虫のかゆみが和らぐのです。
牡丹はまず色を塗り分けただけです。また金で少し描き加えます。
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いろんなところが未完成なままの記事でした。