塗装のポイントについて、書いてみますので、製作に挑戦される方の参考になればと思います。
まず本物との比較。
以前、日本の建物の美しさの大きな要素として軒のラインの大切さを書きました。金閣の場合、ご覧の通り、こけら葺の軒に黒いラインが見えるのが分かるかと思います。(その上、軒先の金のラインは雨樋なので無視です。)
これは拡大しますとこのようになっています。
瑠璃光寺五重塔。こちらも軒付が二重になっています。
さておき、金閣は二重軒付の下の段が黒く見えるので、そのように着色し、上の段の軒付は茶色勝ちに塗りました。
どこまでが金箔押しで、どこから木部なのか、きちんと把握するだけで完成度が上がります。
二層目と三層目は裏甲までが金箔押しのようです。
このキットは、裏甲までの軒裏と、軒付からの屋根の部分が別パーツになっており、とてもシャープな軒のラインが再現可能です。
次に、二層目と三層目の縁側は黒漆塗りになっているそうです。
光沢のある鏡面仕上げなので、ツヤありのブラックを塗って再現します。
木部はいつものようにタミヤの水性アクリル塗料の重ね塗りで表現しています。雨に晒される落縁から広縁の外側部分は少し色を変えています。
金の部分は、今回はこのスプレーを使ってみました。結構重厚な輝きが出てくれましたが、金の塗装は他にもいろいろ試せるので、これからも研究していきます。
あと、こけら葺の色ですが、これは日によって見え方が違いますし、いつも難しいと思う塗装です。意外かもしれませんが、茶色ベースではなく、グレーベースで色を作ると結構それらしくなります。
いつも私はフラットホワイト→フラットブラック→茶系の塗料、の順番で混色して色をつくります。
フジミの1/100金閣、名作です。ぜひ皆さんも挑戦してみてください!
それと汚し塗装ですが、できるだけドライブラシなどはやらない方がきれいにできます。汚し塗装をすると、なんだか「特別な塗装をした!」ような気になるのですが、「汚し」塗装なので、汚くなります。城や古建築には過度の汚し塗装は禁物です。作品の世界観によって程度を調整するようにしています。
フジミの1/100金閣、名作です。ぜひ皆さんも挑戦してみてください!